博士課程の倍率を読むとき、修士課程と同じ感覚で数字を比較すると、選考の実態を見誤ることがあります。
博士課程では、正式な出願に至る前に、研究テーマ、指導予定教員、研究設備、資料・データへのアクセスなどを確認している受験生が少なくありません。
倍率表に現れるのは、こうした調整を経た後に、実際に願書を提出した人と入学した人の関係です。
そのため、倍率が1倍台前半で推移していても、研究計画書、修士論文、研究実績、語学力、面接などの審査が軽いことを意味しません。
筑波大学大学院については、倍率の読み方に加えて、集計期間にも注意が必要です。
筑波大学では2020年4月に大学院組織が再編され、旧来の研究科・専攻を中心とした体制から、学術院・研究群・学位プログラムを軸とする体制へ移行しました。
組織改編の前後では、学生の所属単位や分野のまとめ方が異なります。旧研究科と現在の研究群に似た分野が含まれていても、倍率を連続した一つの推移として扱うことは適切ではありません。
そこで本記事では、現行組織が始動した2020年度以降に期間を限定し、現在の学術院・研究群に対応する博士段階のデータを確認します。
Q. 博士課程の倍率が低ければ、指導教員へ連絡せずに出願してもよいですか?
A.
倍率の低さは、希望する研究室が受け入れ可能であることを保証しません。博士課程では、指導できる分野、研究室の受け入れ状況、使用する資料・設備などが出願の前提になります。
募集要項を確認したうえで、必要な場合は指導予定教員へ研究構想を伝え、出願先との適合を確認しましょう。
本記事は、オンライン院試塾INPASSが、博士課程入試における研究テーマの整理、研究計画書添削、指導予定教員の選定、研究室への連絡、面接指導で蓄積した知見をもとに作成しています。
また本記事は、大学院入試情報サイト「insearch」さんと共同で作成させていただきました。
ぜひ下記の記事と合わせてご覧ください。
(insearchさんの記事内でも、INPASSを紹介いただきました!)
それでは、筑波大学大学院博士課程の倍率を確認していきましょう。


リョウジ
博士課程の倍率は、出願前の調整を終えた人たちの数字です。表に現れない準備段階まで含めて考えましょう。
- 筑波大学大学院は2020年度に博士教育の組織も再編
- 筑波大学大学院博士課程の倍率の計算方法
- 2020年度以降の博士後期課程・3年制博士課程の倍率
- 2020年度以降の一貫制・4年制博士課程の倍率
- 博士後期課程・3年制博士課程の学術院別倍率ランキング
- 博士後期課程・3年制博士課程の研究群・専攻別倍率ランキング
- 筑波大学大学院 人文社会ビジネス科学学術院博士課程の倍率
- 筑波大学大学院 理工情報生命学術院博士課程の倍率
- 筑波大学大学院 人間総合科学学術院博士課程の倍率
- 人間総合科学学術院の一貫制・医学系博士課程の倍率
- 筑波大学大学院博士課程の出願準備は「研究上の判断」を可視化する
- まとめ
- 筑波大学大学院に受かるには…まず○○すべし!
- ※本記事を読んだ人限定
- 無料体験講義のお申し込み
筑波大学大学院は2020年度に博士教育の組織も再編
現在の筑波大学大学院では、研究科に相当する「学術院」、関連分野を束ねる「研究群」、取得する学位と教育課程を結びつける「学位プログラム」が設けられています。
博士段階の中心となる学術院は、次の三つです。
- 人文社会ビジネス科学学術院
- 理工情報生命学術院
- 人間総合科学学術院
人文社会ビジネス科学学術院には、人文社会科学研究群とビジネス科学研究群があります。
理工情報生命学術院には、数理物質科学研究群、システム情報工学研究群、生命地球科学研究群が置かれています。
人間総合科学学術院には、教育、心理、医学、看護、体育、芸術、情報などを含む人間総合科学研究群のほか、大学体育スポーツ高度化共同専攻があります。
さらに、筑波大学には博士後期課程・3年制博士課程だけでなく、5年一貫制博士課程や、医学を履修する4年制の博士課程もあります。
同じ博士号を目指す場合でも、修士修了後に後期課程へ進む区分と、修士段階から一貫して教育を受ける区分では、出願資格や研究工程が異なります。
博士後期課程・3年制博士課程
修士課程などを修了した後に進学する博士段階
5年一貫制博士課程
博士前期・後期に分けず、一貫した教育課程で博士号を目指す区分
医学を履修する博士課程
標準修業年限を4年とする医学系の博士課程
本記事では、博士後期課程・3年制博士課程と、一貫制・4年制の博士課程を分けてグラフ化します。
専門職学位課程に当たる法曹専攻や国際経営プロフェッショナル専攻は、博士課程の集計には含めません。
また、組織改編後に志願者数・入学者数が記録されていない旧研究科・旧専攻についても、現行組織の個別章から除外します。
筑波大学大学院博士課程の倍率の計算方法
本記事では、志願者数を入学者数で割って倍率を算出しています。
倍率 = 志願者数 ÷ 入学者数
ここで使用している入学者数は、選考に合格した人数ではなく、最終的に筑波大学大学院へ入学した人数です。
合格後に別の大学院へ進んだ人や、仕事・家庭・資金・渡航などの事情で入学しなかった人がいる場合、倍率は実際の合格倍率より高く表示されることがあります。
博士課程では一つの研究群に所属する人数が少ない場合もあり、数人の変化が倍率へ大きく反映されます。
小数点以下の差だけを比較せず、グラフで志願者数と入学者数の推移も確認しましょう。
2020年度以降の博士後期課程・3年制博士課程の倍率
外部倍率
1.51 倍
やや狙い目外部倍率は1.51倍で、準備次第で現実的に狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 399 | 312 | 1.28 |
| 外部 | 302 | 200 | 1.51 |
| 全体 | 701 | 512 | 1.37 |
博士後期課程・3年制博士課程のグラフには、人文社会科学、ビジネス、数理・物質、システム情報、生命・地球、人間科学など、研究方法の異なる分野が含まれています。
内部へ切り替えると、筑波大学の博士前期課程から継続して進学する人の動きを確認できます。
外部国内へ切り替えると、他大学の修士課程や企業・研究機関などから移る受験生の状況が表示されます。
国外については、研究テーマや語学力だけでなく、修士号の同等性、資料の移動、ビザ、研究費などの条件も進学判断へ影響する可能性があります。
博士課程全体の倍率は、研究分野を選ぶための結論ではなく、大学院全体の規模を把握する入口として利用しましょう。
2020年度以降の一貫制・4年制博士課程の倍率
外部倍率
1.16 倍
狙い目外部倍率は1.16倍で、外部受検者にとって狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 45 | 40 | 1.13 |
| 外部 | 59 | 51 | 1.16 |
| 全体 | 104 | 91 | 1.14 |
この区分には、システム情報工学研究群や人間総合科学研究群に置かれた一貫制博士課程と、医学を履修する博士課程が含まれます。
博士後期課程への進学とは、入学時点の学歴や研究経験が異なるため、二つの倍率を直接比較することはできません。
一貫制博士課程では、博士論文までを見通した長期的な教育計画に適応できるかが重要です。
医学系の博士課程では、診療・研究・教育を並行する受験生も多く、研究時間や対象となる症例・検体を確保できるかが進学後の大きな条件になります。
博士後期課程・3年制博士課程の学術院別倍率ランキング
学術院別ランキングには、筑波地区と東京キャンパスのデータが同一学術院として含まれる場合があります。
学術院全体の順位が高くても、すべての研究群が同じ倍率であるとは限りません。
次の研究群別ランキングと、個別の推移グラフを組み合わせて確認してください。
博士後期課程・3年制博士課程の研究群・専攻別倍率ランキング
研究群別ランキングでは、ビジネス科学研究群、人文社会科学研究群、理工系の各研究群、人間総合科学研究群などを比較できます。
ただし、人間総合科学研究群は筑波地区と東京キャンパスに分かれており、同じ名称でも受験者層や教育形態が異なります。
大学体育スポーツ高度化共同専攻のような少人数区分についても、単年度の倍率順位を長期的な難易度とみなさないようにしましょう。
次章では、人文社会ビジネス科学学術院の博士課程を取り上げます。
筑波大学大学院 人文社会ビジネス科学学術院博士課程の倍率
人文社会ビジネス科学学術院の博士段階には、筑波地区を中心とする人文社会科学研究群と、東京キャンパスで開講されるビジネス科学研究群があります。
どちらも社会に関わる研究を扱いますが、博士論文の根拠となる材料は異なります。
人文社会科学研究群では、文献、史資料、言語表現、制度、統計、調査記録などを組み合わせ、既存の歴史理解や社会理論を再検討します。
ビジネス科学研究群では、企業・組織・市場で起きる現象を、経営学、会計学、金融論、法学などの理論へ接続します。
博士課程では、興味深い対象を見つけるだけでなく、その対象から、既存の学術的説明をどのように書き換えるのかを提示する必要があります。

リョウジ
博士論文では、「この事例は珍しい」で終わらず、その事例によって従来の説明のどこが変わるのかを示してください。
人文社会ビジネス科学学術院の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
2.69 倍
標準外部倍率は2.69倍で、外部受検者にとって標準的な競争水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 69 | 47 | 1.47 |
| 外部 | 70 | 26 | 2.69 |
| 全体 | 139 | 73 | 1.90 |
学術院全体のグラフには、人文社会科学研究群とビジネス科学研究群の双方が含まれます。
人文社会科学研究群には筑波大学内部、国内の他大学、国外から志願者が集まります。
ビジネス科学研究群では、東京キャンパスで学ぶ社会人や、企業・行政機関などで研究経験を持つ受験生が含まれます。
学術院全体の倍率だけで二つの研究群を判断せず、それぞれのグラフへ進んでください。
人文社会科学研究群の博士課程 志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.72 倍
やや狙い目外部倍率は1.72倍で、準備次第で現実的に狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 38 | 32 | 1.19 |
| 外部 | 31 | 18 | 1.72 |
| 全体 | 69 | 50 | 1.38 |
人文社会科学研究群の博士課程では、人文学、国際公共政策、国際日本研究など、複数の学位プログラムを通じて研究を進めます。
人文学系の博士論文では、資料を増やすことよりも、資料の読み方を更新することが重要です。
未紹介の史料や作品を発見しても、それを紹介するだけでは博士論文全体の結論になりません。
新しい資料によって、従来の時代区分、概念、人物評価、作品解釈のどこが変わるのかを示しましょう。
複数言語の資料を扱う場合は、翻訳された文章と原文の間で意味が変化していないかを確認します。
同じ概念でも、研究地域や学問領域によって異なる定義が使われることがあります。用語を比較する前に、各研究が何を測定・説明しているかを整理してください。
政策・社会科学系の研究では、望ましい政策を提案することと、政策が機能する仕組みを説明することを区別する必要があります。
制度の成立過程、運用主体、予算、対象者の行動などから分析単位を選び、何を原因として扱うのかを明確にします。
国際比較を行う場合も、国の数を増やすほど研究の価値が高まるわけではありません。
制度の名称、統計の定義、調査方法が異なる国同士を比較するときは、同じ基準で測定できる部分を特定しましょう。
資料が答えられる問い
使用予定の証拠から、実際にどこまで判断できるか
解釈を選ぶ基準
複数の説明が成立するとき、どの根拠で一つを採用するか
反対事例
自分の仮説に合わない資料をどのように扱うか
理論への貢献
個別事例の分析が、既存研究のどの理解を変えるか
ビジネス科学研究群の博士課程 志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
4.88 倍
難しめ外部倍率は4.88倍で、外部受検ではやや競争が強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 31 | 15 | 2.07 |
| 外部 | 39 | 8 | 4.88 |
| 全体 | 70 | 23 | 3.04 |
ビジネス科学研究群の博士課程では、実務経験を持つ受験生も、研究者としての問題設定能力を示す必要があります。
仕事で成果を上げたことや、大規模なプロジェクトへ参加したことは、研究実績と同じではありません。
その経験から、既存の経営理論では説明しにくい現象を見つけ、検証可能な問いへ変換することが求められます。
企業変革を扱う場合は、施策を導入した後に業績が上がったという前後比較だけでは、施策の効果を判断できません。
市場環境、経営者の交代、組織再編など、同じ時期に変化した別の要因も確認する必要があります。
会計・金融データを使う研究では、利用できる期間と企業数を確認し、都合のよいデータだけが残っていないかを検討しましょう。
倒産・上場廃止・事業撤退した企業がデータから除かれている場合、成功企業の特徴を過大に評価する可能性があります。
勤務先の内部資料を使う場合は、研究者本人が閲覧できることと、博士論文や学術論文で公表できることを分けて確認してください。
企業名を匿名化しても、事業内容や時期から組織を特定できる場合があります。
研究成果の公開範囲について勤務先と大学の双方で合意できなければ、論文完成の直前に修正を求められる可能性があります。
現象を切り出す
業務全体ではなく、説明したい判断・行動・結果を限定する
理論へ接続する
経営学・会計学・金融論などのどの議論と関係するかを示す
比較対象を置く
成功例だけでなく、別条件・不成功例と比較する
公開可能性を確認する
利用許可、匿名化、知的財産の条件を整理する

リョウジ
実務上の成功を証明するのではなく、成功や失敗が生じる仕組みを説明することが博士研究の役割です。
次章では、理工情報生命学術院の博士課程を確認します。
筑波大学大学院 理工情報生命学術院博士課程の倍率
理工情報生命学術院には、数理物質科学研究群、システム情報工学研究群、生命地球科学研究群があります。
博士論文の成果は、研究群によって異なる形で提示されます。
数理物質科学では、証明、理論モデル、測定結果、物質合成などが論文の中心になります。
システム情報工学では、アルゴリズム、ソフトウェア、装置、構造物、制御方式などを構築し、性能と限界を検証します。
生命地球科学では、実験・観測で得た個別の結果を、生物や地球環境の時間的・空間的な変化へ結びつけます。
博士課程の研究室選びでは、研究テーマの近さだけでなく、どの種類の不確実性と向き合う研究なのかを確認してください。

リョウジ
理工系の博士論文は、成功した結果だけでは完成しません。誤差、失敗条件、適用限界まで研究対象にしましょう。
理工情報生命学術院の博士課程 志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.21 倍
狙い目外部倍率は1.21倍で、外部受検者にとって狙いやすい水準
内部倍率より外部倍率が低く、外部からでも狙いやすい可能性があります。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 201 | 164 | 1.23 |
| 外部 | 154 | 127 | 1.21 |
| 全体 | 355 | 291 | 1.22 |
理工情報生命学術院は、博士課程においても複数の大規模な研究群を抱えています。
学術院全体のグラフは、理工・情報・生命分野を合わせた受け入れ規模を確認するために利用できます。
一方、研究室単位では、利用できる装置、研究費、共同研究、指導可能なテーマによって受け入れ状況が変わります。
学術院全体の倍率が落ち着いている年度であっても、希望する研究室が新たな博士学生を受け入れられるとは限りません。
数理物質科学研究群の博士課程 志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.57 倍
やや狙い目外部倍率は1.57倍で、準備次第で現実的に狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 52 | 47 | 1.11 |
| 外部 | 33 | 21 | 1.57 |
| 全体 | 85 | 68 | 1.25 |
数理物質科学研究群では、数学、物理学、化学、応用理工学、物質・材料工学などの学位プログラムを通じて研究を進めます。
数学分野の博士研究では、解きたい問題の大きさではなく、博士論文として到達可能な範囲を示す必要があります。
一般的な条件では解けない問題でも、対象を特定の構造や条件へ限定することで、新しい定理や分類を提示できる場合があります。
研究計画では、最終的な予想だけでなく、既知の結果をどの順序で拡張するのかを説明しましょう。
物理分野では、観測された信号が研究対象とする現象だけから発生しているかを検証します。
装置の癖、背景ノイズ、試料のばらつきでも同じ変化が生じる可能性があるため、対照測定や別手法による確認が必要です。
化学・材料分野では、期待した物質や性能が得られなかった条件にも意味があります。
成功条件だけを報告するのではなく、温度、濃度、圧力、処理時間などの変化によって、反応や構造がどこで切り替わるかを示しましょう。
大型装置や共用設備を利用する場合は、測定時間を自由に確保できるとは限りません。
試料作製の失敗や装置予約の延期が発生しても、解析・理論計算・別測定を進められる工程を用意してください。
理論が成立する範囲
どの仮定を外すと結論が成立しなくなるか
測定可能な範囲
装置の分解能・感度で何を識別できるか
再現可能な条件
別の試料・実験者でも同じ結果を得られるか
利用可能な設備
測定回数と装置利用期間を確保できるか
システム情報工学研究群の博士課程 志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.26 倍
狙い目外部倍率は1.26倍で、外部受検者にとって狙いやすい水準
内部倍率より外部倍率が低く、外部からでも狙いやすい可能性があります。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 80 | 53 | 1.51 |
| 外部 | 49 | 39 | 1.26 |
| 全体 | 129 | 92 | 1.40 |
システム情報工学研究群では、社会工学、サービス工学、リスク・レジリエンス、情報理工、知能機能システム、構造エネルギー工学などを研究できます。
新しいモデルやシステムを開発するときは、既存手法より一つの指標が高いことだけで有効性を判断しないようにしましょう。
精度を高めた結果、計算時間、消費電力、説明可能性、実装コストが悪化している場合があります。
研究目的に応じて、複数の評価指標の間にどのような優先順位を置くのかを決める必要があります。
人工知能やデータサイエンスを扱う場合は、データの収集過程も研究対象として確認しましょう。
学習データに特定の年代・地域・利用者が多く含まれていれば、モデルの誤りも一部の集団へ偏る可能性があります。
高い平均精度だけでなく、どの対象で誤りが増えるのかを分析することが重要です。
機械・構造・制御の研究では、装置が正常に動く範囲だけでなく、故障や不安定化が始まる条件を特定します。
安全率を設定する場合も、既存値を使用するだけでなく、ばらつきや外乱をどのように見積もったかを説明してください。
社会システムに関する研究では、数理上の最適解が、制度や利用者の意思決定を含む現実でも実行できるとは限りません。
技術条件と社会条件を混ぜず、どの段階で二つを接続するのかを示しましょう。
生命地球科学研究群の博士課程 志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.07 倍
狙い目外部倍率は1.07倍で、外部受検者にとって狙いやすい水準
内部倍率より外部倍率が低く、外部からでも狙いやすい可能性があります。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 69 | 64 | 1.08 |
| 外部 | 72 | 67 | 1.07 |
| 全体 | 141 | 131 | 1.08 |
生命地球科学研究群には、生物学、農学、生命産業科学、地球科学、環境科学などに関わる学位プログラムがあります。
生物を扱う博士研究では、個体差や環境差を単なる誤差として除くのか、解明すべき現象として扱うのかを決める必要があります。
同じ遺伝的背景を持つ試料でも、培養条件、飼育環境、発育段階が違えば結果が変わる可能性があります。
対象を均一にして仕組みを検証する研究と、ばらつきそのものを分析する研究では、実験設計が異なります。
農業・資源分野では、実験室で有効だった技術が、圃場や生産現場でも同じ効果を示すとは限りません。
気象、土壌、作業者、設備条件などを含め、現場へ移したときに何が変わるかを検証しましょう。
地球・環境分野では、博士課程中に新しく取得できる観測データだけで長期変化を説明できない場合があります。
既存の観測記録、衛星データ、地質資料などを組み合わせるときは、測定方法や時間間隔をそろえる必要があります。
野外調査は天候・災害・許可条件に左右されます。現地へ入れない期間にも進められる分析作業を用意してください。
対象側の時間
生育、繁殖、季節変化、地質・環境変化に必要な期間
研究者側の時間
採取、実験、解析、論文投稿に必要な期間
観測できない期間
欠測や調査中止が起きた場合の代替作業
比較可能な時点
異なる年度・地点のデータを比較できる条件
システム情報工学研究群の一貫制博士課程 志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
3.00 倍
難しめ外部倍率は3.00倍で、外部受検ではやや競争が強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 8 | 5 | 1.60 |
| 外部 | 6 | 2 | 3.00 |
| 全体 | 14 | 7 | 2.00 |
※2024年度の外部倍率は、合格者がいなかったため倍率を表示していません。
システム情報工学研究群には、博士前期・後期を一貫して学ぶ学位プログラムがあります。
一貫制博士課程では、修士論文を完成させてから博士テーマを探すのではなく、入学時点から長期的な研究課題へ取り組みます。
一方、5年間の研究計画を出願時に固定しすぎると、途中で得られた結果へ対応できなくなります。
中心となる問題を維持しながら、前半で基礎技術や理論を獲得し、後半で研究対象や検証条件を広げられる構成を考えましょう。
複数分野を横断する場合も、研究テーマを次々に追加するのではなく、一つの問いに対して分野ごとの役割を割り当てる必要があります。

リョウジ
一貫制博士課程では、5年分の答えを先に決めるのではなく、研究が発展する順番を示すことが重要です。
次章では、人間総合科学学術院の博士段階を確認します。
筑波大学大学院 人間総合科学学術院博士課程の倍率
人間総合科学学術院は、教育、心理、障害科学、医学、看護、スポーツ、芸術、デザイン、世界遺産、情報学など、多様な学位プログラムを含みます。
これらの研究は、人を対象とする点では共通していますが、博士論文で扱う証拠は同じではありません。
心理・教育研究では、行動、回答、観察記録などを通じて、目に見えにくい変化を捉えます。
医学・看護研究では、症例、検体、診療情報、支援過程などを分析します。
スポーツ科学では、身体測定や競技記録に加えて、環境・心理・指導方法との関係を考えます。
芸術・デザインでは、制作そのものと、制作を通じて明らかにした知見を区別しなければなりません。
対象者から得られる情報と、研究者が導く解釈の距離を管理することが、人間科学系の博士研究で重要になります。

リョウジ
人を対象にする研究では、測定値や語りを、その人の全体像として扱わないようにしましょう。
人間総合科学学術院の博士課程 志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.66 倍
やや狙い目外部倍率は1.66倍で、準備次第で現実的に狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 129 | 101 | 1.28 |
| 外部 | 78 | 47 | 1.66 |
| 全体 | 207 | 148 | 1.40 |
学術院全体のグラフには、筑波地区の人間総合科学研究群、東京キャンパスの人間総合科学研究群、大学体育スポーツ高度化共同専攻が含まれます。
同じ学術院に属していても、学生の属性や研究活動の形は異なります。
筑波地区では、研究室を基盤とした実験・調査・制作が中心となるプログラムが多くあります。
東京キャンパスでは、勤務を継続しながら博士論文へ取り組む社会人も含まれます。
学術院全体の倍率を確認した後、必ず受験する区分のグラフへ進んでください。
人間総合科学研究群(筑波地区)の博士課程 志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.48 倍
狙い目外部倍率は1.48倍で、外部受検者にとって狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 102 | 87 | 1.17 |
| 外部 | 68 | 46 | 1.48 |
| 全体 | 170 | 133 | 1.28 |
筑波地区の人間総合科学研究群には、博士後期課程と3年制博士課程に該当する多様な学位プログラムがあります。
教育・心理分野では、特定の支援や授業が有効だったことだけでなく、なぜ変化が生じたのかを説明する必要があります。
同じ働きかけを行っても、対象者の年齢、経験、所属環境、周囲の支援によって結果が異なる可能性があります。
効果が生じる条件と、生じない条件を比較できる研究設計にしましょう。
質問紙を使用する場合は、得点が研究対象とする概念を十分に表しているかを確認します。
尺度の信頼性が高くても、自分の対象者や研究場面で同じ意味を持つとは限りません。
インタビュー研究では、印象的な発言だけを抜き出さず、分析手順と解釈の根拠を第三者が確認できる形にしてください。
スポーツ・身体科学では、競技成績や身体能力が変化した理由を、トレーニングだけへ帰属しないことが重要です。
睡眠、栄養、傷害、心理状態などの要因も測定し、対象者ごとの違いを整理しましょう。
芸術・デザイン研究では、完成作品を提示するだけでなく、制作中にどの判断を行い、どの結果から方法を修正したかを記録します。
制作実践を、別の研究者や実践者も検討可能な知識へ変換することが博士論文の課題になります。
大学体育スポーツ高度化共同専攻の博士課程 志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
- 倍
判断注意外部合格者数にあたる入学者データがない、または最新年度での合格者がいないため、外部倍率は算出できない状況
外部受検を検討する場合は、公式情報で直近の受入実績や選抜方法を確認してください。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 6 | 3 | 2.00 |
| 外部 | 1 | 0 | - |
| 全体 | 7 | 3 | 2.33 |
※2023、2025年度の外部倍率は、合格者がいなかったため倍率を表示していません。
大学体育スポーツ高度化共同専攻は、一般的な研究群と比べて少人数で運営される区分です。
少人数の専攻では、一人の志願・入学によって倍率が大きく動きます。
倍率順位より、共同専攻の教育体制と、自分の研究を指導できる教員構成を確認しましょう。
大学体育を研究する場合、競技者を対象としたスポーツ科学とは異なり、一般学生の健康、教育効果、授業設計、大学組織などが研究対象になる可能性があります。
授業改善を扱うときは、受講者の満足度だけでなく、身体活動、学習成果、継続行動など、教育目的に対応した指標を選ぶ必要があります。
共同専攻では複数大学の教員や研究資源が関係するため、主指導・副指導の役割、活動拠点、データ管理の方法も確認してください。
人間総合科学研究群(東京キャンパス)の博士課程 志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
9.00 倍
高難度外部倍率は9.00倍で、外部受検者にとって競争がかなり強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 21 | 11 | 1.91 |
| 外部 | 9 | 1 | 9.00 |
| 全体 | 30 | 12 | 2.50 |
東京キャンパスの人間総合科学研究群では、社会人としての経験と博士研究を接続する受験生が想定されます。
実務の現場へ継続的にアクセスできることは強みですが、研究協力者との関係が近すぎることで、回答や参加の自由へ影響する可能性があります。
上司・部下、支援者・利用者、教員・学生などの関係がある場合は、研究参加を断っても不利益が生じない手続きを整える必要があります。
職場データを使う研究では、異動、退職、組織方針の変更によって、入学時に利用できたデータへアクセスできなくなることもあります。
勤務先から離れても使用できる公開データや、別の調査先を用意しておくと、研究の継続性を高められます。
社会人博士課程では、授業へ出席できるかだけでなく、論文を継続的に執筆できる時間があるかを確認してください。
繁忙期や出張を含む年間予定の中で、読解、分析、執筆、指導面談へ使う時間を見積もりましょう。
人間総合科学学術院の一貫制・医学系博士課程の倍率
外部倍率
1.08 倍
狙い目外部倍率は1.08倍で、外部受検者にとって狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 37 | 35 | 1.06 |
| 外部 | 53 | 49 | 1.08 |
| 全体 | 90 | 84 | 1.07 |
人間総合科学学術院の博士段階には、5年一貫制博士課程と、医学を履修する4年制博士課程が含まれます。
両者は標準修業年限だけでなく、入学時点で想定される学修歴と研究計画が異なります。
以下では、データ上の区分を分けて掲載します。
人間総合科学研究群の一貫制博士課程 志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.67 倍
やや狙い目外部倍率は1.67倍で、準備次第で現実的に狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 4 | 4 | 1.00 |
| 外部 | 5 | 3 | 1.67 |
| 全体 | 9 | 7 | 1.29 |
人間総合科学研究群には、ヒトや生命に関する課題を複数分野から研究する一貫制博士課程が設けられています。
一貫制課程では、早い段階から医学、生命科学、情報科学、工学などの異なる方法を学ぶことがあります。
学際的であることを示すために、多数の分野を研究計画へ並べる必要はありません。
中心となる生命現象や医学的課題を定め、その問いへ答えるために各分野をどの順序で利用するのかを示してください。
長期的な課程では、初期の仮説が否定された後も研究を継続できる柔軟性が必要です。
研究テーマを固定するのではなく、研究によって解決したい中心問題を固定し、方法や対象を更新できる構成にしましょう。
人間総合科学研究群の医学系博士課程 志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.04 倍
狙い目外部倍率は1.04倍で、外部受検者にとって狙いやすい水準
内部倍率より外部倍率が低く、外部からでも狙いやすい可能性があります。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 33 | 31 | 1.06 |
| 外部 | 48 | 46 | 1.04 |
| 全体 | 81 | 77 | 1.05 |
医学系の博士研究では、基礎医学、臨床医学、社会医学などによって、必要な研究環境が大きく変わります。
臨床データを用いる場合は、研究対象となる患者を何人集められるかだけでなく、診断方法や治療方針が期間中に変わる可能性も確認します。
既存の診療記録を使用する研究では、研究目的に必要な項目が全員分記録されているとは限りません。
欠測が特定の患者群に偏っている場合、記録が残っている患者だけを分析すると結論が変わる可能性があります。
基礎研究では、細胞や動物で確認した変化を、人の疾患へどこまで当てはめられるかが課題になります。
「治療へ応用できる」と結論づける前に、モデルと患者の間にある違いをどの研究で確認するのかを示しましょう。
診療と研究を並行する場合は、実験・解析・論文執筆へ使える時間を具体的に計算します。
診療の空き時間を研究へ充てるという計画ではなく、週・月・年度ごとの研究時間を確保してください。

リョウジ
医学系では、研究対象を持っていることと、比較可能なデータを作れることは別です。記録の質まで確認しましょう。
次章では、筑波大学大学院博士課程の出願準備と研究構想の作り方を解説します。
筑波大学大学院博士課程の出願準備は「研究上の判断」を可視化する
博士課程の選考では、研究テーマの魅力だけでなく、受験生が研究上の判断を自分で行えるかが確認されます。
どの資料を選ぶのか、どの実験条件を比較するのか、想定外の結果をどのように解釈するのか。
こうした判断をすべて指導教員へ委ねる状態では、博士論文を主体的に完成させる見通しを示せません。
筑波大学大学院を目指す際は、修士研究で自分が行った選択と、博士課程で新たに行う選択を言葉にすることから準備を始めましょう。

リョウジ
博士課程では、何を知っているかだけでなく、情報が足りない場面で何を選ぶかが問われます。
修士研究の結論ではなく「判断の履歴」を整理する
博士課程の面接では、修士論文の結論だけでなく、研究をどのように進めたかを質問されます。
研究成果を説明する前に、次の判断を時系列で書き出してみましょう。
- 最初に設定した研究上の問い
- 使用する資料・実験方法を選んだ理由
- 予備調査・予備実験で判明した問題
- 当初の計画から変更した箇所
- 結果を解釈するときに比較した別の説明
- 修士課程では解決できなかった問題
計画変更が多かった研究でも、変更理由を説明できれば、研究能力を示す材料になります。
反対に、最初の計画を一度も変えなかった場合でも、なぜ変更が不要だったのかを説明できなければ、指示された手順を実行しただけに見える可能性があります。
博士論文を「主張の束」として設計する
博士論文を一つの大きなテーマとして考えると、研究計画が抽象的になりやすくなります。
そこで、博士論文で証明・説明したい主張を複数に分けてみましょう。
主張1
従来の研究では見落とされていた現象が存在する
主張2
その現象は、特定の仕組みや条件によって生じる
主張3
別の対象・地域・条件でも、一定の範囲で説明が成立する
統合的な主張
各研究を合わせることで、既存理論や実践理解を更新できる
各研究が同じ結論を繰り返すだけでは、博士論文としての発展が見えません。
一方、研究ごとに対象も問いも異なる場合は、一つの博士論文として統合できなくなります。
中心問題を共有しながら、研究ごとに異なる仕事を持たせましょう。
研究計画に「失敗予算」を設定する
博士課程の研究では、すべての実験・調査・分析が成功することを前提にできません。
研究計画へ余裕を持たせるとき、単に予備期間を設けるだけでなく、どの失敗まで許容できるかを考えましょう。
- 調査対象者が予定数に達しない
- 実験結果を再現できない
- 装置やソフトウェアを利用できない期間が生じる
- 研究に必要な資料の公開・閲覧が延期される
- 研究協力先の方針が変わる
- 期待した効果や関連が確認されない
それぞれについて、研究目的を変更せずに取れる代替策を書き出してください。
対象者数が少ない場合に質的分析へ変更する、装置が使えない期間に理論解析を進めるなど、問いを維持したまま証拠の作り方を変えます。
すべての問題へ代替案を用意する必要はありません。
ただし、最も発生しやすく、研究全体を停止させる可能性が高い問題については、出願前に対応を考えておきましょう。
指導教員ではなく「指導ネットワーク」を確認する
筑波大学大学院では、学位プログラムを通じて、所属組織の壁を越えた教育・研究指導を受けられる場合があります。
博士研究が複数分野にまたがる場合、一人の教員だけで必要な方法をすべて指導できるとは限りません。
志望先を調べる際は、主指導教員だけでなく、次の役割を担う教員・研究者も確認しましょう。
- 中心理論を指導する教員
- 実験・分析技術を指導する教員
- 別分野の観点から計画を点検する教員
- フィールドやデータへの接点を持つ共同研究者
- 論文執筆・国際発表を支援する研究者
複数の教員がいることだけでなく、それぞれの役割が自分の博士論文のどの部分に必要なのかを整理します。
教員へ連絡するときも、「学際的な指導を受けたい」と抽象的に書かず、中心となる指導と補助的な指導を分けて説明しましょう。
指導予定教員への初回連絡は研究の「診断依頼」にする
博士課程への出願相談では、長い研究計画書を最初から送るより、研究構想の要点を短く整理する方が、教員が適合を判断しやすくなります。
初回連絡では、次の内容をまとめましょう。
- 現在の所属と研究分野
- 修士研究で得た主な知見
- 現在の方法では解決できなかった問題
- 博士課程で検証したい中心的な問い
- 筑波大学で利用したい方法・設備・研究環境
- 教員へ確認したい具体的な一点
研究テーマを決めてもらう依頼ではなく、現在の構想に対して、指導可能性や方法上の問題を診断してもらう相談にします。
教員の論文に触れる場合は、題名を列挙するのではなく、どの考え方・方法・データが自分の研究に必要なのかを説明してください。
論文投稿から逆算して研究開始時期を決める
博士論文を完成させるには、研究結果を得るだけでなく、学会発表や学術論文として外部の評価を受ける必要がある場合があります。
論文投稿後には、査読結果を待つ期間、原稿を修正する期間、追加実験を行う期間が発生します。
博士論文提出の直前に初めて論文を投稿すると、必要な成果が審査時期に間に合わない可能性があります。
研究計画を作る際は、次の順序を逆算してください。
- 博士論文の提出・審査時期
- 学術論文として必要な成果の掲載・受理時期
- 査読と修正に必要な期間
- 論文原稿を作成する時期
- 分析・実験を完了する時期
- データ取得を開始する時期
フィールド調査や季節性のある実験では、データ取得の機会が年に限られる場合があります。
博士課程の年数ではなく、実際に何回調査・実験を行えるのかを数えましょう。
面接では自分の仮説を反対側から説明する
博士課程の面接では、研究計画の魅力よりも、仮説の弱い部分を確認する質問が行われることがあります。
自分の仮説が正しい理由だけを準備していると、別の説明を提示されたときに回答できません。
面接前に、自分の結論とは反対の立場から、次の質問を作ってみましょう。
- 同じ結果を説明できる別の原因はないか
- 選んだ資料・対象に偏りはないか
- 結果が出なかった場合、仮説をどのように修正するか
- 別の方法でも同じ問いへ答えられないか
- 研究成果をほかの対象へ適用できる根拠は何か
- 筑波大学以外でも実施できる研究ではないか
反対意見へ答えることは、自分の計画を守ることではありません。
相手の指摘によって計画の問題が明らかになった場合は、研究目的を保ちながら方法を修正する姿勢を示しましょう。
研究費・生活費・機会費用を三つに分ける
博士課程の資金計画では、学費と生活費だけを計算しても十分ではありません。
研究を行うための直接的な支出と、博士課程へ時間を使うことで失う収入・機会も確認しましょう。
在学費用
授業料、入学料、生活費、住居費など
研究費用
実験材料、調査旅費、学会参加、投稿料、英文校閲など
機会費用
勤務時間の削減、休職、転居、昇進・転職機会への影響など
奨学金、フェローシップ、リサーチ・アシスタントなどへ応募する場合も、採用されることを前提にしない資金計画を用意してください。
社会人の場合は、収入を維持するために研究時間が不足する可能性と、研究時間を増やすために収入が減る可能性の両方を検討しましょう。
筑波大学大学院博士課程の対策に不安がある場合
博士課程の研究計画書は、文章を整えただけでは完成しません。
研究上の問い、証拠、方法、指導体制、研究期間が相互に接続しているかを確認する必要があります。
オンライン院試塾INPASSでは、筑波大学大学院を含む博士課程志望者に対して、研究構想の整理、研究計画書・志望理由書の作成、指導予定教員の選定、事前連絡、研究実績の整理、面接対策を個別にサポートしています。
「修士研究を博士論文へ発展させる道筋が見えない」「一貫制・博士後期課程のどちらが適切か判断できない」「外部から筑波大学へ研究環境を移せるか確認したい」という方は、願書作成前に研究計画の土台を見直しましょう。


リョウジ
博士課程では、出願書類を完成させることより、研究が止まっても立て直せる計画を作ることが重要です。
まとめ
本記事では、筑波大学大学院の博士課程について、2020年度の組織改編後に限定して、志願者数・入学者数・倍率を確認しました。
筑波大学大学院の博士段階には、博士後期課程・3年制博士課程に加えて、5年一貫制博士課程と、医学を履修する4年制博士課程があります。
倍率を見る際は、次の点を確認しましょう。
- 2019年度以前と2020年度以降では、大学院の組織構造が異なる
- 現行組織では、学術院・研究群・学位プログラムを区別する必要がある
- 博士後期課程と一貫制・4年制博士課程は、同じ条件で比較できない
- 博士課程の低倍率は、出願前の受け入れ確認が不要であることを意味しない
- 人文社会科学では、資料によって既存の説明をどう更新するかが問われる
- ビジネス科学では、実務経験を比較可能な研究へ変換する必要がある
- 理工系では、成功条件だけでなく失敗条件・適用限界を検証する
- 生命・地球分野では、対象側の時間と研究期間を一致させる
- 人間科学では、測定結果と研究者の解釈を区別する
- 社会人博士課程では、勤務先データの利用条件と研究時間を確認する
- 医学系では、症例・検体・診療記録を比較可能なデータへ整える必要がある
- 博士論文を複数の主張へ分け、研究ごとの役割を設計する
筑波大学大学院には、多様な学位プログラムと分野横断的な指導環境があります。
一方、扱える分野が広いからこそ、研究テーマの名称だけで志望先を決めることはできません。
倍率を確認した後は、希望する学位プログラム、指導予定教員、研究方法、必要な資料・装置、博士論文の審査条件を調べましょう。
そのうえで、自分が持ち込む研究経験と筑波大学で得られる研究資源を接続し、博士論文を完成させられる計画へ落とし込むことが重要です。
筑波大学大学院に受かるには…まず○○すべし!
本記事を読んで、筑波大学大学院に行きたい!と思ったものの、一人で対策するのは不安、、、
筑波大院や東大院、京大院、東工大院、一橋、早慶の大学院に合格するためには何から手を付けて良いかわからない方がほとんどかと思います
そのうえで、自分と同じ出願区分の倍率を確認し、研究計画書と専門試験の準備へ反映させることが重要です。
そこでのべ数百人以上もの相談実績のあるINPASSが断言しましょう。
まずは院試戦略を立てること、これに尽きます。
院試戦略を最初にどのくらい綿密に建てられたかで、その後の合否が大きく左右されます。
とはいえ、自分ではなにをやっていいかわからないという方に朗報です。
INPASSは、筑波大院や東大院、東京科学大院(旧:東工大院)、早慶大院などの最難関大学院入試の逆転合格に特化したオンライン大学院入試塾です
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