今回は、東京大学大学院の倍率を過去10年分のデータをもとに徹底的に解説していきます。
東京大学大学院の公式サイトで公開されているデータを参考にし、
INPASSが持つ過去のデータと照らし合わせて詳細解説を行っていきます。
・研究科別
・専攻別
・志願者数別
・合格者数別
など、とにかく出せるデータはすべて様々な形式で取りまとめさせていただきました。
また本記事は、大学院入試情報サイト「insearch」さんと共同で作成させていただきました。
ぜひ下記の記事と合わせてご覧ください。
(insearchさんの記事内でも、INPASSを紹介いただきました!)
それでは本編に行きましょう!
それでは初めに、東大院全体の倍率をみていきましょう。
2022年度入試までほぼ右肩上がりで伸び続けていた外部からの志願者数ですが、なんと2023年度入試にはほぼ10年前と同等の人数まで減少しました。
ですが、そもそも2021~2022年度の入試はコ〇ナ禍でした。
これが意味することとしては、当時はすべての専攻がオンライン入試に切り替わったことから、誰もが東大院に受験しやすくなっていたことがうかがえます。
(これは東大院に限らず、他の大学院でも同様の傾向がみられました)
そして2023年度入試からは元の対面に切り替わった研究科が出始め、徐々にコ〇ナ前と同じように戻り始めました。
事実、学際情報学府は2025年度入試もオンラインで実施だったこともあり、倍率は10年前から右肩上がりが続いています。
あくまでも推測ですが、このような背景が志願者数の増加に起因していたことがうかがえます。
とはいえ、昨年までに志願者数が再度増加傾向にあることから、外部からの東大院人気は増加しつつあることは間違いないでしょう。
続いては、キャンパスごとの倍率について解説していきましょう。
東大には主に「本郷、駒場、柏の葉」の大きく3つにキャンパスを構えています。
そこて本記事では、各キャンパスに所属している研究科を下記のように定義します。
・駒場:養育学、総合文化、数理科学
・柏の葉キャンパス:新領域
・本郷:その他の研究科
ただし注意点として、同じ研究科・専攻でも研究室によってキャンパスが異なる事例が多くあります。
下記の集計結果は、あくまでも参考としてご覧いただけると嬉しいです。
まずは本郷キャンパスに所属する研究科全体の倍率を見ていきましょう。
ちなみに本郷キャンパスを知らない人のために開設すると、本郷キャンパスはあの有名な安田講堂や赤門があるところです。
よく「柏の葉キャンパスは外部からの進学者が多いから入りやすい」という噂があります。
実際にデータに起こしてみると、全体的には上昇傾向にあるものの、相対的には柏の葉キャンパスの倍率は低いことが見えるかされているかと思います。
(志願者数が本郷に比べて駒場や柏の葉は少ないため、一概に比較は難しいことをご留意ください)
東大院の文理別の倍率について解説していきます!
下記のように文系、理系、文理融合の3つの観点から見ていきましょう
文系:人文社会系、法学政治学 総合法政、法学政治学 法曹養成、経済学、公共政策学
理系:理学系、工学系、工学系 原子力、農学生命科学 農学、医学系 保健学、医学系 医科学、医学系 公共健康医学、薬学系、数理科学、新領域創成科学、情報理工学系
文理融合:総合文化、教育学、学際情報学府
2025年度入試の東大院全体の倍率は3.17倍ですので、実は理系(外部倍率:2.54)に比べて文系(外部倍率:3.63)のほうが高いことがうかがえます。
また、分離融合もおおむね横ばいではあるものの、理系に比べて外部の倍率は高いことがうかがえます。
大きなくくりで見ると、文系や分離融合に比べて、東大院では理系のほうが外部から入りやすい傾向にあることがうかがえます。
ですが注意が必要です。
あくまでも大きなくくりでの統計なので、研究科や専攻に大きく左右されれるパラメータであることはしっかりと認識を持ちましょう。
(すなわちこのデータだけではあまり意味を持ちません。)
それではここからは、各研究科別の志願者数・合格者数・倍率を見ていきましょう。
全体倍率: 平均3.17倍
外部倍率: 平均5.03倍
人文社会系は全体倍率が3倍を常に超えており、非常に高い競争が続いています。外部倍率は特に高く、ほぼ毎年5倍を超えているため、外部生にとって厳しい競争環境です。
R4年度からR6年度にかけて、全体倍率は2.95倍から3.21倍に上昇していますが、競争が厳しい状態が続いています。外部倍率もほぼ5倍前後で推移しておりますが、しっかりと準備を行うことで外部生からの合格を狙うことが可能です。
全体倍率: 平均3.36倍
外部倍率: 平均4.23倍
教育学は、過去10年間で全体倍率が3倍を超える年が多く、特に外部倍率は4倍を超えることもあるため、簡単な戦いというわけにはいきにくいです。
近年、R4年度からR6年度にかけて全体倍率は3.58倍から2.82倍に低下しましたが、それでも競争は激しく、外部倍率も依然として3倍を超える状況が続いています。
ですが、近年は外部からの合格者数も伸びており、十分な対策を行うことで合格を狙えることはデータからも読み取ることが可能です。
ここでは、総合法政専攻と法曹養成専攻の専攻別でみていきましょう。
全体倍率: 平均5.42倍
外部倍率: 平均8.46倍
法学政治学 総合法政は、非常に高い競争率を持ち続けています。
全体倍率も5倍を超える厳しい競争が行われており、特に外部生にとっては外部倍率が8倍近く、非常に厳しい入試環境が続いています。
近年では、R4年度には5.72倍を記録しましたが、R6年度には5.10倍にやや低下しています。それでも競争の激しさは続いており、外部生にとっての難易度は依然として高いことが伺えます。
全体倍率: 平均2.97倍
外部倍率: 平均3.12倍
法曹養成は、他の法学分野と比較して競争がやや緩やかで、全体倍率が3倍を下回る年もあります。
外部倍率も3倍前後で推移しており、特に厳しい競争とは言えませんが、近年ではR4年度以降に全体倍率が上昇しており、R6年度には4.15倍に達しています。
外部倍率も同様に上昇しており、R6年度には4.14倍となり、外部生にとって競争がやや激しくなっていることがわかります。
ですが、昨年は倍率が大幅に下がっていることや、総合法政専攻に比べて倍率が低いことから、外部から狙いやすい部類であるとみることが可能です。
全体倍率: 平均4.00倍
外部倍率: 平均4.89倍
経済学は非常に高い競争率を維持しており、全体倍率が4倍前後で安定しています。
特に外部生にとっては外部倍率が5倍を超えることが多く、厳しい競争が続いています。
R4年度以降、外部倍率は一時的に4.79倍から3.51倍に低下していますが、それでも外部生にとっての難易度は依然として高いです。
2025年度は2022年度と同等の水準まで下がりましたが、引き続き高い競争率が予想されます。
全体倍率: 平均2.79倍
外部倍率: 平均3.48倍
総合文化は全体倍率が3倍以下で推移しており、特に外部倍率がやや高いものの、全体的には比較的安定した競争環境が続いています。
近年では、全体倍率は2.71倍から2.59倍にやや低下しており、外部倍率も大きな変動はありません。
内部生にとっては競争が緩やかな部類であり、外部生からも十分な準備を行えば合格の可能性がある研究科です。
全体倍率: 平均1.78倍
外部倍率: 平均2.44倍
理学系は、全体倍率が2倍を下回ることが多く、安定した競争環境が維持されています。
外部倍率は2倍程度のため、他の研究科に比べて比較的に低い傾向にあります。
R4年度からR6年度にかけては、全体倍率は1.67倍から1.84倍に上昇していますが、それでも非常に安定した倍率が続いています。
内部生・外部生ともに比較的公平な競争が行われており、適切な準備を行えば外部からでも合格の可能性が十分に高いですことが倍率から伺えます。
ここでは、工学系研究科全体と原子力国際専攻を切り分け倍率を紹介いたします。
原子力国際専攻は、定員が15人と少なく、工学系研究科全体の倍率に与える影響が少ないためです。
また、原子力国際専攻の倍率にはある特徴が見れることから、特別にフォーカスして紹介いたします。
全体倍率: 平均1.74倍
外部倍率: 平均2.74倍
工学系は、全体倍率が1.5倍〜2倍で安定して推移しており、比較的緩やかな競争環境です。
専攻や研究室の人気に偏りますが、他の研究科に比べて全体的には外部生にとっても極めて厳しい競争ではありません。
また、10年前に比べて外部からの合格者数が増加傾向にあります。
入試問題の数学のレベルが高いことから攻略難易度は高いものの、適切な準備があれば合格の可能性が十分にあります。
原子力国際の内部受験者数を見てください。
内部受験者は0~1人しか受験しないことから、外部倍率≒全体倍率ととらえることが可能です。
しかも外部倍率は2倍を切っており、他の研究科に比べても比較的穴場と言えるでしょう。
全体倍率: 平均1.44倍
外部倍率: 平均1.71倍
農学生命科学研究科は、全体的に比較的緩やかな競争率を維持しています。
過去10年間のデータでは、全体倍率はほとんどの年で1.5倍前後で推移しており、特に激しい競争が行われているわけではありません。
外部倍率に関しても平均で1.7倍程度と、他の研究科と比べて外部生にとってもそれほど厳しい環境ではありません。
近年では、R4年度からR6年度にかけて全体倍率は1.48倍から1.38倍にやや低下しており、競争の厳しさが緩和されています。
特にR6年度では、全体倍率が1.38倍と過去10年間で最も低い水準に達しており、志願者数に対して合格者数が増加したことが影響していると考えられます。
外部倍率も同様に、近年のデータで1.42倍から1.38倍に低下しており、外部生にとっても比較的容易に合格のチャンスが得られる状況です。
農学生命科学研究科は、農業や生物科学に関連する専門知識が重要視される分野ですが、全体としては安定した倍率が続いており、特に内部生・外部生ともに大きな競争を強いられることは少ない傾向にあります。
しっかりとした準備と明確な研究テーマを持っていれば、合格の可能性は高いと言えるでしょう。
医学研究科については、医学科専攻・保健学専攻・公共健康医学専攻の3つに分けて解説いたします。
全体倍率: 平均2.37倍
外部倍率: 平均2.64倍
保健学専攻は、医学系の中では比較的安定した倍率を維持しており、過去10年間の全体倍率は2.37倍、外部倍率は2.64倍と、外部生にとっても特に厳しい競争環境ではありません。
内部生と外部生の倍率差もそれほど大きくないため、外部生でも比較的公平なチャンスが得られます。
近年の動向としては、R5年度からR6年度にかけて全体倍率が1.78倍から1.57倍に低下しており、競争が緩やかになっています。この低下は、志願者数の減少や合格者数の増加によるものと考えられます。
外部倍率も同様に低下しており、外部生にとっては合格のチャンスが増えている状況です。
保健学は、医療・看護に関連する研究や実践にフォーカスしており、専門的な知識と経験が重視されますが、倍率自体は比較的安定しており、特に外部生にとっても合格が難しいとは言えません。
全体倍率: 平均3.19倍
外部倍率: 平均3.65倍
公共健康医学は、全体倍率がやや高めで、外部生にとってはやや競争が厳しい分野です。
過去10年間の平均で全体倍率は3.19倍、外部倍率は3.65倍となっており、内部生よりも外部生にとって難易度が高いことがわかります。
近年のデータを見ると、R6年度において全体倍率は3.75倍と、過去10年で最も高い水準に達しています。
東大院全体に比べてみれば中間に位置する倍率ですが、特に外部倍率が上昇傾向にあり、外部生にとってはさらに難易度が高くなっていることが特徴です。
公共健康医学は、疫学や保健政策、グローバルヘルスなど、社会全体の健康管理や予防に関わる分野であり、社会的にも需要が高まっています。
このため、志願者が増加し、競争が厳しくなっているのが現状です。
全体倍率: 平均1.43倍
外部倍率: 平均1.24倍
薬学系研究科は、過去10年間において比較的低い倍率で安定しています。
全体倍率は平均1.43倍、外部倍率は1.24倍と、特に外部生にとっては競争が厳しくない状況が続いています。
内部生と外部生の間での競争の差も大きくなく、外部生にも比較的公平なチャンスがあると言えます。
近年では、R4年度からR6年度にかけて全体倍率は1.24倍から1.14倍と、さらに低下傾向にあります。
外部倍率も同様に1.24倍から1.14倍に下がっており、特にR6年度では競争の厳しさが過去10年間で最も緩和されていることがわかります。
これは、志願者数が安定している一方で、合格者数が増加したことが影響していると考えられます。
全体倍率: 平均3.04倍
外部倍率: 平均6.40倍
数理科学研究科は、全体的に非常に厳しい競争率が続いています。
全体倍率は平均で3.04倍と比較的高いものの、特に外部倍率が6.40倍と非常に高く、外部生にとっては非常に厳しい競争環境です。
外部生の志願者数に対して合格者数が少ないため、外部生にとっては内部生と比べて不利な状況が続いています。
近年では、R4年度からR6年度にかけて全体倍率は2.44倍から3.57倍に上昇しており、特にR6年度では高い倍率を示しています。
外部倍率も依然として高く、R6年度には外部倍率が6倍を超えており、外部生にとって非常に困難な状況が続いています。
ですが、十分な対策を行うことで合格可能性は大きく見込めるでしょう。
全体倍率: 平均2.33倍
外部倍率: 平均2.60倍
新領域創成科学は、全体的に比較的緩やかな競争が続いており、外部倍率も大きな変動はありません。
R4年度からR6年度にかけて、全体倍率は2.25倍から2.40倍へとわずかに上昇しましたが、依然として安定した競争環境です。
外部倍率もほぼ同じ水準を維持しており、外部生にとっても比較的公平な競争が行われています。
東大院の全体倍率と比較しても、倍率は低い部類にあるため、外部から東大院に進学したい人にとっては非常に人気の傾向にあります。
全体倍率: 平均2.10倍
外部倍率: 平均4.51倍
情報理工学系研究科は、全体倍率が平均2.10倍と安定していますが、外部生にとっては外部倍率が平均4.51倍と高く、外部生に対して非常に厳しい競争環境となっています。
近年の傾向を見ると、R4年度からR6年度にかけて全体倍率は2.07倍から1.87倍へとやや低下していますが、AIブームが後押したこともあり、理系の中では非常に高い倍率での戦いが続いていました。
ですが、2021年度を境に、2025年度までほぼ減少傾向にあります。
過去には、INPASSでもTOEFLの点数が50点台でも合格している事例はあり、戦略的な対策を行えれば十分に合格できることが実証されております。
しっかりと攻略することで、十分に合格を狙うことが可能です。
全体倍率: 平均3.31倍
外部倍率: 平均3.92倍
学際情報学府は、全体倍率が平均3.31倍と高めの競争率を維持しており、外部倍率は平均で3.92倍であるものの、10年前からほぼ右肩上がりで外部生にとって特に厳しい競争環境になりつつあります。
近年の傾向として、R4年度からR6年度にかけて全体倍率は3.74倍から4.75倍に上昇しており、特にR6年度では過去10年間で最も高い倍率を記録しています。
外部倍率も同様に上昇しており、R6年度では4.75倍と外部生にとって非常に厳しい入試環境です。
というのも、10年前までは内部の倍率と大きくは変わらなかったことから、外部からも入りやすい傾向にありました。
ですが、安易に考えて外部から受験するも、入試の特徴である研究計画書が書けず、毎年1次試験で不合格になる生徒が多くいます。
そのため、研究計画書の対策を綿密に行わないと、不通に落ちます。
INPASSSでは、研究計画書の対策は
全体倍率: 平均3.37倍
外部倍率: 平均3.78倍
R4年度からR6年度にかけて全体倍率がやや低下しており、2.81倍に落ち着いています。
内部の倍率も近年では2倍程度のため、外部でも十分狙いやすことが伺えます。
公共政策学府は、政策分析や公共経済、社会政策、国際関係など、多岐にわたる領域での研究が求められるため、幅広い知識と実践的な能力が求められます。
したがって院試対策は、入念な研究計画書作成を行うことが最も需要と考えられます。
今回は東大院の過去10年分の倍率をまとめさせていただきました。
弊塾調べでは、ここまで詳細化して公開している塾や個人ブログはないかと思います。
・研究科別
・専攻別
・キャンパス別
・文理別
で見ることで、より多角的なアプローチが可能になり、倍率視点からの院試戦略を立てることが可能になります。
事実、弊塾ではこの倍率も用いてよりデータに忠実な院試戦略を立案しています。
非常にボリューミーな記事ではありますが、ぜひ本記事を何度も熟読し、東大院の合格を目指していきましょう!
とはいえ、院試対策を何から始めていいかわからない方が多いかと思います。
倍率のチェックはできたものの、東大院や東工大、早慶、一橋の大学院に合格するためには何から手を付けて良いかわからない方がほとんどかと思います。
そこでのべ数百人以上もの相談実績のあるINPASSが断言しましょう。
まずは院試戦略を立てること、これに尽きます。
院試戦略を最初にどのくらい綿密に建てられたかで、その後の合否が大きく左右されます。
とはいえ、自分ではなにをやっていいかわからないという方に朗報です。
INPASSは、東大院や東京科学大院(旧:東工大院)、早慶大院などの最難関大学院入試の逆転合格に特化したオンライン大学院入試塾です
INPASSでは、主に下記の
・逆転合格に向けた院試対策ロードマップ作成
・専門科目対策
・英語試験対策
・研究計画書/志望理由書対策
・面接試験対策
・徹底したマンツーマン個別指導
そしてINPASSでは、過去の実績から受かりやすい専攻や研究科についても熟知しています。
そのため、より1人1人にあった最適な院試戦略を提示することが可能です。
INPASSでは、無料体験講義を毎日開催しています!
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