横浜国立大学大学院の倍率を調べる際は、大学院全体を一つの集団として見るだけでは不十分です。
横浜国立大学には、経済・経営・法学を扱う学府、理工系の大規模な学府、環境と情報を組み合わせる学府、都市を共通の研究対象とする学府に加え、教育支援を担う研究科と、既存の学府を横断する学環があります。
それぞれの教育組織には、横浜国立大学の学部から継続して進学する学生、国内の別大学から研究環境を移す学生、海外の大学から出願する学生が、異なる割合で集まっています。
したがって、大学院全体の倍率だけを見ても、自分と同じ条件で出願する受験生が、どの程度集まっているのかは分かりません。
本記事では、倍率を合格可能性の予測値として扱うのではなく、各組織へ向かう受験生の流れと、実際の受け入れ規模を照合するための指標として使用します。
具体的な人数や倍率はグラフで確認できるため、本文では数字の転記を繰り返さず、出願区分の特徴や研究計画へ反映すべき点を中心に解説します。
Q. 横浜国立大学大学院の全年度をまとめてグラフにしないのはなぜですか?
A.
横浜国立大学大学院では、対象期間中に複数の組織改編が行われています。現在と異なる学府・専攻を同じグラフへ含めると、専攻名だけでなく、集計範囲や教育分野の構成まで混在します。
本記事では、現在の受験先を比較できるよう、組織ごとに現行体制が始まった年度を起点とします。
本記事は、オンライン院試塾INPASSが、横浜国立大学大学院を含む大学院入試の志望先選定、研究計画書・志望理由書の添削、専門試験対策、研究室への連絡、面接指導で蓄積した知見をもとに作成しています。
また本記事は、大学院入試情報サイト「insearch」さんと共同で作成させていただきました。
ぜひ下記の記事と合わせてご覧ください。
(insearchさんの記事内でも、INPASSを紹介いただきました!)
ここから、横浜国立大学大学院修士課程の倍率を確認します。


リョウジ
横国大院は、組織ごとにデータをさかのぼれる起点が異なります。古い数字を増やすより、現在と比較可能な数字を残すことを優先しましょう。
横浜国立大学大学院修士課程の教育組織
横浜国立大学大学院の修士段階には、現在、次の研究科・学府・学環があります。
教育学研究科
教育支援専攻
国際社会科学府
経済学専攻、経営学専攻、国際経済法学専攻
理工学府
機械・材料・海洋系工学専攻、化学・生命系理工学専攻、数物・電子情報系理工学専攻
環境情報学府
人工環境専攻、自然環境専攻、情報環境専攻
都市イノベーション学府
建築都市文化専攻、都市地域社会専攻
先進実践学環
複数の学府を横断する修士課程
教育学研究科と先進実践学環は、どちらも正式には修士課程です。
ただし、使用する入試実績データでは、国際社会科学府、理工学府、環境情報学府、都市イノベーション学府の修士課程とは別の区分に収録されています。
そこで本記事では、4学府の修士課程と、教育支援専攻・先進実践学環を分けて表示します。
高度教職実践専攻は今回の集計対象外
教育学研究科には、教育支援専攻のほか、高度教職実践専攻があります。
高度教職実践専攻は教職大学院に当たる専門職学位課程であり、一般的な修士課程とは修了要件や教育目的が異なります。
本記事は修士課程の倍率を扱うため、高度教職実践専攻の志願者数・入学者数は合計へ加えていません。
教職大学院への進学を検討している場合は、教育支援専攻の倍率を代用せず、高度教職実践専攻の募集区分を別途確認してください。
組織ごとにグラフの開始年度を変更
横浜国立大学大学院では、現在の専攻が一斉に同じ年度から始まったわけではありません。
そのため、本記事では、次の基準で表示期間を設定します。
国際社会科学府
現行の学府へ移行した2013年度以降
理工学府
現在の3専攻へ改編された2018年度以降
環境情報学府
現在の3専攻へ再構成された2018年度以降
都市イノベーション学府
アップロードデータで現行2専攻を追える期間
教育支援専攻
専攻が設置された2021年度以降
先進実践学環
学環が始動した2021年度以降
理工学府の前身となる工学府や、環境情報学府の旧専攻にも入試実績はあります。
しかし、旧専攻の数字を現在の3専攻へ割り振ることはできません。名称が異なるだけでなく、教育分野のまとめ方も変わっているためです。
現在の志望先を検討する記事では、データの長さより組織の同一性を優先します。
横浜国立大学大学院の倍率の計算方法
本記事では、志願者数を入学者数で割った値を倍率として掲載します。
倍率 = 志願者数 ÷ 入学者数
ここでいう入学者は、試験に合格した人ではなく、最終的に横浜国立大学大学院へ進学した人です。
合格後に別の大学院を選んだ人がいる場合や、就職、資金、在留資格などの事情で入学しなかった人がいる場合、合格者を基準にした倍率とは一致しません。
特に国外からの出願が多い専攻では、合格後の進学判断によって、志願者数と入学者数の差が広がることがあります。
倍率を見る際は、選考の厳しさだけでなく、出願後にどの程度の学生が実際に進学したのかを示す数字として読みましょう。
横浜国立大学大学院4学府の修士課程倍率
最初に、国際社会科学府、理工学府、環境情報学府、都市イノベーション学府を合計した修士課程の推移を確認します。
現在の専攻構成を共通して確認できる2018年度以降に表示期間を限定しています。
外部倍率
3.30 倍
難しめ外部倍率は3.30倍で、外部受検ではやや競争が強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 640 | 537 | 1.19 |
| 外部 | 696 | 211 | 3.30 |
| 全体 | 1,336 | 748 | 1.79 |
4学府の合計には、内部進学が大きな割合を占める理工系専攻と、国内外から広く出願が集まる社会科学・都市系専攻が同時に含まれています。
そのため、全体表示の倍率が安定していても、学府別・専攻別に見ると異なる動きが確認できます。
内部表示は、横浜国立大学の学部から研究を継続する進学経路を把握する際に役立ちます。
外部国内表示では、他大学から横浜国立大学へ研究環境を移す受験生の集中度を確認できます。
国外表示には、英語による教育プログラムや国際的な研究領域への出願も含まれるため、国内一般選抜とは異なる動きが現れる場合があります。

リョウジ
4学府の合計倍率は、横国大院の規模を示す数字です。自分の受験条件を知るには、内部・外部国内・国外へ表示を切り替えてください。
4学府の最新年度倍率ランキング
学府単位のランキングでは、国際社会科学府、都市イノベーション学府と、理工学府・環境情報学府の間に倍率差が見られます。
社会科学や都市研究では、横浜国立大学の学部出身者以外からも、研究テーマを基準に志願先が選ばれやすくなります。
一方、理工系では、学部の卒業研究から同じ研究室・教育分野へ進む内部進学者が、受け入れ人数の基盤となる専攻があります。
この違いは、学問分野そのものの難しさではなく、進学経路と募集規模の違いによって生じています。
4学府の専攻別倍率ランキング
専攻別に分けると、同じ学府の中にも倍率差があることが分かります。
国際社会科学府では、経済学、経営学、国際経済法学で、内部・外部国内・国外の構成が異なります。
環境情報学府でも、人工環境、自然環境、情報環境では、研究対象と志願者の出身が同じではありません。
ランキングを確認した後は、必ず志願者数・入学者数へ戻り、倍率が志願者の増加によるものか、受け入れ人数の小ささによるものかを確認しましょう。
教育学研究科・先進実践学環の最新年度倍率
教育支援専攻と先進実践学環は、4学府とは別区分で比較します。
教育支援専攻は国内外の外部志願者が大きな割合を占め、先進実践学環は横浜国立大学内部からの進学と外部からの出願の双方が見られます。
両者は教育目的も研究方法も異なるため、倍率順位のみで並べるのではなく、次章の個別グラフと研究内容を確認してください。
第2回では、教育学研究科教育支援専攻と先進実践学環を取り上げます。
教育学研究科・先進実践学環の倍率
教育学研究科教育支援専攻と先進実践学環は、いずれも2021年度に始まった修士課程です。
ただし、二つの組織が養成する専門性は大きく異なります。
教育支援専攻では、心理支援または日本語教育を通じて、学校や地域で生じる具体的な困難に向き合います。
先進実践学環では、一つの学府に研究を閉じず、社会科学、理工学、環境、都市などの知識を組み合わせて課題を検討します。
教育支援では、支援を必要とする人との関係を壊さずに、研究上の証拠を取得することが課題になります。
先進実践学環では、複数分野を学ぶこと自体を目的にせず、異なる分野の知識を、一つの成果へ接続する役割分担が必要です。

リョウジ
似ているのは設置年度だけです。教育支援は人との関係、先進実践学環は分野間の接続を中心に研究計画を点検しましょう。
教育支援専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
4.63 倍
難しめ外部倍率は4.63倍で、外部受検ではやや競争が強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 3 | 2 | 1.50 |
| 外部 | 74 | 16 | 4.63 |
| 全体 | 77 | 18 | 4.28 |
教育支援専攻では、横浜国立大学内部よりも、国内の他大学と国外からの志願者が大きな割合を占めています。
心理学、日本語教育、教育支援などを別の大学で学んできた受験生にも開かれた専攻である一方、受け入れ人数に対して出願が集まりやすい構成です。
外部受験生は、現在の学修分野を伝えるだけでなく、それを学校・地域・日本語教育の現場へどのように適用するのかを説明する必要があります。
心理支援に関する研究では、支援の利用者が、同時に研究参加者となる場合があります。
この場合、研究への参加を断ったことで、支援を受けにくくなると感じさせない手続きが欠かせません。
支援担当者と研究者が同一人物であれば、対象者は研究者が期待する回答を選ぶ可能性もあります。
研究計画書では、支援と研究の役割をどこで分けるのか、同意を誰が取得するのか、個人情報へ誰がアクセスするのかを明記しましょう。
支援プログラムの効果を検討する際も、「利用者が満足した」という結果だけでは十分ではありません。
困難の軽減、学校への適応、相談行動、支援終了後の状態など、何を変化として捉えるのかを事前に決める必要があります。
日本語教育を扱う場合は、学習者を日本語能力だけで分類しないようにします。
日本語を使用する場面、学習歴、母語、在留期間、進学・就職目的によって、必要な支援は異なります。
同じ教材を使用して学習成果が異なった場合も、教材の効果だけでなく、学習者が日本語へ触れる環境を確認しましょう。
授業中の発話量、課外での言語使用、学習目的などを含めて設計すると、学習結果の違いを説明しやすくなります。
支援を受ける人
児童生徒、保護者、日本語学習者など
支援を実施する人
教員、心理職、日本語教育担当者など
研究協力を承認する人
学校、施設、保護者、管理者など
データを分析する人
個人を特定できる情報へ接する研究者
四者の役割を同一視すると、誰の同意が必要なのか、誰が研究参加を拒否できるのかが曖昧になります。
面接では、研究上の意義だけでなく、研究対象者へどのような負担が発生するのかも説明できるようにしてください。
先進実践学環の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
2.10 倍
標準外部倍率は2.10倍で、外部受検者にとって標準的な競争水準
内部倍率より外部倍率が低く、外部からでも狙いやすい可能性があります。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 83 | 27 | 3.07 |
| 外部 | 42 | 20 | 2.10 |
| 全体 | 125 | 47 | 2.66 |
先進実践学環では、横浜国立大学内部からの志願者が一定の割合を占める一方、外部国内・国外からも出願が集まっています。
4学府を横断して学べるため、既存の専攻区分だけでは収まりにくい研究課題を持つ受験生にとって、独自の進学先になります。
ただし、研究テーマに複数分野の言葉を並べるだけでは、分野横断型の研究になりません。
たとえば、AIと都市政策を組み合わせる場合、AIを使用すること自体を新規性としないようにします。
都市政策のどの判断に情報が不足しているのか、その情報をAIでどのように生成・分類・予測するのか、生成した情報を誰が使用するのかを順に決めます。
データサイエンスと社会科学を接続する研究でも、分析モデルの精度と、社会的な意思決定の妥当性は同じではありません。
高い精度を持つモデルであっても、使用したデータが特定地域や特定集団へ偏っていれば、政策や事業へ適用した際に不利益が生じる可能性があります。
研究計画書には、技術的な評価と、利用場面での評価を分けて設けましょう。
国際ガバナンスや成熟社会に関する研究では、社会課題の広さに対して、修士論文で扱える証拠が不足しやすくなります。
国際社会、人口変動、地域課題などを包括的に論じるのではなく、特定の制度、組織、地域、意思決定へ分析単位を下げてください。
横浜アーバニストなど都市を扱うテーマでは、都市を背景として紹介するだけでなく、横浜という場所から何を観測できるのかを考えます。
人口、土地利用、交通、産業、地域活動などから中心となる現象を選び、ほかの都市でも検討できる知見へ変換しましょう。
中心分野
研究上の問いと主な評価基準を提供する分野
補助分野
中心分野だけでは取得できないデータ・方法を補う分野
利用主体
研究成果を使って判断・行動する人や組織
統合地点
異なる分野の結果を一つの結論へまとめる段階
すべての分野を同じ深さで学ぶ必要はありません。
一つの分野で研究上の基準を持ち、別分野から必要な方法を借りる方が、研究の中心を保ちやすくなります。

リョウジ
分野横断とは、テーマを増やすことではありません。一つの問いに対して、各分野へ異なる仕事を割り当てることです。
続く第3回では、国際社会科学府の3専攻を確認します。
横浜国立大学大学院 国際社会科学府の倍率
国際社会科学府には、経済学専攻、経営学専攻、国際経済法学専攻があります。
三つの専攻はいずれも社会の動きを研究対象にしますが、正しい主張を判断する規則は同じではありません。
経済学では、観測された変化がどの要因によって生じたのかを、理論とデータから識別します。
経営学では、企業や組織が限られた情報・資源のもとで、どのような意思決定を行ったのかを検討します。
国際経済法学では、法令、条約、判例、制度運用などの関係を整理し、規範的な主張を組み立てます。
共通する社会問題を扱っていても、何を証拠とし、どの規則によって結論を選ぶのかによって、適切な専攻が変わります。

リョウジ
社会課題の名称ではなく、結論を出すときに使いたい証拠と判断規則から専攻を選びましょう。
国際社会科学府の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
4.25 倍
難しめ外部倍率は4.25倍で、外部受検ではやや競争が強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 23 | 21 | 1.10 |
| 外部 | 353 | 83 | 4.25 |
| 全体 | 376 | 104 | 3.62 |
国際社会科学府では、外部国内と国外からの志願者が、学府全体の動きへ大きく影響しています。
横浜国立大学内部からの進学だけを前提とした学府ではなく、異なる大学・国・実務領域で学んだ受験生が同じ学府へ集まります。
ただし、三専攻の志願者構成は均一ではありません。
国外志願者の割合が大きい専攻、国内外の外部受験生が混在する専攻、内部進学者が一定数いる専攻があるため、以下の専攻別グラフへ進んでください。
経済学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
6.00 倍
高難度外部倍率は6.00倍で、外部受検者にとって競争がかなり強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 9 | 9 | 1.00 |
| 外部 | 180 | 30 | 6.00 |
| 全体 | 189 | 39 | 4.85 |
※2019年度の内部倍率は、募集がなかった可能性、または合格者がいなかったため倍率を表示していません。
経済学専攻は、国外を含む外部志願者の存在感が大きく、専攻別倍率でも高い位置に現れやすい専攻です。
外部からの出願機会が広い一方、経済学の理論、数学、統計、データ分析について、入学後の研究に必要な基礎を示す必要があります。
経済問題を研究するときは、二つの変数が同時に変化していることと、一方が他方を変化させたことを区別します。
たとえば、ある地域で補助制度の導入後に企業数が増えたとしても、補助制度だけが原因とは限りません。
同時期の景気、人口移動、別の政策、産業構成なども企業数へ影響する可能性があります。
研究計画書では、結果が変化した地域だけを調べるのではなく、制度が導入されなかった地域や、導入時期が異なる地域を比較できるかを検討しましょう。
公開統計を使う場合は、データがどのように作られたのかを確認します。
統計上の定義が途中で変更されていれば、長期推移の変化が、経済現象ではなく集計方法の変更によって生じた可能性があります。
企業や個人の行動をモデル化する場合も、数式を複雑にすることが目的ではありません。
どの選択肢があり、どの制約のもとで、何を最大化・最小化していると仮定するのかを明確にしてください。
仮定を置く理由と、その仮定が成立しない場面を説明できると、理論と現実の距離を管理できます。
確認したい効果
どの制度・価格・行動が結果を変えたのか
比較対象
効果がなかった場合の状態を何で代替するか
同時に動く要因
結果へ影響する別の政策・属性・時期
データ生成過程
誰が、どの定義で、どの範囲を記録したか
面接では、期待した結果が出なかった場合に、研究の価値がなくなるのかを尋ねられる可能性があります。
仮説が支持されなくても、どの条件では効果が見られないのかを示せれば、研究上の知見になります。
経営学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
4.20 倍
難しめ外部倍率は4.20倍で、外部受検ではやや競争が強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 14 | 12 | 1.17 |
| 外部 | 126 | 30 | 4.20 |
| 全体 | 140 | 42 | 3.33 |
経営学専攻には、横浜国立大学内部、国内の他大学、国外から志願者が集まっています。
企業や組織に関する研究は、実務経験を持つ受験生にも取り組みやすく見えますが、業務上の成果報告と学術研究は異なります。
経営上の意思決定を研究する場合は、結果だけでなく、意思決定時点で利用できた情報を確認しましょう。
成功後に過去を振り返ると、当時は分からなかった情報まで含めて、経営判断が合理的だったように説明してしまうことがあります。
会議記録、社内資料、当時の市場情報などを用い、決定時点の選択肢と制約を再構成する必要があります。
新規事業や組織改革を扱う場合も、施策を実施したことと、成果が施策によって生じたことを分けます。
同時期に経営者、予算、人員、市場環境が変化していれば、どの要因が成果へ寄与したかを比較しなければなりません。
複数企業を比較する場合は、企業規模や業種をそろえることだけでなく、意思決定を行った時期と直面した条件を合わせます。
成功企業だけを選ぶと、同じ施策を実施して成果が出なかった企業が分析から消えてしまいます。
企業データを使用するときは、閲覧権限と研究利用権限を区別してください。
業務上閲覧できるデータであっても、大学院の研究や修士論文で利用・公表できるとは限りません。
企業名を伏せても、事業内容や時期から対象企業が特定される場合があります。匿名化の方法まで出願前に検討しましょう。
判断時点
いつ、どの問題に対して意思決定したか
情報集合
当時の担当者が利用できた情報は何か
選択肢
採用案以外にどの案が検討されたか
結果の検証
成果を別の要因と区別できるか
実務経験を強みにする際は、勤務年数や役職ではなく、研究上の問いを発見できる資料・経験を持っていることを示してください。
国際経済法学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
2.04 倍
標準外部倍率は2.04倍で、外部受検者にとって標準的な競争水準
外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 0 | 0 | - |
| 外部 | 47 | 23 | 2.04 |
| 全体 | 47 | 23 | 2.04 |
※2016、2017、2021年度の内部倍率は、合格者がいなかったため倍率を表示していません。
※2019、2020、2024、2025年度の内部倍率は、募集がなかった可能性、または合格者がいなかったため倍率を表示していません。
国際経済法学専攻は、国外からの志願者が大きな割合を占める年度があります。
国内法だけでなく、国際取引、経済活動、国際機関、開発、ガバナンスなどへ関心を持つ受験生が集まりやすい専攻です。
法制度を比較する研究では、二つの国の条文を並べるだけでは比較研究になりません。
条文が同じように見えても、裁判所の権限、行政機関の運用、救済手続き、契約実務が異なれば、制度の効果は変わります。
比較する際は、条文、判例、行政運用、当事者の利用という階層を分けてください。
国際条約を扱う場合は、条約本文だけでなく、締約国による国内実施や解釈の違いを確認します。
国際的な共通規則が存在していても、各国の国内制度へ組み込まれる過程で、適用範囲が変わることがあります。
法的な提案を行う研究では、望ましい制度を述べる前に、現行制度がどの利益を守り、どの利益を制限しているのかを整理しましょう。
一方の当事者を保護する規制が、別の当事者へどのような費用や手続き負担を生じさせるかも検討します。
外国語の法令や判例を利用する場合は、翻訳で同じ日本語に置き換えられた用語が、各法体系で同じ意味を持つとは限りません。
制度上の位置づけ、適用要件、法的効果を確認し、訳語だけで概念を同一視しないようにしましょう。
規範
条約、法律、規則などの正式な法源
解釈
裁判所・行政機関・国際機関による意味づけ
運用
制度が手続きや契約実務でどう使われるか
効果
当事者の行動や紛争予防へどのように影響するか
面接では、法的な結論だけでなく、反対の利益を持つ当事者から見ても、その結論を維持できるかを確認しておきましょう。

リョウジ
法令の文章を比較するだけでなく、誰が解釈し、誰が利用し、どの効果が生じたのかまで追いましょう。
第4回では、理工学府と環境情報学府の6専攻を取り上げます。
横浜国立大学大学院 理工学府の倍率
理工学府には、機械・材料・海洋系工学専攻、化学・生命系理工学専攻、数物・電子情報系理工学専攻があります。
三専攻には複数の教育分野が含まれ、同じ専攻内でも、研究室で日常的に行う作業は大きく異なります。
設計図を作成する研究、材料を加工する研究、反応を測定する研究、生命現象を観察する研究、数理的な証明を行う研究、電子回路や情報システムを開発する研究が、一つの学府に集まっています。
志望先を選ぶときは、研究テーマの言葉だけでなく、研究室で繰り返す作業と、結果を評価する基準を確認してください。
理工学府の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
2.29 倍
標準外部倍率は2.29倍で、外部受検者にとって標準的な競争水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 359 | 307 | 1.17 |
| 外部 | 144 | 63 | 2.29 |
| 全体 | 503 | 370 | 1.36 |
理工学府では、横浜国立大学内部からの志願者・入学者が大きな割合を占めています。
学部の卒業研究から研究テーマを継続する学生が多い一方、国内の他大学や国外からも一定数の出願があります。
外部受験生は、専攻全体の倍率だけを見て、内部生と同じ準備状況であると考えないようにしましょう。
内部生は、研究室配属、装置講習、ゼミ、卒業研究などを通じて、大学院で必要な作業へすでに触れている場合があります。
外部から進学する場合は、現在使用できる装置・ソフトウェア・解析方法と、志望研究室で新たに習得する内容を分けて説明してください。
機械・材料・海洋系工学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
2.77 倍
標準外部倍率は2.77倍で、外部受検者にとって標準的な競争水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 107 | 89 | 1.20 |
| 外部 | 61 | 22 | 2.77 |
| 全体 | 168 | 111 | 1.51 |
機械・材料・海洋系工学専攻では、内部進学者が中心となりながら、外部国内・国外からも志願者が集まっています。
機械、材料、船舶海洋、航空宇宙などを含むため、専攻名だけで専門試験や研究方法を特定することはできません。
機械システムを研究する場合は、部品単体の性能と、システムへ組み込んだ際の性能を分けて検証します。
各部品が設計どおりに動いていても、接続部分の振動、熱、通信遅延、制御誤差によって、全体が不安定になる可能性があります。
研究計画には、個別要素の評価だけでなく、要素間の影響を確認する工程を含めましょう。
材料研究では、試験片で得た性能が、実際の製品寸法や製造工程でも再現するかが課題になります。
小さな試料では均一だった材料も、大型化すると温度分布、冷却速度、内部欠陥が変わる可能性があります。
最高性能の試料だけを評価せず、製造条件によるばらつきを確認してください。
海洋・航空宇宙分野では、実機と同じ条件を研究室内で完全に再現することが難しい場合があります。
模型実験、数値計算、実測データのどれが、現実の条件をどこまで表現しているのかを整理しましょう。
安全性を扱う研究では、通常運転時より、故障、極端な荷重、異常気象などの条件で、どのように破壊が広がるかを確認する必要があります。
通常条件
想定された環境で要求性能を満たすか
変動条件
荷重、温度、速度、材料特性が変化した場合
故障条件
一つの要素が機能しない場合の影響
回復条件
異常後に安全な状態へ戻せるか
外部受験では、設計・解析・加工・計測・制御のうち、どの工程を経験しているのかを具体的に示しましょう。
化学・生命系理工学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.77 倍
やや狙い目外部倍率は1.77倍で、準備次第で現実的に狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者は少なめで、内部進学者中心の傾向があります。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 101 | 96 | 1.05 |
| 外部 | 23 | 13 | 1.77 |
| 全体 | 124 | 109 | 1.14 |
化学・生命系理工学専攻は、内部進学者の割合が特に大きい専攻の一つです。
全体倍率が低い年度でも、外部受験生には、研究室で使用する実験技術や安全管理に関する情報差があります。
化学反応を研究する場合は、目的物の収率だけでなく、反応途中に何が起きているのかを検討します。
副生成物が生じる条件、触媒が失活する条件、反応速度が変化する条件を調べることで、反応経路を説明できます。
一度だけ高い性能が得られた条件ではなく、異なる実験日や試料でも同じ傾向が得られるかを確認しましょう。
材料・プロセス研究では、実験室規模で成立する方法が、製造規模でも成立するとは限りません。
使用する原料量、混合、加熱、冷却が変わると、反応や材料構造も変化する可能性があります。
研究計画では、基礎的な原理の検証と、規模を変更した際の問題を分けてください。
生命系では、ある遺伝子や分子を操作した後に現象が変化しても、直接的な因果関係が示されたとは限りません。
操作による非特異的な影響、別経路の活性化、細胞や個体への負担を確認する対照実験が必要です。
生物試料の違いを単なるノイズとして除くのか、研究対象となる個体差として分析するのかも決めましょう。
測定の繰り返し
同じ試料を複数回測定した結果
試料の繰り返し
独立して作製・採取した試料の結果
実験日の繰り返し
別の日に同じ工程を実施した結果
条件の変更
温度、濃度、培養条件などを変えた結果
研究室への連絡では、使用経験のある装置名を列挙するだけでなく、試料作製から解析までのどこを自分で判断したのかを説明してください。
数物・電子情報系理工学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
2.14 倍
標準外部倍率は2.14倍で、外部受検者にとって標準的な競争水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 151 | 122 | 1.24 |
| 外部 | 60 | 28 | 2.14 |
| 全体 | 211 | 150 | 1.41 |
数物・電子情報系理工学専攻は、理工学府の中でも志願者・入学者の規模が大きい専攻です。
数理科学、物理学、電子工学、通信、情報工学などを含むため、同じ専攻でも成果物の形が異なります。
数学では、研究成果は論理的な証明として示されます。
研究計画では、解きたい大きな問題を掲げるだけでなく、どの条件へ限定し、どの既知の結果を拡張するのかを説明しましょう。
物理研究では、装置が出力した信号と、研究対象となる物理現象を区別します。
背景ノイズ、装置の校正、試料の状態でも信号は変化するため、別の測定方法や対照条件による確認が必要です。
電子・通信分野では、回路やデバイス単体の性能だけでなく、システムへ接続した際の遅延、消費電力、発熱、通信品質を検証します。
情報分野では、アルゴリズムの平均精度だけで優劣を判断しないようにします。
学習に必要なデータ量、計算時間、誤りが集中する対象、未知条件への対応力も評価へ含めてください。
高性能なモデルであっても、入力データが少し変化しただけで結果が崩れる場合、利用できる場面は限られます。
研究計画書には、最良条件の評価と、条件変化に対する頑健性の評価を分けて設けましょう。
数理
仮定から結論まで論理が途切れていないか
物理
観測信号を別の原因と識別できるか
電子・通信
構成要素を接続しても性能を維持できるか
情報
未知データや条件変更へ対応できるか
外部受験生は、自分の専門分野だけでなく、志望研究室がどの種類の厳密さを重視しているのかを確認してください。
横浜国立大学大学院 環境情報学府の倍率
環境情報学府には、人工環境専攻、自然環境専攻、情報環境専攻があります。
三専攻は「環境」という言葉を共有していますが、環境として捉える対象が異なります。
人工環境専攻では、人が設計・運用する建築、施設、産業、安全、社会システムなどを扱います。
自然環境専攻では、生態系、生命現象、地球科学、自然災害などを観測します。
情報環境専攻では、情報技術だけでなく、情報を生み出し、受け取り、判断する人間や社会も研究対象になります。
環境情報学府の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
2.53 倍
標準外部倍率は2.53倍で、外部受検者にとって標準的な競争水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者は少なめで、内部進学者中心の傾向があります。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 173 | 151 | 1.15 |
| 外部 | 38 | 15 | 2.53 |
| 全体 | 211 | 166 | 1.27 |
環境情報学府では、内部進学者が受け入れ規模の中心となっています。
一方、情報環境専攻などでは外部国内・国外からも出願があり、専攻によって志願者構成が異なります。
学府全体の倍率が低く見える年度でも、外部志願者にとっては、研究室情報や必要な方法に差がある可能性があります。
研究テーマに「環境」「持続可能性」「安全」と書くだけでは、三専攻のどこへ出願すべきかは決まりません。
何を測定し、何を設計し、誰の行動を分析するのかによって志望先を選びましょう。
人工環境専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.33 倍
狙い目外部倍率は1.33倍で、外部受検者にとって狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者は少なめで、内部進学者中心の傾向があります。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 67 | 60 | 1.12 |
| 外部 | 8 | 6 | 1.33 |
| 全体 | 75 | 66 | 1.14 |
人工環境専攻は、内部進学者の割合が大きく、志願者数と入学者数が比較的近い年度があります。
ただし、専攻内には工学的な設計、安全・環境、社会システムなど、異なる研究方法が含まれます。
人工物を研究する場合、設計者が想定した使い方と、実際の利用者の使い方が一致するとは限りません。
安全装置が設置されていても、操作が複雑で利用されなければ、期待した効果は得られません。
技術の性能と、人間がその技術を採用・運用できることを分けて評価しましょう。
リスクを扱う研究では、事故の発生確率だけでなく、発生した際の影響と、回復に必要な時間を含めて考えます。
頻度は低くても被害が大きい事象と、頻度は高いが被害が小さい事象では、対策の優先順位が異なります。
環境技術を提案する際は、利用段階で削減できる負荷だけでなく、製造、輸送、保守、廃棄に伴う負荷も確認してください。
一つの工程で環境負荷を減らした結果、別の工程へ負担を移していないかを検証します。
技術性能
設計した機能が要求水準を満たすか
運用可能性
利用者・管理者が継続して使えるか
異常時対応
故障や事故の際に被害を限定できるか
ライフサイクル
製造から廃棄までの影響をどう評価するか
研究計画では、設計者の視点だけでなく、利用者、管理者、周辺住民など、異なる立場の評価基準を整理しましょう。
自然環境専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.50 倍
やや狙い目外部倍率は1.50倍で、準備次第で現実的に狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者は少なめで、内部進学者中心の傾向があります。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 33 | 23 | 1.43 |
| 外部 | 6 | 4 | 1.50 |
| 全体 | 39 | 27 | 1.44 |
自然環境専攻は、人工環境・情報環境と比べて受験者の規模が小さい年度があります。
少人数の専攻では、一人の志願・入学による倍率変化が相対的に大きくなるため、複数年度の推移を確認してください。
自然環境を研究するとき、観測しやすい場所だけを選ぶと、対象全体を正しく表せない可能性があります。
道路や施設に近い地点は調査しやすい一方、人の影響を強く受けている場合があります。
調査地点の選択理由と、選ばれなかった場所の特徴を記録しましょう。
生態系を扱う場合は、個体数だけでなく、調査時刻、季節、天候、観測者によって発見しやすさが変化します。
観測数の変化が、生物の増減によるものか、観測条件の違いによるものかを区別する必要があります。
地球科学・災害研究では、長期間に一度しか発生しない現象を、修士課程中に直接観測できないことがあります。
過去の観測記録、地質資料、衛星データ、数値計算などを組み合わせ、異なる時間尺度を接続しましょう。
地域住民や行政から得た情報を利用する場合は、自然科学的な測定値と、経験に基づく知識を同じ種類のデータとして扱わないようにします。
それぞれが何を把握でき、何を把握できないのかを整理したうえで組み合わせてください。
場所の偏り
アクセスしやすい地点だけを調査していないか
時間の偏り
特定の季節・時刻だけを観測していないか
検出の偏り
見つけやすい対象だけが多く記録されていないか
記録の偏り
過去資料が残りやすい地域に集中していないか
研究計画には、調査が中止された場合や、必要な試料を取得できなかった場合に進める代替分析も用意しましょう。
情報環境専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
4.80 倍
難しめ外部倍率は4.80倍で、外部受検ではやや競争が強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 73 | 68 | 1.07 |
| 外部 | 24 | 5 | 4.80 |
| 全体 | 97 | 73 | 1.33 |
情報環境専攻では、内部進学者が中心となる一方、外部国内・国外からの出願も見られます。
情報技術、数理、セキュリティ、人間と情報の関係など、異なる研究分野が含まれるため、専攻全体の倍率と研究室単位の受け入れは分けて考えましょう。
情報システムの安全性を研究する場合は、守りたい対象と、想定する攻撃者を決める必要があります。
すべての攻撃を防ぐという目標では、評価条件を設定できません。
攻撃者が利用できる情報、計算資源、アクセス権限を定義し、その条件でどの程度の安全性を確保できるかを検証します。
データ分析では、データの量より、データが記録されるまでの過程が重要です。
利用者が自発的に入力したデータには、入力しなかった人や記録を途中でやめた人の情報が含まれません。
記録されていない人を含めて結論を適用してよいかを確認しましょう。
人間と情報の関係を扱う場合は、正しい情報を提示すれば、人が正しく判断するとは限りません。
情報量が多すぎる、表示方法が分かりにくい、発信者を信頼していないなどの理由で、情報が利用されない可能性があります。
情報の正確性と、受け手が理解・採用できることを別々に評価してください。
生成
誰が、どの条件でデータ・情報を作ったか
加工
分類、集計、モデルによって何が変更されたか
提示
どの情報が、どの形式で利用者へ示されたか
判断
利用者が情報をどう解釈し、行動したか
研究成果を実社会へ導入する場合は、技術の性能だけでなく、誤った出力が生じた際の責任分担や修正手順も検討しましょう。

リョウジ
情報技術の研究では、データがモデルへ入る前と、結果が人へ渡った後まで研究範囲に含めてください。
最終回では、都市イノベーション学府と横浜国立大学大学院の受験戦略を解説します。
横浜国立大学大学院 都市イノベーション学府の倍率
都市イノベーション学府には、建築都市文化専攻と都市地域社会専攻があります。
両専攻は都市を共通の研究対象としますが、都市のどの部分へ焦点を当てるかが異なります。
建築都市文化専攻では、建築、空間、デザイン、芸術文化、都市文化などを通じて、都市の形と経験を検討します。
都市地域社会専攻では、地域社会、公共性、国際協力、都市基盤、インフラ、防災などから、都市を支える関係と仕組みを研究します。
都市研究では、一つの場所に複数の利用者、制度、歴史、技術が重なります。
誰にとっての都市問題を扱い、どの範囲までを一つの研究単位とするのかを決めることが重要です。

リョウジ
都市を一人の利用者の視点だけで説明しないようにしましょう。同じ空間でも、立場によって問題と利益が変わります。
都市イノベーション学府の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
3.22 倍
難しめ外部倍率は3.22倍で、外部受検ではやや競争が強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 85 | 58 | 1.47 |
| 外部 | 161 | 50 | 3.22 |
| 全体 | 246 | 108 | 2.28 |
都市イノベーション学府では、外部国内・国外からの志願者が、学府全体の倍率へ大きく影響しています。
建築、都市文化、地域社会、都市基盤など、異なる学部教育から接続できる研究領域を持つためです。
外部受験生にとって進学機会がある一方、専攻内のコース・系によって、専門試験、提出物、研究方法が変わります。
学府全体の倍率を確認した後は、必ず自分が出願するコース・系の過去問や提出要件まで確認してください。
建築都市文化専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
3.58 倍
難しめ外部倍率は3.58倍で、外部受検ではやや競争が強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 54 | 37 | 1.46 |
| 外部 | 118 | 33 | 3.58 |
| 全体 | 172 | 70 | 2.46 |
建築都市文化専攻は、横浜国立大学内部だけでなく、外部国内・国外から多くの志願者が集まる専攻です。
建築系、都市文化系、都市デザインなどでは、同じ専攻内でも提出物や研究成果の形が異なります。
建築設計を行う場合、完成した図面や模型の見栄えだけでなく、設計判断の根拠を示す必要があります。
敷地の特徴、利用者、法規、構造、環境条件、予算など、複数の制約のうち、何を優先したのかを説明しましょう。
一つの要求を満たすことで、別の要求が満たせなくなる場合もあります。
採用しなかった設計案と比較し、最終案がどの基準で選ばれたのかを示すと、作品を研究上の議論へ変換できます。
都市文化を扱う場合は、都市のイメージと、実際の利用・生活を区別します。
観光案内、広告、映像などで描かれる都市と、住民が経験する都市には差がある可能性があります。
表象資料、現地観察、聞き取り、行政資料などを組み合わせ、誰がどの都市像を作っているのかを検討してください。
既存建築や地域の保存を扱う研究では、古いものを残すこと自体を結論にしないようにします。
保存対象の価値を誰が判断し、保存による費用や利用制限を誰が負担するのかを整理しましょう。
場所の読解
敷地、歴史、周辺環境から何を読み取ったか
要求の衝突
安全、利用、文化、環境などの優先順位
選択の履歴
複数案から最終案を選んだ理由
受け手の経験
利用者・住民が空間や文化をどう経験するか
ポートフォリオを提出する場合も、作品数を増やすだけでなく、作品ごとに異なる設計判断や研究上の成長が伝わる構成にしましょう。
都市地域社会専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
2.53 倍
標準外部倍率は2.53倍で、外部受検者にとって標準的な競争水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 31 | 21 | 1.48 |
| 外部 | 43 | 17 | 2.53 |
| 全体 | 74 | 38 | 1.95 |
都市地域社会専攻にも、内部、外部国内、国外から志願者が集まっています。
地域社会を扱う人文社会系の研究と、都市基盤・インフラを扱う工学系の研究が含まれるため、研究方法の幅が広い専攻です。
地域課題を研究するときは、「地域住民」という一つの集団が存在すると考えないようにします。
居住年数、年齢、職業、土地や建物の所有、地域活動への参加状況によって、同じ計画への評価が異なる可能性があります。
住民参加を扱う場合も、会議に参加した人だけを地域全体の意見として扱わないようにしましょう。
仕事、育児、言語、身体的条件などによって、参加できなかった人の意見が記録から抜けている場合があります。
都市基盤を研究する場合は、新しい施設を建設する効果だけでなく、維持管理まで含めます。
建設時に費用を抑えた結果、点検や補修の負担が増える場合があります。
利用開始後に誰が管理し、どの財源で更新するのかを含めて評価してください。
防災研究では、災害時に設備が機能することと、人がその設備を利用できることを分けます。
避難情報が発信されても、避難経路、交通手段、家族構成、過去の経験によって、人の行動は異なります。
インフラの強度、情報提供、住民行動を一つの指標へまとめず、どの段階で被害が拡大するのかを確認しましょう。
利用者
空間・施設・サービスを日常的に使う人
決定者
計画、予算、規制を決める行政・組織
管理者
完成後の点検・運用・更新を担う主体
影響を受ける人
直接利用しなくても負担や変化を受ける人
研究計画書では、特定の施策が地域全体に有効であると書く前に、利益を得る人と負担を引き受ける人を分けてください。

リョウジ
都市施策の効果は、便益と負担を受ける人が同じとは限りません。関係者を分けてから評価基準を決めましょう。
横浜国立大学大学院の倍率を院試対策へ反映する方法
倍率を確認した後は、その数字を志望先の変更だけに使わないようにしましょう。
倍率データから、内部・外部国内・国外のどこに競争が集中しているのかを読み取り、自分の準備項目へ変換することが重要です。
最初に「現行組織の時間軸」を作る
横浜国立大学大学院では、学府・専攻によって現在の組織が始まった年度が異なります。
過去問や倍率を集める前に、志望先について次の項目を整理しましょう。
- 現在の研究科・学府・学環名
- 現在の専攻名
- 現行組織が始まった年度
- 前身となる旧組織・旧専攻
- 現在の入試で使用できる旧過去問の範囲
旧専攻の過去問にも、現在の入試に必要な基礎科目が含まれている場合があります。
ただし、旧専攻のすべての出題を現行専攻の傾向として扱わず、現在の募集要項と対応する問題だけを選びましょう。
自分の進学経路と同じ倍率へ表示を切り替える
内部進学者が多い専攻では、全体倍率が低く見える場合があります。
しかし、外部国内の志願者に対する入学者数が限られていれば、他大学出身者の競争状況は全体表示と異なります。
外部受験生は、倍率差を見つけた後、内部生との違いを次の三つへ分解してください。
科目の差
未履修の専門科目・数学・統計・語学
作業の差
未経験の装置、調査、設計、分析方法
環境情報の差
教員、研究室、ゼミ、設備、研究テーマに関する情報
科目の差は教科書と過去問、作業の差は卒業研究や自主的な実習、環境情報の差は研究室訪問や教員の論文によって補えます。
研究テーマではなく「中心証拠」から所属先を選ぶ
横浜国立大学大学院には、同じ社会課題を複数の組織で研究できる環境があります。
たとえば環境問題は、経済学、法学、理工学、環境情報学、都市研究、先進実践学環のいずれでも扱える可能性があります。
テーマの言葉だけで所属先を決めず、研究の中心証拠を確認しましょう。
- 経済統計・行動データを中心にするのか
- 法律・制度・判例を中心にするのか
- 実験・測定・設計結果を中心にするのか
- 生態系・地球環境の観測を中心にするのか
- 都市空間・地域社会の調査を中心にするのか
- 複数分野をつなぐ実践的成果を中心にするのか
研究テーマが同じでも、中心証拠が変われば、指導を受けるべき組織も変わります。
研究資源を依存先ごとに分ける
研究計画書では、方法を書くだけでなく、その方法を実行するために必要な資源を確認します。
次の四つに分けると、計画が停止する原因を見つけやすくなります。
- 人:研究協力者、対象者、専門技術を持つ教員・共同研究者
- 場所:研究室、学校、企業、地域、実験施設、調査地
- 設備:装置、ソフトウェア、計算環境、共用施設
- 情報:統計、社内データ、行政資料、史資料、観測記録
一つの企業、一つの学校、一台の装置だけへ研究全体を依存させると、利用許可や故障によって計画が停止します。
最も代替しにくい資源を特定し、出願前に利用可能性を確認してください。
研究計画書を判断の順番として書く
研究計画書を、研究背景、目的、方法という見出しだけで作ると、研究者がいつ何を判断するのかが見えにくくなります。
計画を次の順番へ置き換えてみましょう。
判断1
先行研究のどの説明が不十分かを選ぶ
判断2
不足を確認できる資料・実験・対象を選ぶ
判断3
複数の結果から、どの説明を採用するか決める
判断4
結論をどの対象・条件まで適用するか決める
判断の基準が書かれていない場合、データを取得した後に都合のよい結論を選ぶ計画になっている可能性があります。
どの結果が得られたら仮説を維持し、どの結果なら修正するのかを、できる範囲で事前に定めましょう。
指導希望教員への連絡は「移行計画」を伝える
外部受験生が教員へ連絡する際は、現在の研究テーマと志望テーマを並べるだけでは不十分です。
現在の研究環境から横浜国立大学へ移ることで、何を継続し、何を変更するのかを伝えましょう。
- 現在までに取得した専門知識・研究方法
- 現在の環境でも継続できる資料・データ
- 進学後に使用したい設備・理論・指導
- 分野変更によって補う必要がある基礎科目
- 修士課程内で完成させる成果物
教員へ研究テーマを作ってもらうのではなく、移行計画に不足がないかを確認してもらう相談にしてください。
過去問は正答率ではなく「選択の速さ」を測る
専門試験では、知識を覚えていても、どの知識を使用すべきか判断できなければ時間を失います。
過去問演習では、問題を解き終えた時間だけでなく、解法や論点を選ぶまでにかかった時間を記録しましょう。
判断に時間がかかった問題は、知識不足とは限りません。
問題文から条件を抽出できていない、似た理論の適用条件を区別できていない、答案の構成を決められていない可能性があります。
復習では、正解を覚えるのではなく、問題文のどの情報から解法を選んだのかを言語化してください。
面接では研究計画を別の所属先から見直す
横浜国立大学大学院では、分野が近接する複数の学府・専攻があります。
面接前に、自分の研究が別の所属先でも実施できないかを検討しましょう。
環境情報学府ではなく理工学府を選ぶ理由、都市イノベーション学府ではなく先進実践学環を選ぶ理由などを比較します。
比較するときは、組織の知名度ではなく、中心証拠、研究方法、必要な指導、取得したい学位を基準にしてください。
別の所属先との差を説明できれば、横浜国立大学の中でも、その学府・専攻でなければならない理由が明確になります。
横浜国立大学大学院の院試対策に不安がある場合
横浜国立大学大学院では、研究科・学府・学環によって組織の開始年度、内部・外部の構成、研究方法が異なります。
倍率だけを基準に準備を始めると、旧専攻の数字を現在の専攻へ当てはめる、内部生を含む倍率だけで外部受験を判断する、研究テーマと指導方法が一致していないといった問題が生じます。
オンライン院試塾INPASSでは、横浜国立大学大学院を目指す受験生に対して、学府・専攻・研究室の選定、研究計画書・志望理由書の作成、専門試験の学習計画、研究室への連絡、面接対策を個別にサポートしています。
「複数の学府で研究テーマを扱えそうで決められない」「外部受験で内部生との差を整理したい」「組織改編前の倍率や過去問をどう扱うべきか分からない」という方は、志望先を確定する段階から準備を進めましょう。


リョウジ
横国大院では、研究テーマの名称より、どの学府の方法でそのテーマへ答えるのかを決めることが重要です。
まとめ
本記事では、横浜国立大学大学院の修士課程について、現在の研究科・学府・学環・専攻に対応する志願者数、入学者数、倍率を確認しました。
倍率データを利用する際は、次の点を押さえておきましょう。
- 横浜国立大学大学院では、組織ごとに現行体制の開始年度が異なる
- 国際社会科学府は2013年度以降を基準とする
- 理工学府・環境情報学府は現在の専攻構成となった2018年度以降を見る
- 教育支援専攻と先進実践学環は2021年度以降を確認する
- 教育支援専攻と先進実践学環は正式な修士課程だが、入試実績上は4学府と別区分で表示される
- 高度教職実践専攻は専門職学位課程のため、本記事の修士課程合計には含めない
- 国際社会科学府では、外部国内・国外の志願者が倍率へ大きく影響する
- 理工学府では、内部進学者を含む全体倍率と外部倍率を分けて確認する
- 環境情報学府では、人工環境・自然環境・情報環境で中心となる証拠が異なる
- 都市イノベーション学府では、専攻内のコース・系まで確認する
- 倍率順位より、志願者数と入学者数のどちらが変化したかを優先する
- 研究テーマではなく、中心証拠と研究方法から所属先を選ぶ
- 外部受験生は、科目・研究作業・環境情報の三つの差を補う
- 研究計画書には、結果を得た後に行う判断の基準を記載する
横浜国立大学大学院には、専門性を深める学府と、分野を横断する学環の双方があります。
選択肢が多いからこそ、倍率の低い組織を探すだけでは、自分に適した進学先を決められません。
研究に使用する資料・データ・実験・設計・調査を明確にし、その方法を指導できる教員と設備がある所属先を選びましょう。
そのうえで、自分と同じ出願区分の倍率推移を確認し、専門試験、研究計画書、研究室への連絡、面接へ準備内容を落とし込むことが重要です。
横浜国立大学大学院に受かるには…まず○○すべし!
本記事を読んで、横浜国立大学大学院に行きたい!と思ったものの、一人で対策するのは不安、、、
横浜国立大学院や東大院、京大院、東工大院、一橋、早慶の大学院に合格するためには何から手を付けて良いかわからない方がほとんどかと思います
そのうえで、自分と同じ出願区分の倍率を確認し、研究計画書と専門試験の準備へ反映させることが重要です。
そこでのべ数百人以上もの相談実績のあるINPASSが断言しましょう。
まずは院試戦略を立てること、これに尽きます。
院試戦略を最初にどのくらい綿密に建てられたかで、その後の合否が大きく左右されます。
とはいえ、自分ではなにをやっていいかわからないという方に朗報です。
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