大学院入試では、筆記試験や面接に加えて「志望理由書」の提出を求められることが多いです。
しかしながら、志望理由書と聞いても、
・何を書けばよいのかわからない
・研究計画書との違いがわからない
・どこまで具体的に書けばよいのかわからない
・面接でどのように使われるのかわからない
という受験生も少なくないことでしょう。
実際にINPASSに体験講義へいらっしゃる人の多くは、志望理由書の書き方についてご質問されます。
志望理由書は、単に「その大学院に入りたい理由」を書く書類ではありません。
自分がなぜ大学院に進学したいのか、なぜその研究科・専攻・研究室を志望するのか、入学後にどのような研究をしたいのかを伝える重要な出願書類です。
そこで本記事では、大学院入試における志望理由書の役割や書き方、盛り込むべき内容、注意点、面接との関係までわかりやすく解説したいと思います!
Q. この記事の信ぴょう性は?
A.
本記事は、のべ500人以上もの院試相談の実績と指導を行ってきたオンライン院試塾INPASSによって作成された記事です。
また、実際に過去のINPASSの生徒のデータも用いており、院試合格に向けた検討材料やモチベーション一としても活用可能な記事となっています。
また本記事は、大学院入試情報サイト「insearch」さんと共同で作成させていただきました。
ぜひ下記の記事と合わせてご覧ください。
(insearchさんの記事内でも、INPASSを紹介いただきました!)
それでは本編に行きましょう!

1. 志望理由書とは?
大学院入試では、募集要項の提出書類欄に「志望理由書」「志望動機書」「出願理由書」といった書類が指定されていることがあります。
しかし、初めて大学院入試を受ける方の中には、
「志望理由書って何を書けばいいの?」
「研究計画書とは何が違うの?」
「就活のエントリーシートみたいに書けばいいの?」
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
まずは、志望理由書がどのような書類なのかを整理していきましょう。
1-1. 志望理由書とは、大学院を志望する理由を伝える書類
志望理由書とは、簡単に言えば「なぜその大学院・研究科・専攻・研究室を志望するのか」を伝えるための書類です。
ただし、単に「この大学院に入りたいです」と熱意を書くものではありません。
大学院入試における志望理由書では、主に以下のような内容が見られます。
・なぜ大学院に進学したいのか
・なぜその研究科・専攻を志望するのか
・なぜその研究室や指導教員のもとで研究したいのか
・入学後にどのような研究へ取り組みたいのか
・修了後にその学びや研究をどのように活かしたいのか
つまり志望理由書は、単なる「志望動機」ではなく、大学院進学の目的や研究への関心、志望先との相性を伝えるための重要な出願書類です。
大学院は、学部の授業の延長としてなんとなく通う場所ではありません。自分で研究テーマを持ち、指導教員のもとで専門性を深めていく場所です。
そのため、大学院側も「この受験生は何を研究したいのか」「本当にこの研究科・研究室と合っているのか」「入学後に主体的に研究へ取り組めそうか」を確認したいと考えています。
その判断材料の1つになるのが、志望理由書です。
1-2. 志望理由書で大切なのは「なぜその大学院なのか」を示すこと
志望理由書を書くうえで特に重要なのは、「なぜその大学院なのか」を明確にすることです。
たとえば、以下のような内容だけでは、志望理由としてはやや弱くなってしまいます。
・有名な大学院だから
・専門性を高めたいから
・就職に有利そうだから
・研究環境が整っていそうだから
もちろん、大学院の知名度や研究環境、将来のキャリアを考えること自体は悪いことではありません。
しかし、志望理由書では、それだけで終わらせるのではなく、自分の研究関心や将来像と結びつけて説明する必要があります。
たとえば、
「私は〇〇に関する研究に取り組みたいと考えており、貴研究科では□□という観点から研究が行われているため、志望いたしました」
「学部時代の卒業研究を通じて△△という課題に関心を持ち、貴研究室の〇〇に関する研究をさらに深く学びたいと考えました」
というように、自分の関心と志望先の特徴がつながっていることを示すことが大切です。
志望理由書では、「この大学院に入りたい」という気持ちだけでなく、「なぜ自分にとってこの大学院である必要があるのか」を言語化する必要があります。
1-3. 志望理由書は、大学院側とのマッチ度を伝える書類でもある
志望理由書は、自分の思いを伝えるだけの書類ではありません。
大学院側から見ると、受験生と研究科・研究室とのマッチ度を確認する書類でもあります。
たとえば、受験生が「AIを研究したい」と考えていたとしても、志望先の研究室でAIに関する研究をほとんど行っていなければ、入学後にミスマッチが起こる可能性があります。
また、研究室の専門領域と自分の関心が近かったとしても、研究手法やアプローチが大きく異なる場合もあります。
そのため、志望理由書では、
・自分は何に関心があるのか
・志望先ではどのような研究が行われているのか
・自分の関心と志望先の研究内容がどのようにつながるのか
を整理して書くことが重要です。
大学院入試では、「入りたい」という気持ちだけでなく、「入学後にその環境で研究を進めていけるか」も見られます。
志望理由書は、その判断材料になる書類だと考えておきましょう。
1-4. 就活のエントリーシートとは何が違うのか
志望理由書は、就職活動でいうエントリーシートに近い部分もあります。
どちらも、自分の考えや志望理由を文章で伝える書類です。
しかし、大学院入試の志望理由書では、就活のエントリーシート以上に「研究との接続」が重視されます。
就活のエントリーシートでは、学生時代に力を入れたことや自己PR、企業への志望動機などを書くことが多いです。
一方で、大学院の志望理由書では、
・これまで何を学んできたのか
・どのような研究テーマに関心があるのか
・なぜその研究を大学院で深めたいのか
・なぜその研究科・研究室で学びたいのか
といった内容が中心になります。
そのため、「貴学の教育理念に共感しました」「成長できる環境だと感じました」といった抽象的な文章だけでは、大学院入試の志望理由書としては不十分です。
大切なのは、自分の学び・研究経験・問題意識・志望先の特徴を結びつけて書くことです。
1-5. 志望理由書は面接にもつながる重要書類
志望理由書は、提出して終わりの書類ではありません。
大学院入試では、提出した志望理由書をもとに面接で質問されることがあります。
たとえば、面接では以下のような質問をされる可能性があります。
・なぜ本研究科を志望したのですか
・なぜこの研究室を選んだのですか
・入学後はどのような研究をしたいですか
・その研究テーマに関心を持ったきっかけは何ですか
・修了後はどのような進路を考えていますか
つまり、志望理由書に書いた内容は、そのまま面接対策にもつながります。
反対に、志望理由書に書いた内容を自分の言葉で説明できない場合、面接で深掘りされたときに答えに詰まってしまう可能性があります。
そのため、志望理由書は「書類審査のためだけに作るもの」ではなく、「面接で自分の考えを説明するための土台」としても重要です。
志望理由書を作成する段階から、面接で聞かれることを想定しておくと、出願書類と面接回答に一貫性を持たせやすくなります。
1-6. 志望理由書は早めに準備するべき書類
志望理由書は、短時間で一気に書き上げるのが難しい書類です。
なぜなら、志望理由書を書くためには、以下のような準備が必要になるからです。
・自分の学部時代の学びを振り返る
・研究テーマへの関心を整理する
・志望研究室の研究内容を調べる
・指導教員の論文や研究業績を確認する
・将来の進路やキャリアを考える
・研究計画書や面接回答との一貫性を確認する
これらを整理せずに書き始めると、内容が浅くなったり、どの大学院にも使い回せるような文章になったりしてしまいます。
志望理由書は、大学院入試において自分の考えを伝える重要な書類です。
だからこそ、募集要項で提出が必要だと分かった段階で、できるだけ早めに準備を始めることが大切です。
2. 志望理由書と研究計画書の違い
大学院入試では、志望理由書とあわせて「研究計画書」の提出を求められることがあります。
そのため、受験生の中には、「志望理由書と研究計画書は何が違うのか」「どちらにも研究内容を書くなら、同じ内容になってしまうのではないか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、志望理由書と研究計画書は、どちらも大学院入試で重要な書類ですが、役割が異なります。
簡単に整理すると、志望理由書は「なぜその大学院・研究科・研究室を志望するのか」を伝える書類であり、研究計画書は「何をどのように研究するのか」を示す書類です。
この違いを理解しないまま書き始めてしまうと、志望理由書と研究計画書の内容が重複したり、反対に内容がズレたりする可能性があります。
特に大学院入試では、出願書類全体の一貫性が重要になるため、それぞれの役割を理解したうえで作成することが大切です。

リョウジ
志望理由書と研究計画書は似ていますが、見られているポイントは少し違います。まずは「なぜ」と「何を・どのように」の違いを押さえておきましょう!
2-1. 志望理由書は「なぜ研究したいのか」を伝える書類
志望理由書で中心になるのは、「なぜその大学院・研究科・専攻・研究室を志望するのか」という部分です。
つまり、志望理由書では、研究内容そのものの詳細よりも、以下のような内容が重視されます。
- なぜ大学院に進学したいのか
- なぜその研究テーマに関心を持ったのか
- なぜその研究科・専攻を志望するのか
- なぜその研究室や指導教員のもとで研究したいのか
- 将来、その研究をどのように活かしたいのか
たとえば、「学部時代の卒業研究を通じて〇〇という課題に関心を持った」「その課題をさらに深く研究するために、〇〇分野に強みを持つ貴研究科を志望した」というように、これまでの経験や問題意識と志望先を結びつけて説明します。
志望理由書で大切なのは、研究テーマの詳しい方法論を説明することではありません。
むしろ、「なぜその研究をしたいのか」「なぜその環境で学びたいのか」を明確にすることが重要です。
そのため、志望理由書は、大学院進学への目的意識や、志望先とのマッチ度を伝える書類だと考えるとよいでしょう。
2-2. 研究計画書は「何をどのように研究するのか」を示す書類
一方で、研究計画書は、入学後に取り組みたい研究内容をより具体的に示す書類です。
研究計画書では、一般的に以下のような内容を整理します。
- 研究テーマ
- 研究背景
- 先行研究
- 研究目的
- 研究方法
- 研究の意義
- 期待される成果
- 参考文献
つまり、研究計画書では、「なぜ研究したいのか」だけでなく、「何を、どのような方法で、どこまで明らかにしたいのか」を具体的に書く必要があります。
たとえば、志望理由書では「私は〇〇という社会課題に関心を持ち、大学院で△△について研究したい」と書きます。
一方で、研究計画書では「〇〇に関する先行研究では□□が明らかにされているが、△△の観点は十分に検討されていない。そのため、本研究では□□という方法を用いて△△を明らかにする」といったように、より研究の中身に踏み込んで書きます。
研究計画書は、大学院側が「この受験生は研究テーマを具体的に考えられているか」「入学後に研究を進められそうか」を確認するための書類です。
そのため、志望理由書よりも、研究内容の具体性や論理性が求められます。
- 志望理由書:
なぜその大学院・研究科・研究室を志望するのかを伝える書類です。研究テーマに関心を持った理由や、志望先とのマッチ度、将来の方向性を中心に書きます。 - 研究計画書:
入学後に何をどのように研究するのかを示す書類です。研究背景、先行研究、研究目的、研究方法、期待される成果など、研究内容を具体的に整理します。 - 共通して重要なこと:
どちらの書類も、出願書類全体として一貫性があることが大切です。志望理由書と研究計画書の方向性がズレていると、面接で深掘りされた際に説明しづらくなります。
2-3. 志望理由書と研究計画書は役割が違う
志望理由書と研究計画書の違いを整理すると、以下のようになります。
志望理由書は、大学院進学の目的や志望先を選んだ理由を伝える書類です。
一方で、研究計画書は、入学後に取り組みたい研究の内容や進め方を示す書類です。
つまり、志望理由書では「なぜ」を中心に書き、研究計画書では「何を・どのように」を中心に書くイメージです。
たとえば、同じ研究テーマについて書く場合でも、以下のように役割が分かれます。
志望理由書:
私は学部時代の研究を通じて、〇〇という課題に関心を持ちました。貴研究室では、〇〇に関する研究が進められており、自分の関心と高い接点があるため志望しました。
研究計画書:
本研究では、〇〇における△△の影響を明らかにすることを目的とします。そのために、□□という手法を用いてデータを収集し、△△の観点から分析を行います。
このように、志望理由書と研究計画書は同じ研究テーマに触れることがあっても、書くべき観点が異なります。
どちらにも研究内容を書くことはありますが、志望理由書では「なぜその研究に取り組みたいのか」、研究計画書では「その研究をどのように進めるのか」を意識すると、役割の違いが明確になります。
2-4. 志望理由書にも研究内容は書くべきなのか
ここで多くの受験生が悩むのが、「志望理由書にも研究内容を書くべきなのか」という点です。
結論としては、志望理由書にも研究内容は書くべきです。
ただし、研究計画書のように細かく書きすぎる必要はありません。
志望理由書で書くべき研究内容は、あくまで「入学後にどのような方向性で研究したいのか」が伝わる程度で十分です。
たとえば、以下のような内容です。
- どのような分野に関心があるのか
- どのような課題を解決したいのか
- なぜそのテーマに関心を持ったのか
- 志望研究室の研究内容とどのようにつながるのか
一方で、研究計画書では、研究背景や先行研究、研究方法などをより詳しく書きます。
志望理由書に研究内容を一切書かないと、「入学後に何をしたいのか」が伝わりにくくなります。
反対に、志望理由書で研究計画書のように細かく研究方法まで書きすぎると、肝心の志望理由が弱くなってしまう可能性があります。
そのため、志望理由書では、研究内容の概要に触れながら、「なぜその研究をしたいのか」「なぜその研究科・研究室で取り組みたいのか」を中心に書くことが大切です。

リョウジ
志望理由書にも研究内容は必要です。ただし、研究方法まで細かく書きすぎると、研究計画書との役割が重なってしまいます。志望理由書では「研究したい理由」と「志望先との接点」を中心に書きましょう!
2-5. 志望理由書と研究計画書には一貫性が必要
志望理由書と研究計画書は、別々の書類ではありますが、内容には一貫性が必要です。
たとえば、志望理由書では「AIを活用した教育支援に関心がある」と書いているのに、研究計画書では「医療データの解析」をテーマにしている場合、読み手は違和感を覚える可能性があります。
もちろん、研究分野が完全に同じ言葉で表現されている必要はありません。
しかし、少なくとも以下の点には一貫性が必要です。
- 問題意識
- 研究テーマ
- 志望研究室との接点
- 将来の方向性
- 大学院で学びたい内容
志望理由書と研究計画書の内容がズレていると、面接でも深掘りされやすくなります。
たとえば、面接で「志望理由書では〇〇と書いていますが、研究計画書では△△を扱っています。この2つはどのようにつながっていますか?」と質問される可能性があります。
このときに明確に説明できなければ、準備不足だと見られてしまうかもしれません。
そのため、志望理由書と研究計画書は、単体で完成度を高めるだけでは不十分です。
出願書類全体として、問題意識・研究内容・志望理由・将来像が自然につながっているかを確認することが大切です。
- 問題意識:
志望理由書で述べた問題意識と、研究計画書で扱う研究テーマが自然につながっているか確認しましょう。 - 研究テーマ:
志望理由書で関心があると書いた分野と、研究計画書で具体化したテーマにズレがないか確認しましょう。 - 志望研究室との接点:
自分の研究テーマと、志望研究室・指導教員の研究内容がどのように重なるのかを説明できる状態にしておきましょう。 - 将来の方向性:
修了後の進路やキャリアと、大学院で取り組みたい研究内容がつながっているか確認しましょう。 - 面接での説明:
志望理由書と研究計画書の関係を、面接で自分の言葉で説明できるか確認しましょう。
2-6. 面接では両方の書類をもとに質問される
志望理由書と研究計画書は、面接でも重要な材料になります。
面接官は、提出された書類をもとに、受験生の考えや研究内容を確認します。
そのため、志望理由書と研究計画書に書いた内容は、自分の言葉で説明できるようにしておく必要があります。
特に、以下のような質問はよく想定されます。
- なぜこの研究テーマを選んだのですか
- なぜ本研究科を志望したのですか
- なぜこの研究室で研究したいのですか
- 研究計画書に書かれている方法で本当に研究できますか
- 志望理由書に書かれている将来像と研究テーマはどうつながっていますか
このように、志望理由書と研究計画書は、書類審査だけでなく面接対策にも直結します。
特に大学院入試の面接では、志望理由書に書かれた「なぜ」と、研究計画書に書かれた「何を・どのように」の両方が確認されます。
そのため、どちらか一方だけを丁寧に作るのではなく、両方のつながりを意識して準備することが重要です。
2-7. 志望理由書は、研究計画書の方向性が決まってから書くのがおすすめ
志望理由書と研究計画書は、どちらも大学院入試で重要な書類です。
ただし、作成する順番としては、志望理由書から先に書き始めるよりも、研究計画書の方向性がある程度決まってから志望理由書を書くのがおすすめです。
なぜなら、志望理由書では「なぜその大学院・研究科・研究室を志望するのか」を書く必要がありますが、その根拠になるのは、入学後に取り組みたい研究テーマだからです。
研究テーマが曖昧なまま志望理由書を書いてしまうと、以下のような問題が起こりやすくなります。
- なぜその研究室なのかが弱くなる
- 志望理由が抽象的になる
- 研究計画書との一貫性が取りにくくなる
- 面接で深掘りされたときに答えにくくなる
たとえば、研究計画書で「〇〇について研究したい」という方向性が固まっていれば、志望理由書ではその研究テーマと志望先の研究内容を結びつけて書くことができます。
「自分は〇〇という課題に関心がある」
「その課題を研究するためには、△△の知見や□□の研究環境が必要である」
「貴研究室では□□に関する研究が行われているため、自分の研究関心と合致している」
このように、研究計画書の方向性が定まっていると、志望理由に説得力を持たせやすくなります。
一方で、研究計画書の方向性が決まっていない段階で志望理由書を書こうとすると、「専門性を高めたい」「貴学の研究環境に魅力を感じた」といった、どの大学院にも当てはまる内容になりやすいです。
もちろん、研究計画書を完璧に完成させてからでなければ、志望理由書を書けないというわけではありません。
ただし、少なくとも研究テーマの方向性や問題意識がある程度固まってから書く方が、志望理由書の質は高まりやすくなります。

リョウジ
志望理由書をいきなり書き始めると、どうしても抽象的な内容になりやすいです。まずは研究計画書の方向性を固めてから、その内容を志望理由に落とし込む流れがおすすめです!
そのため、まずは研究計画書の方向性を固める。
そのうえで、志望理由書を書く。
この順番を意識すると、出願書類全体に一貫性が生まれ、面接でも説明しやすくなります。
大学院入試では、「なぜ研究したいのか」「何を研究したいのか」「なぜその研究室なのか」を一貫して説明できることが重要です。
志望理由書は、研究計画書の内容を踏まえたうえで、自分の志望理由や将来像を伝える書類だと考えておきましょう。
3. 志望理由書が大学院入試で重要な理由
志望理由書は、単なる提出書類の1つではありません。
大学院入試では、筆記試験や面接の対策に意識が向きがちですが、志望理由書も合否に関わる重要な書類です。
特に、書類審査がある大学院や、面接で提出書類の内容を深掘りされる大学院では、志望理由書の完成度が大きな意味を持ちます。
では、なぜ志望理由書は大学院入試で重要なのでしょうか。
主な理由は、以下の3つです。
- 研究科・専攻・研究室とのマッチ度を確認されるため
- 研究への意欲や目的意識を見られるため
- 書類審査や面接の材料になるため
それぞれ詳しく見ていきましょう。

リョウジ
志望理由書は「とりあえず提出すればよい書類」ではありません。大学院側が受験生との相性や研究への本気度を確認するための重要な材料になります!
3-1. 研究科・専攻・研究室とのマッチ度を確認されるため
大学院入試で志望理由書が重視される大きな理由の1つは、受験生と研究科・専攻・研究室とのマッチ度を確認するためです。
大学院は、学部のように幅広く授業を受けるだけの場所ではありません。
基本的には、自分の研究テーマを持ち、指導教員のもとで研究を深めていく場所です。
そのため、大学院側としては、受験生が本当にその研究科や研究室に合っているのかを確認する必要があります。
たとえば、受験生が「AIを使った教育支援を研究したい」と考えているにもかかわらず、志望先の研究室では教育分野ではなく医療画像解析を中心に研究している場合、入学後にミスマッチが起こる可能性があります。
また、同じ「AI」という分野でも、研究室によって扱うテーマや手法は大きく異なります。
自然言語処理を扱う研究室もあれば、画像認識、ロボティクス、データマイニング、教育工学に近い研究を行う研究室もあります。
そのため、志望理由書では、単に「〇〇分野に興味があります」と書くだけでは不十分です。
大切なのは、自分の研究関心と、志望先の研究内容がどのように重なっているのかを具体的に示すことです。
たとえば、以下のような観点を入れると、マッチ度が伝わりやすくなります。
- 自分が関心を持っている研究テーマ
- 志望研究室で行われている研究内容
- 指導教員の論文や研究業績との接点
- 志望先の研究環境やカリキュラムとの関係
- 入学後に取り組みたい研究の方向性
大学院側は、志望理由書を通じて「この受験生は、うちの研究室で研究を進めていけそうか」を見ています。
そのため、志望理由書では、「入りたい」という気持ちだけでなく、「なぜその研究科・専攻・研究室でなければならないのか」を説明することが重要です。
- 研究テーマの一致:
自分が取り組みたい研究テーマと、志望研究室で行われている研究内容に接点があるかを示しましょう。 - 指導教員との接点:
指導教員の論文・研究業績・研究手法に触れながら、なぜその先生のもとで研究したいのかを説明しましょう。 - 研究環境との相性:
カリキュラム、研究設備、共同研究、研究室の特色など、自分の研究を進めるうえで必要な環境があることを伝えましょう。
3-2. 研究への意欲や目的意識を見られるため
志望理由書では、研究への意欲や目的意識も見られます。
大学院では、授業を受けて単位を取るだけでなく、自分で問いを立て、文献を読み、調査や実験を行い、研究成果をまとめていく必要があります。
つまり、大学院での学びは、学部時代よりも主体性が求められます。
そのため、大学院側は志望理由書を通じて、受験生が本当に研究に取り組む意欲を持っているのかを確認します。
たとえば、以下のような内容が書かれていると、目的意識が伝わりやすくなります。
- なぜその研究テーマに関心を持ったのか
- どのような課題を解決したいのか
- 学部時代の学びや卒業研究とどうつながっているのか
- 大学院でさらに深めたい問いは何か
- 研究を通じて将来どのように貢献したいのか
一方で、「専門性を高めたい」「研究力を身につけたい」といった表現だけでは、やや抽象的です。
もちろん、専門性を高めたいという気持ちは大切です。
しかし、志望理由書では、もう一歩踏み込んで「どのような専門性を、なぜ高めたいのか」まで書く必要があります。
たとえば、以下のように具体化すると、研究への意欲が伝わりやすくなります。
抽象的な例:
私は、大学院で専門性を高めたいと考えています。
具体的な例:
私は、学部時代の卒業研究を通じて〇〇という課題に関心を持ちました。特に、△△の観点からこの課題を分析することで、□□の解決に貢献できる可能性があると考えています。そのため、大学院では〇〇分野の専門性を深めたいと考えています。
このように、目的意識を具体的に書くことで、読み手に「この受験生は研究したいことが明確である」と伝わりやすくなります。
志望理由書では、熱意だけでなく、なぜその研究に取り組みたいのかという論理性も大切です。

リョウジ
「頑張りたいです」「興味があります」だけでは、大学院入試の志望理由としては弱くなりがちです。自分の経験や問題意識と結びつけて、なぜ研究したいのかを説明しましょう!
3-3. 書類審査の評価対象になる場合があるため
志望理由書は、大学院によっては書類審査の評価対象になります。
大学院入試では、筆記試験や面接だけでなく、提出書類をもとに総合的に評価されることがあります。
特に、書類審査がある研究科や、筆記試験よりも研究計画書・志望理由書・面接を重視する入試方式では、志望理由書の内容が重要になります。
そのため、「志望理由書は形式的な書類だから、そこまで力を入れなくてもよい」と考えるのは危険です。
もちろん、すべての大学院で志望理由書だけで合否が決まるわけではありません。
しかし、志望理由書の内容が浅かったり、志望先との接点が曖昧だったりすると、書類審査や面接で不利になる可能性があります。
たとえば、以下のような志望理由書は注意が必要です。
- どの大学院にも使い回せる内容になっている
- 志望研究室の研究内容に触れていない
- 研究テーマが曖昧である
- 将来像と研究内容がつながっていない
- 研究計画書との一貫性がない
こうした志望理由書は、読み手に「本当にこの大学院で研究したいのか」「志望先について十分に調べているのか」という疑問を持たれる可能性があります。
一方で、志望理由書の中で、研究テーマ・志望先との接点・将来像が一貫して書かれていると、書類全体の印象は大きく変わります。
特に外部受験の場合は、大学院側に自分のことを知ってもらう機会が限られています。
そのため、志望理由書は、自分の問題意識や研究への姿勢を伝える貴重な材料になります。
- 志望理由の具体性:
なぜその大学院・研究科・研究室なのかが、具体的に説明されているかが見られます。 - 研究テーマの明確さ:
入学後にどのような研究に取り組みたいのかが、読み手に伝わるかが重要です。 - 出願書類全体の一貫性:
志望理由書、研究計画書、面接で話す内容にズレがないかが確認されます。
3-4. 面接で深掘りされる材料になるため
志望理由書は、面接で深掘りされる材料にもなります。
大学院入試の面接では、事前に提出した志望理由書や研究計画書をもとに質問されることがあります。
そのため、志望理由書に書いた内容は、面接で自分の言葉で説明できるようにしておく必要があります。
たとえば、志望理由書に「貴研究室の〇〇に関する研究に関心を持った」と書いた場合、面接では以下のように質問される可能性があります。
- 〇〇に関心を持ったきっかけは何ですか
- 本研究室のどの研究に興味を持ちましたか
- その研究とあなたの研究テーマはどのようにつながっていますか
- 入学後は具体的にどのような研究をしたいですか
- なぜ他の研究室ではなく、本研究室を志望したのですか
このとき、志望理由書に書いた内容を十分に理解していなかったり、表面的な理由しか用意していなかったりすると、回答に詰まってしまう可能性があります。
反対に、志望理由書を作成する段階で、面接で聞かれそうな質問まで想定しておくと、本番でも落ち着いて答えやすくなります。
志望理由書は、書類として提出するだけでなく、面接で自分の考えを説明するための土台にもなります。
そのため、志望理由書を書くときは、「この内容を面接で聞かれたら、自分の言葉で説明できるか」という視点を持つことが大切です。

リョウジ
志望理由書は、面接官にとって質問の材料になります。書いた内容について「なぜ?」と聞かれても答えられるように、作成段階から面接を意識しておくことが大切です!
3-5. 志望理由書は「研究計画書」と「面接」をつなぐ書類
志望理由書は、研究計画書と面接をつなぐ役割も持っています。
研究計画書では、入学後に取り組みたい研究内容を具体的に示します。
一方で、面接では、その研究計画や志望理由について、自分の言葉で説明する必要があります。
その中間にあるのが、志望理由書です。
志望理由書では、研究計画書で示した研究テーマについて、なぜその研究に取り組みたいのか、なぜその大学院・研究室で研究したいのかを説明します。
つまり、志望理由書がしっかり書けていると、研究計画書の内容にも説得力が生まれ、面接での回答にも一貫性を持たせやすくなります。
反対に、志望理由書が曖昧なままだと、研究計画書や面接回答もバラバラに見えてしまう可能性があります。
大学院入試では、1つの書類だけを見て評価されるわけではありません。
志望理由書、研究計画書、成績、筆記試験、面接などを通じて、総合的に評価されます。
だからこそ、志望理由書では、以下の流れを自然につなげることが重要です。
- これまでの学びや経験
- 研究テーマに関心を持った理由
- 志望先の研究内容との接点
- 入学後に取り組みたい研究
- 修了後の進路や将来像
この流れが一貫していると、読み手に「この受験生は大学院で研究したいことが明確である」と伝わりやすくなります。
- 志望先とのマッチ度を示せる:
自分の研究関心と、志望研究科・研究室の研究内容が合っていることを伝えられます。 - 研究への意欲を伝えられる:
なぜその研究をしたいのか、どのような問題意識を持っているのかを説明できます。 - 書類審査や面接の材料になる:
志望理由書の内容は、書類評価や面接での質問につながる可能性があります。 - 出願書類全体の一貫性を作れる:
研究計画書と面接回答をつなぎ、大学院入試全体の説得力を高めることができます。
このように、志望理由書は大学院入試において非常に重要な書類です。
単に「志望しています」と伝えるだけではなく、研究テーマ、志望先との接点、将来像までを一貫して示すことが求められます。
次の章では、実際に志望理由書を書く前に準備すべきことについて解説していきます。
4. 志望理由書を書く前に準備すべきこと
志望理由書は、いきなり書き始めてもなかなか良い内容にはなりません。
なぜなら、志望理由書では「なぜその大学院・研究科・研究室を志望するのか」を説明する必要があり、そのためには自分の研究テーマや問題意識、志望先の研究内容を事前に整理しておく必要があるからです。
特に大学院入試では、単に「興味があります」「専門性を高めたいです」と書くだけでは不十分です。
自分がこれまで何を学び、どのような研究に関心を持ち、なぜその研究科・研究室で学びたいのかを、筋道立てて説明する必要があります。
そのため、志望理由書を書く前には、以下の準備をしておきましょう。
- 研究計画書の方向性をある程度固める
- これまでの学びや研究経験を振り返る
- 志望研究室・指導教員について調べる
- 自分の関心と研究室の接点を整理する
- 修了後の進路や将来像を考える
- 募集要項や提出形式を確認する
この準備をしてから書き始めることで、志望理由書の内容に一貫性が生まれ、面接でも説明しやすくなります。

リョウジ
志望理由書は、文章力だけで勝負する書類ではありません。書く前の準備ができているかどうかで、内容の説得力が大きく変わります!
4-1. まずは研究計画書の方向性をある程度固める
志望理由書を書く前に、まずは研究計画書の方向性をある程度固めておくことが大切です。
もちろん、研究計画書を完璧に完成させてからでないと志望理由書を書けないわけではありません。
しかし、研究テーマや問題意識が曖昧なまま志望理由書を書き始めると、内容が抽象的になりやすくなります。
たとえば、研究テーマが決まっていない状態で志望理由書を書こうとすると、以下のような表現になりがちです。
- 貴研究科で専門性を高めたいです
- 貴学の充実した研究環境に魅力を感じました
- 幅広い知識を身につけたいと考えています
- 将来に活かせる力を身につけたいです
これらの表現自体が悪いわけではありません。
しかし、これだけでは「なぜその大学院なのか」「なぜその研究室なのか」が伝わりにくくなってしまいます。
一方で、研究計画書の方向性がある程度固まっていれば、志望理由書ではその研究テーマをもとに志望理由を組み立てることができます。
たとえば、以下のような流れです。
「私は〇〇という課題に関心がある」
「この課題について、大学院では△△の観点から研究したい」
「貴研究室では□□に関する研究が行われている」
「そのため、自分の研究関心と貴研究室の研究内容が合致している」
このように、研究計画書の方向性が決まっていると、志望理由書の内容にも具体性が出ます。
志望理由書は、研究計画書で整理した研究テーマや問題意識をもとに、志望先との接点を説明する書類だと考えるとよいでしょう。
- 研究テーマ:
大学院でどのようなテーマを研究したいのかを、ある程度言語化しておきましょう。 - 問題意識:
なぜそのテーマに関心を持ったのか、どのような課題を解決したいのかを整理しておきましょう。 - 研究方法の方向性:
どのような方法やアプローチで研究したいのか、現時点で考えられる範囲で整理しておきましょう。 - 志望研究室との接点:
自分の研究テーマと、志望研究室の研究内容がどのようにつながるのかを確認しておきましょう。
4-2. これまでの学びや研究経験を振り返る
次に、自分がこれまで何を学び、どのようなテーマに関心を持ってきたのかを振り返りましょう。
志望理由書では、いきなり「私は〇〇を研究したいです」と書くだけでは説得力が弱くなりがちです。
なぜその研究テーマに関心を持ったのか、どのような経験や学びが背景にあるのかを説明することで、志望理由に厚みが出ます。
特に、以下のような経験は志望理由につなげやすいです。
- 卒業研究
- ゼミ活動
- 授業で関心を持ったテーマ
- 実験や調査で感じた課題
- 文献を読んで生まれた問題意識
- インターンや実務経験で感じた課題
- 社会問題やニュースを通じて関心を持ったテーマ
たとえば、学部時代の卒業研究を通じて特定の課題に関心を持った場合は、その経験を志望理由書の出発点にできます。
「卒業研究で〇〇を扱う中で、△△という課題が十分に解決されていないことに関心を持った」
「授業で□□について学んだことをきっかけに、より専門的に研究したいと考えるようになった」
このように、過去の経験と研究テーマがつながっていると、志望理由に一貫性が生まれます。
反対に、これまでの学びや経験と関係のないテーマを突然志望理由書に書くと、「なぜその研究をしたいのか」が伝わりにくくなります。
もちろん、学部時代の専攻と大学院での研究テーマが完全に一致していなければならないわけではありません。
ただし、分野を変える場合でも、「なぜその分野に関心を持つようになったのか」を丁寧に説明する必要があります。

リョウジ
志望理由書では、過去の経験と入学後の研究がつながっていることが大切です。「なぜそのテーマにたどり着いたのか」を説明できるように整理しておきましょう!
4-3. 志望研究室・指導教員について調べる
志望理由書を書く前には、志望研究室や指導教員について必ず調べておきましょう。
大学院入試では、「なぜその大学院なのか」だけでなく、「なぜその研究室なのか」「なぜその指導教員のもとで研究したいのか」まで説明できることが重要です。
そのため、最低限以下の情報は確認しておきたいところです。
- 研究室の研究テーマ
- 指導教員の専門分野
- 指導教員の論文や研究業績
- 研究室のプロジェクト
- 過去の修士論文・博士論文のテーマ
- 研究室の使用機材や研究環境
- 大学院のカリキュラムや履修できる科目
特に重要なのは、指導教員の論文や研究室の研究テーマです。
志望理由書で「貴研究室の研究に関心があります」と書いていても、具体的にどの研究に関心を持ったのかが書かれていなければ、説得力は弱くなります。
たとえば、以下のように書けると、志望先について調べていることが伝わりやすくなります。
「〇〇教授の△△に関する研究を拝見し、□□という観点から課題を分析している点に関心を持ちました」
「貴研究室では〇〇を用いた研究が行われており、私が取り組みたい△△というテーマと高い接点があると考えています」
このように、志望研究室の研究内容に触れながら、自分の研究関心と結びつけて書くことが重要です。
志望理由書では、「志望先について調べたうえで、自分の研究テーマと接続できているか」が見られます。
- 研究テーマ:
研究室で現在どのようなテーマが扱われているかを確認しましょう。 - 指導教員の論文:
指導教員がどのような研究を行っているのかを、論文や研究業績から確認しましょう。 - 研究手法:
実験、調査、数理モデル、シミュレーション、フィールドワークなど、どのような方法で研究しているかを確認しましょう。 - 自分のテーマとの接点:
自分が取り組みたい研究テーマと、研究室の研究内容がどのように重なるかを整理しましょう。
4-4. 自分の関心と研究室の接点を整理する
志望研究室について調べたら、次に自分の関心と研究室の接点を整理しましょう。
ここが曖昧なままだと、志望理由書が「研究室紹介の感想文」のようになってしまうことがあります。
たとえば、以下のような書き方です。
「貴研究室では〇〇に関する研究が行われており、大変興味を持ちました」
この文章だけでは、自分の研究関心と研究室の研究内容がどのようにつながっているのかが分かりません。
志望理由書では、研究室の特徴を紹介するだけではなく、自分の問題意識や研究テーマと結びつける必要があります。
たとえば、以下のように整理すると、接点が伝わりやすくなります。
「私は卒業研究を通じて〇〇という課題に関心を持ちました。貴研究室では△△の手法を用いて〇〇に関連する研究が行われており、私が取り組みたい□□というテーマと接点があると考えています」
このように、自分の関心と研究室の研究内容をつなげることで、「なぜその研究室なのか」が明確になります。
接点を整理するときは、以下の観点で考えてみるとよいでしょう。
- 自分の研究テーマと研究室のテーマはどこが重なるか
- 自分が使いたい研究手法と研究室の手法は近いか
- 指導教員の論文と自分の問題意識に接点はあるか
- 研究室の環境が自分の研究にどう役立つか
- その研究室でなければならない理由を説明できるか
志望理由書では、「貴研究室に興味があります」で終わらせるのではなく、自分の研究関心と研究室の研究内容がどのようにつながるのかまで書くことが大切です。

リョウジ
志望理由書では「研究室がすごい」ではなく、「自分の研究テーマと研究室がどう合っているか」を書くことが重要です。研究室の特徴と自分の関心を必ずつなげましょう!
4-5. 修了後の進路や将来像を考える
志望理由書を書く前には、修了後の進路や将来像も考えておきましょう。
大学院進学はゴールではありません。
大学院で学んだことや研究したことを、将来どのように活かしたいのかまで示せると、志望理由書全体に一貫性が出ます。
たとえば、以下のような方向性が考えられます。
- 博士課程に進学して研究を続けたい
- 企業の研究職・開発職に進みたい
- 専門性を活かして特定の業界で働きたい
- 教育・行政・公共政策などの分野で活かしたい
- 社会課題の解決に貢献したい
もちろん、出願時点で将来の進路が完全に決まっていないこともあります。
その場合でも、「大学院でどのような力を身につけたいのか」「修了後にどのような方向へ進みたいのか」をある程度整理しておくことが大切です。
特に志望理由書では、将来像だけを独立して書くのではなく、研究テーマと結びつけて書くことが重要です。
たとえば、以下のような流れです。
「大学院では〇〇に関する研究を深めたい」
「その研究を通じて△△に関する専門性を身につけたい」
「修了後は、その知見を活かして□□分野で課題解決に貢献したい」
このように、研究テーマと将来像がつながっていると、大学院進学の目的がより明確になります。
反対に、「就職に有利だから」「学歴を高めたいから」という理由だけが前面に出てしまうと、大学院で研究する理由としては弱く見えてしまいます。
キャリアについて書く場合も、研究内容や専門性と結びつけて説明するようにしましょう。
- 大学院で身につけたい力:
研究力、専門知識、分析力、実験技術、調査力など、大学院でどのような力を伸ばしたいのかを整理しましょう。 - 修了後の進路:
博士課程、研究職、開発職、専門職、公務員、教育分野など、自分が考えている進路を整理しましょう。 - 研究とのつながり:
大学院で取り組みたい研究が、将来の進路や社会への貢献とどのようにつながるのかを考えましょう。
4-6. 募集要項や提出形式を確認する
志望理由書を書く前には、必ず募集要項や提出形式を確認しましょう。
大学院によって、志望理由書の形式は大きく異なります。
たとえば、以下のような違いがあります。
- 大学指定のフォーマットがある
- 自由形式で提出する
- 字数制限がある
- 手書き指定がある
- PDFで提出する
- 出願システムに直接入力する
- 研究計画書と一体型になっている
指定フォーマットがあるにもかかわらず、自由形式で作成してしまうと、内容以前に提出書類として不備になる可能性があります。
また、字数制限がある場合は、その範囲内で必要な内容を整理しなければなりません。
たとえば、400字程度であれば、志望理由と研究テーマの概要を簡潔にまとめる必要があります。
一方で、1000字以上書ける場合は、志望に至った背景や研究室との接点、修了後の将来像まで比較的詳しく書くことができます。
志望理由書は、内容だけでなく形式面も重要です。
提出前に慌てないためにも、早い段階で募集要項を確認し、以下の項目をチェックしておきましょう。
- 志望理由書の提出が必要か
- 指定フォーマットがあるか
- 字数制限・枚数制限があるか
- 手書きかPC作成か
- 提出形式は紙かPDFか
- 提出期限はいつか
- 研究計画書との関係はどうなっているか
特に複数の大学院を受験する場合は、大学院ごとに書類の形式が異なることがあります。
そのため、志望理由書を使い回すのではなく、各大学院の指定に合わせて作成する必要があります。

リョウジ
志望理由書は内容も大切ですが、募集要項に沿って作成できているかも重要です。字数・形式・提出方法は、必ず早めに確認しておきましょう!
4-7. 書く前に全体の流れをメモしておく
ここまで準備できたら、いきなり本文を書き始めるのではなく、まずは志望理由書全体の流れをメモしておきましょう。
志望理由書では、限られた字数の中で、自分の問題意識、志望理由、研究テーマ、将来像を伝える必要があります。
そのため、思いついた順番で書いてしまうと、話の流れが分かりにくくなったり、重要な内容が抜けたりすることがあります。
書く前には、以下のような流れで整理しておくと書きやすくなります。
- 自分は何を研究したいのか
- なぜそのテーマに関心を持ったのか
- なぜ大学院で研究する必要があるのか
- なぜその研究科・研究室なのか
- 入学後にどのような研究をしたいのか
- 修了後にどのように活かしたいのか
この流れを先に整理しておくことで、志望理由書の文章にまとまりが出ます。
特に、研究計画書の方向性が決まっている場合は、その内容をもとに「なぜその研究をしたいのか」「なぜその研究室で取り組みたいのか」を組み立てていくとよいでしょう。
志望理由書は、思いをそのまま書く書類ではありません。
自分の経験、研究テーマ、志望先、将来像を1つの流れとして整理して伝える書類です。
- 研究計画書の方向性を固める:
研究テーマや問題意識が曖昧なままだと、志望理由書も抽象的になりやすくなります。 - 過去の学びを振り返る:
卒業研究、ゼミ、授業、実験、調査などを振り返り、研究テーマに関心を持った背景を整理しましょう。 - 志望研究室を調べる:
指導教員の論文や研究室のテーマを確認し、自分の研究関心との接点を探しましょう。 - 将来像を考える:
大学院での研究を、修了後の進路やキャリアにどのようにつなげたいのか整理しましょう。 - 募集要項を確認する:
字数、形式、提出方法、指定フォーマットの有無を必ず確認しましょう。
志望理由書は、書き始める前の準備がとても重要です。
研究計画書の方向性を固め、自分の学びや研究経験を振り返り、志望研究室との接点を整理しておくことで、志望理由書の説得力は大きく高まります。
次の章では、実際に志望理由書に書くべき内容について、より具体的に解説していきます。
5. 志望理由書に書くべき内容
志望理由書を書く前の準備ができたら、次は実際にどのような内容を盛り込むべきかを整理していきましょう。
志望理由書では、単に「貴学を志望します」と書くだけでは不十分です。
大学院側に対して、自分がなぜ大学院に進学したいのか、なぜその研究科・専攻・研究室を選んだのか、入学後に何を研究したいのかを伝える必要があります。
特に重要なのは、「大学院進学の理由」「志望先を選んだ理由」「入学後に取り組みたい研究内容」を一貫して書くことです。
志望理由書に盛り込むべき内容は、主に以下の5つです。
- 大学院進学を志望する理由
- 研究科・専攻を志望する理由
- 研究室・指導教員を志望する理由
- 入学後に取り組みたい研究
- 修了後の進路・将来像
それぞれ詳しく見ていきましょう。

リョウジ
志望理由書では、思いついたことを順番に書くのではなく、「なぜ大学院なのか」「なぜその研究室なのか」「入学後に何をしたいのか」を整理して書くことが大切です!
5-1. 大学院進学を志望する理由
まず書くべきなのは、なぜ大学院に進学したいのかという理由です。
大学院は、学部の延長でなんとなく進学する場所ではありません。
自分の研究テーマを持ち、より専門的に学び、研究を深める場所です。
そのため、志望理由書では「なぜ学部卒業後すぐに就職するのではなく、大学院へ進学したいのか」を説明する必要があります。
たとえば、以下のような観点から整理できます。
- 学部時代の学びをさらに深めたい
- 卒業研究で扱ったテーマを発展させたい
- 特定の社会課題や技術課題について研究したい
- 専門性を高め、将来の進路に活かしたい
- 研究職・開発職・専門職を目指すために必要な力を身につけたい
ただし、「専門性を高めたい」「もっと学びたい」といった表現だけでは、やや抽象的です。
大切なのは、何の専門性を、なぜ高めたいのかまで書くことです。
たとえば、以下のように具体化すると、大学院進学の目的が伝わりやすくなります。
抽象的な例:
私は、大学院で専門性を高めたいと考えています。
具体的な例:
私は、学部時代の卒業研究を通じて〇〇という課題に関心を持ちました。特に、△△の観点からこの課題を分析することで、□□の改善に貢献できる可能性があると考えています。そのため、大学院では〇〇分野の知識と研究手法をさらに深めたいと考えています。
このように、自分の経験や問題意識と結びつけることで、大学院進学の理由に説得力が生まれます。
大学院進学の理由を書くときは、「もっと学びたい」ではなく、「何を、なぜ、どのように深めたいのか」まで整理することが大切です。
- 学部時代の経験とつなげる:
卒業研究、ゼミ、授業、実験、調査などをきっかけに、なぜ大学院で学びたいと考えたのかを説明しましょう。 - 研究テーマとつなげる:
大学院で深めたいテーマや問題意識と、進学理由が自然につながっているかを確認しましょう。 - 将来像とつなげる:
大学院で身につけたい専門性が、修了後の進路やキャリアにどう活きるのかを示しましょう。
5-2. 研究科・専攻を志望する理由
次に、なぜその研究科・専攻を志望するのかを書きます。
大学院入試では、「大学院に進学したい理由」だけでなく、「なぜその研究科・専攻なのか」まで説明する必要があります。
たとえば、同じ情報系の研究をしたい場合でも、情報理工学系研究科、工学系研究科、学際情報学府、システム情報工学研究群など、研究科や専攻によって教育方針や研究領域は異なります。
そのため、志望理由書では、志望する研究科・専攻の特徴と、自分の研究関心がどのように合っているのかを示すことが重要です。
研究科・専攻を志望する理由としては、以下のような観点が考えられます。
- 自分の研究テーマと近い分野を扱っている
- 関連する授業やカリキュラムがある
- 複数の研究室が近いテーマを扱っている
- 学際的な研究環境がある
- 産学連携や共同研究が盛んである
- 自分が身につけたい専門性と教育方針が合っている
ここで注意したいのは、「有名だから」「レベルが高いから」「就職に強そうだから」だけで終わらせないことです。
もちろん、大学院の知名度や進路実績も志望理由の一部にはなり得ます。
しかし、それだけでは研究科・専攻を志望する理由としては弱くなりがちです。
志望理由書では、研究科・専攻の特徴を、自分の研究テーマや将来像と結びつけて書きましょう。
たとえば、以下のような形です。
「貴研究科では、〇〇分野に関する専門科目が体系的に設けられており、私が取り組みたい△△に関する研究を進めるうえで必要な知識を深められると考えています」
「貴専攻では、□□を横断的に扱う研究が行われており、私が関心を持つ〇〇という課題を多角的に検討できる環境があると考え、志望いたしました」
このように書くことで、「なぜその研究科・専攻なのか」が伝わりやすくなります。

リョウジ
「有名だから」「就職に強そうだから」だけでは、大学院入試の志望理由としては弱くなりやすいです。研究科・専攻の特徴と、自分の研究テーマを必ずつなげて書きましょう!
5-3. 研究室・指導教員を志望する理由
大学院入試の志望理由書では、研究室や指導教員を志望する理由も非常に重要です。
大学院では、多くの場合、指導教員のもとで研究を進めることになります。
そのため、大学院側は「この受験生は、志望研究室の研究内容を理解しているか」「指導教員の専門分野と研究テーマが合っているか」を確認します。
志望理由書では、以下のような観点を入れるとよいでしょう。
- 指導教員の研究内容に関心を持った理由
- 指導教員の論文や研究業績との接点
- 研究室で扱われているテーマと自分の研究関心の関係
- 研究室の研究手法やアプローチに惹かれた理由
- その研究室でなければならない理由
たとえば、以下のような書き方が考えられます。
「〇〇教授の△△に関する研究を拝見し、□□という観点から課題を分析されている点に関心を持ちました。私自身も、卒業研究を通じて〇〇に関心を持っており、貴研究室であれば、自分の問題意識をより発展させられると考えています」
このように、指導教員の研究内容と自分の問題意識をつなげることで、志望理由に具体性が出ます。
一方で、以下のような書き方は注意が必要です。
- 貴研究室の研究に興味があります
- 〇〇教授のもとで学びたいです
- 研究環境が整っているため志望しました
これらの表現だけでは、なぜその研究室なのかが十分に伝わりません。
志望理由書では、研究室の特徴を紹介するだけではなく、自分の研究テーマとどう接続するのかを書くことが大切です。
- 研究内容への理解:
志望研究室でどのような研究が行われているのかを理解したうえで、自分の関心と結びつけて書きましょう。 - 指導教員との接点:
指導教員の論文や研究業績に触れながら、なぜその先生のもとで研究したいのかを説明しましょう。 - 自分の研究テーマとの関係:
自分が取り組みたい研究テーマと、研究室の研究内容・手法・環境がどのように合っているのかを示しましょう。
5-4. 入学後に取り組みたい研究
志望理由書では、入学後に取り組みたい研究内容も書く必要があります。
ただし、研究内容については、研究計画書ほど細かく書く必要はありません。
志望理由書では、入学後にどのような方向性で研究したいのかが伝わる程度で十分です。
具体的には、以下のような内容を整理しましょう。
- どのようなテーマに取り組みたいのか
- なぜそのテーマに関心があるのか
- どのような課題を明らかにしたいのか
- どのような観点から研究したいのか
- 志望研究室の研究内容とどうつながるのか
たとえば、以下のような流れで書くと整理しやすくなります。
「私は、〇〇における△△の課題に関心があります」
「この課題は、□□という観点から十分に検討されていないと考えています」
「大学院では、貴研究室の〇〇に関する知見を学びながら、△△について研究したいと考えています」
このように、入学後に取り組みたい研究を書くことで、大学院側に「入学後の方向性がある程度明確である」と伝えることができます。
一方で、研究内容があまりにも曖昧だと、志望理由書全体の説得力が弱くなってしまいます。
たとえば、以下のような表現だけでは不十分です。
- AIについて研究したいです
- 環境問題に関心があります
- 心理学を深く学びたいです
- 経済について研究したいです
これらのテーマは広すぎるため、何を研究したいのかが伝わりにくくなります。
志望理由書では、テーマを広く書きすぎるのではなく、できるだけ自分の問題意識に沿って具体化することが大切です。
たとえば、「AIについて研究したい」ではなく、「生成AIを活用した学習支援が、大学受験生の学習効率に与える影響を研究したい」と書くと、研究内容が具体的になります。
このように、研究テーマは広すぎず、志望先との接点が分かる範囲まで具体化することが重要です。

リョウジ
志望理由書では、研究計画書ほど細かく書く必要はありません。ただし、「何を研究したいのか」がまったく分からない状態は避けましょう。研究テーマの方向性は必ず入れるのがおすすめです!
5-5. 修了後の進路・将来像
志望理由書には、修了後の進路や将来像も入れられるとよいです。
大学院進学は、入学すること自体がゴールではありません。
大学院で得た知識や研究経験を、将来どのように活かしたいのかまで示すことで、進学の目的がより明確になります。
修了後の進路としては、以下のような方向性が考えられます。
- 博士課程に進学して研究を続けたい
- 企業の研究職・開発職に進みたい
- 専門性を活かして特定の業界で働きたい
- 教育・行政・公共政策などの分野で活かしたい
- 社会課題の解決に貢献したい
ただし、将来像を書くときも、研究内容とのつながりを意識することが大切です。
たとえば、「将来は社会に貢献したいです」だけでは抽象的です。
どのような分野で、どのような知識や研究経験を活かして貢献したいのかまで書くと、説得力が増します。
たとえば、以下のような形です。
「大学院では〇〇に関する研究を通じて、△△に関する専門性を深めたいと考えています。修了後は、その知見を活かし、□□分野における課題解決に貢献したいです」
このように、研究テーマと将来像がつながっていると、志望理由書全体に一貫性が出ます。
一方で、キャリアだけが前面に出すぎると、大学院で研究する理由としては弱く見えてしまうことがあります。
たとえば、「就職に有利だから大学院に進学したい」「学歴を高めたい」といった理由だけでは、研究への意欲が伝わりにくくなります。
もちろん、将来のキャリアを考えて大学院進学を選ぶこと自体は自然なことです。
ただし、志望理由書では、そのキャリアに向けて、なぜ大学院で研究する必要があるのかを説明することが重要です。
- 研究内容とつなげる:
大学院で取り組みたい研究が、修了後の進路やキャリアにどのようにつながるのかを説明しましょう。 - 抽象的にしすぎない:
「社会に貢献したい」だけで終わらせず、どの分野で、どのように貢献したいのかを具体化しましょう。 - 研究への意欲を弱めない:
就職やキャリアの話だけが前面に出すぎると、研究意欲が弱く見える場合があります。研究内容とセットで書きましょう。
5-6. 志望理由書に入れる内容の優先順位
ここまで、志望理由書に書くべき内容を整理してきました。
ただし、実際の志望理由書では、字数制限があることも多いです。
そのため、すべての内容を同じ分量で書こうとすると、かえって焦点がぼやけてしまうことがあります。
志望理由書に入れる内容には、優先順位があります。
基本的には、以下の順番で重視するとよいでしょう。
- 研究室・指導教員を志望する理由
- 入学後に取り組みたい研究
- 研究科・専攻を志望する理由
- 大学院進学を志望する理由
- 修了後の進路・将来像
特に大学院入試では、研究室とのマッチ度が重要になります。
そのため、字数が限られている場合は、「大学院に進学したい理由」や「将来像」に多くの字数を使いすぎるよりも、志望研究室との接点や入学後に取り組みたい研究内容を優先して書くのがおすすめです。
たとえば、400字程度の短い志望理由書であれば、以下のように絞るとよいでしょう。
- 自分が研究したいテーマ
- そのテーマに関心を持った理由
- 志望研究室との接点
- 入学後に取り組みたいこと
一方で、800字〜1200字程度書ける場合は、大学院進学の理由や修了後の将来像まで含めると、より一貫した文章になります。
志望理由書では、字数に応じて内容の濃淡を調整することが大切です。

リョウジ
字数が少ない場合は、すべてを書こうとしないことも大切です。特に「研究室との接点」と「入学後に取り組みたい研究」は優先して入れるようにしましょう!
5-7. 内容を盛り込みすぎると逆に伝わりにくくなる
志望理由書では、必要な内容を入れることが大切ですが、盛り込みすぎにも注意が必要です。
たとえば、以下のような内容をすべて詳しく書こうとすると、文章全体が散らかってしまうことがあります。
- 大学院進学を考えたきっかけ
- 学部時代の授業
- 卒業研究の内容
- 志望研究室の研究内容
- 指導教員の論文
- 入学後にやりたい研究
- 修了後の進路
- 将来の夢
もちろん、これらはどれも重要な要素です。
しかし、限られた字数の中ですべてを詳しく書こうとすると、1つひとつの内容が浅くなり、結局何を伝えたいのかが分かりにくくなってしまいます。
志望理由書では、「何を一番伝えたいのか」を決めたうえで、必要な内容を取捨選択することが重要です。
特に、研究計画書を別で提出する場合は、研究方法や先行研究の詳細は研究計画書に任せ、志望理由書では「なぜその研究をしたいのか」「なぜその研究室なのか」を中心に書くとよいでしょう。
- 大学院進学を志望する理由:
なぜ大学院で学び、研究したいのかを、自分の経験や問題意識と結びつけて説明しましょう。 - 研究科・専攻を志望する理由:
志望する研究科・専攻の特徴と、自分の研究テーマや将来像がどう合っているのかを示しましょう。 - 研究室・指導教員を志望する理由:
指導教員の研究内容や研究室の特色に触れながら、自分の関心との接点を説明しましょう。 - 入学後に取り組みたい研究:
研究計画書ほど詳しく書く必要はありませんが、研究テーマの方向性は明確にしましょう。 - 修了後の進路・将来像:
大学院での研究や専門性を、修了後にどのように活かしたいのかを示しましょう。
志望理由書に書くべき内容は多くありますが、すべてを並べるだけでは良い文章にはなりません。
重要なのは、大学院進学の理由、志望先を選んだ理由、入学後に取り組みたい研究、修了後の将来像が自然につながっていることです。
次の章では、これらの内容をどのような順番で書けばよいのか、志望理由書の基本構成について解説していきます。
6. 志望理由書の基本構成
志望理由書に書くべき内容が整理できたら、次はそれらをどのような順番で書くかを考えます。
志望理由書では、書く内容そのものも大切ですが、文章の流れも非常に重要です。
同じ内容でも、順番が整理されていないと、読み手に伝わりにくくなってしまいます。
特に大学院入試では、限られた字数の中で、自分の問題意識、志望理由、研究内容、将来像を伝える必要があります。
そのため、志望理由書は思いついた順番で書くのではなく、「結論 → 背景 → 志望理由 → 研究内容 → 将来像」の流れで整理すると書きやすくなります。

リョウジ
志望理由書は、内容を詰め込むだけでは読みにくくなります。読み手が理解しやすい順番で、自然な流れを作ることが大切です!
6-1. 志望理由書は結論ファーストで書く
志望理由書では、最初に結論を書くのがおすすめです。
つまり、文章の冒頭で「自分は何を研究したいのか」「なぜその大学院・研究科・研究室を志望するのか」を簡潔に示します。
たとえば、以下のような書き出しです。
「私は、〇〇に関する研究を深めたいと考え、貴研究科を志望いたしました。」
「私は、△△という課題に関心を持ち、貴研究室で□□に関する研究に取り組みたいと考えております。」
このように、冒頭で志望理由の核を示すことで、読み手はその後の文章を理解しやすくなります。
反対に、最初から長い経験談を書き始めてしまうと、読み手は「結局、何を伝えたいのか」が分かりにくくなります。
志望理由書では、まず結論を示し、その後に背景や理由を説明する流れが基本です。
特に大学院入試の書類では、読み手である教員や入試担当者が多くの書類に目を通す可能性があります。
そのため、冒頭で要点が伝わる文章にすることが大切です。
- 研究テーマから入る:
「私は、〇〇に関する研究を深めたいと考え、貴研究科を志望いたしました。」 - 問題意識から入る:
「私は、△△という社会課題に関心を持ち、その解決に向けて〇〇分野の研究に取り組みたいと考えております。」 - 志望研究室との接点から入る:
「私は、〇〇教授の□□に関する研究に強い関心を持ち、貴研究室で△△について研究したいと考え、志望いたしました。」
6-2. 基本構成は5つの流れで考える
志望理由書は、以下の5つの流れで構成すると整理しやすくなります。
- 結論:何を研究したいのか、なぜ志望するのか
- 背景:なぜそのテーマに関心を持ったのか
- 志望理由:なぜその研究科・研究室なのか
- 研究内容:入学後にどのような研究に取り組みたいのか
- 将来像:修了後に研究や専門性をどう活かしたいのか
この流れで書くと、文章全体に一貫性が生まれやすくなります。
たとえば、以下のような構成です。
1. 結論
私は、〇〇に関する研究を深めたいと考え、貴研究科を志望いたしました。
2. 背景
学部時代の卒業研究を通じて、△△という課題に関心を持つようになりました。
3. 志望理由
貴研究室では□□に関する研究が行われており、私の研究関心と高い接点があると考えています。
4. 研究内容
入学後は、〇〇の観点から△△について研究したいと考えています。
5. 将来像
修了後は、大学院で得た専門性を活かし、□□分野で課題解決に貢献したいです。
このように、「過去の経験」から「入学後の研究」、そして「将来像」へと自然につなげることで、読み手に伝わりやすい志望理由書になります。
重要なのは、それぞれの要素をバラバラに書かないことです。
たとえば、大学院進学の理由、研究室を志望する理由、将来像がそれぞれ独立していると、文章全体のまとまりが弱くなります。
志望理由書では、「過去の経験 → 問題意識 → 志望先との接点 → 入学後の研究 → 将来像」が一つの流れとしてつながるように意識しましょう。

リョウジ
志望理由書では「何を書くか」だけでなく、「どの順番で書くか」も重要です。過去・現在・未来が自然につながるように構成しましょう!
6-3. 400字程度の場合の構成
志望理由書の字数が400字程度の場合は、すべてを詳しく書くことはできません。
そのため、内容を絞る必要があります。
400字程度であれば、以下の4つを中心に書くのがおすすめです。
- 研究したいテーマ
- そのテーマに関心を持った理由
- 志望研究室との接点
- 入学後に取り組みたいこと
将来像まで詳しく書こうとすると、肝心の志望理由や研究内容が薄くなってしまう可能性があります。
そのため、短い志望理由書では、まず「何を研究したいのか」「なぜその研究室なのか」を優先しましょう。
400字程度の構成例は、以下の通りです。
構成例:
1文目:研究したいテーマと志望理由
2〜3文目:テーマに関心を持った背景
4〜5文目:志望研究室との接点
最後:入学後に取り組みたいこと
400字程度では、抽象的な表現を多く入れる余裕はありません。
「専門性を高めたい」「幅広く学びたい」といった表現だけで字数を使うのではなく、自分の研究テーマと志望先との関係を優先して書きましょう。
- 研究テーマ:
入学後に何を研究したいのかを簡潔に示しましょう。 - 関心を持った理由:
なぜそのテーマに関心を持ったのかを、学部時代の経験や問題意識と結びつけて書きましょう。 - 志望研究室との接点:
自分の研究テーマと、志望研究室の研究内容がどのように合っているのかを示しましょう。
6-4. 800字程度の場合の構成
800字程度の志望理由書であれば、研究テーマや志望研究室との接点に加えて、志望に至った背景や将来像もある程度書くことができます。
800字程度では、以下のような構成がおすすめです。
- 冒頭で研究テーマと志望理由を示す
- 学部時代の学びや研究経験を説明する
- その経験から生まれた問題意識を書く
- 志望研究室・指導教員との接点を書く
- 入学後に取り組みたい研究を説明する
- 修了後の進路や将来像に触れる
800字程度になると、単に「志望理由」だけでなく、志望に至った経緯も書きやすくなります。
たとえば、卒業研究やゼミでの経験から問題意識が生まれ、その問題意識を深めるために志望研究室を選んだ、という流れで書くと自然です。
ただし、注意したいのは、経験談を書きすぎないことです。
志望理由書では、過去の経験を書くことも大切ですが、経験談が長くなりすぎると、入学後に何をしたいのかがぼやけてしまいます。
そのため、経験談はあくまで研究テーマに関心を持った背景として書き、最終的には志望先との接点や入学後の研究につなげましょう。
800字程度では、「過去の経験」と「入学後の研究」のバランスを意識することが重要です。

リョウジ
800字程度になると、背景や将来像も書きやすくなります。ただし、過去の経験談だけで終わらないように、必ず入学後の研究につなげましょう!
6-5. 1200字以上の場合の構成
1200字以上の志望理由書では、より詳しく自分の問題意識や志望先との接点を説明できます。
ただし、字数が多いからといって、思いついたことをすべて書けばよいわけではありません。
1200字以上の場合でも、基本の流れは変わりません。
- 結論
- 志望に至った背景
- 研究テーマに関心を持った理由
- 志望研究科・研究室を選んだ理由
- 入学後に取り組みたい研究
- 修了後の進路・将来像
字数に余裕がある場合は、以下のような内容を少し詳しく書くとよいでしょう。
- 卒業研究やゼミでの具体的な経験
- 研究テーマに関心を持った経緯
- 指導教員の研究内容や論文との接点
- 志望研究室の研究手法や環境への理解
- 将来のキャリアとのつながり
たとえば、指導教員の論文に触れる場合は、単に「〇〇教授の研究に関心があります」と書くのではなく、どの点に関心を持ったのか、自分の研究テーマとどのように関係するのかを説明するとよいです。
また、将来像についても、抽象的に「社会に貢献したい」と書くだけではなく、どの分野で、どのように専門性を活かしたいのかまで書けると説得力が増します。
一方で、1200字以上ある場合に注意したいのは、文章が冗長になることです。
字数が多いと、同じ内容を何度も繰り返したり、志望理由と直接関係のない経験まで書いたりしてしまうことがあります。
長い志望理由書ほど、段落ごとの役割を明確にすることが大切です。
- 具体性を高める:
卒業研究、指導教員の論文、志望研究室の研究内容などに触れながら、志望理由に説得力を持たせましょう。 - 段落ごとの役割を明確にする:
背景、志望理由、研究内容、将来像が混ざらないように、段落ごとに書く内容を整理しましょう。 - 冗長な表現を避ける:
字数が多い場合でも、同じ内容の繰り返しや、志望理由と関係の薄い経験談は削りましょう。
6-6. 字数に関係なく大切な構成の考え方
志望理由書の字数は大学院によって異なりますが、どの字数でも大切な考え方は共通しています。
それは、文章全体に一貫性を持たせることです。
志望理由書では、以下の流れが自然につながっている必要があります。
- これまでの学びや経験
- 研究テーマに関心を持った理由
- 志望研究科・研究室を選んだ理由
- 入学後に取り組みたい研究
- 修了後の進路や将来像
この流れがバラバラになっていると、読み手は「なぜこの大学院を志望しているのか」「入学後に何をしたいのか」を理解しづらくなります。
たとえば、冒頭ではAIに関心があると書いているのに、志望研究室の説明ではまったく別の分野に触れていたり、将来像が研究内容とつながっていなかったりすると、一貫性が弱くなります。
志望理由書を書くときは、常に以下の問いを確認しましょう。
- この研究テーマを選んだ理由は明確か
- その研究テーマと志望研究室はつながっているか
- 志望理由と研究計画書の方向性はズレていないか
- 将来像と大学院での研究内容はつながっているか
- 面接で深掘りされても説明できるか
志望理由書は、きれいな文章を書くことだけが目的ではありません。
自分の研究への関心と、志望先で学ぶ必然性を伝えることが目的です。

リョウジ
字数が短くても長くても、重要なのは一貫性です。「なぜその研究をしたいのか」「なぜその研究室なのか」が自然につながっているか確認しましょう!
6-7. 構成を決めてから本文を書き始める
志望理由書を書くときは、いきなり本文を書き始めるのではなく、先に構成を決めておきましょう。
構成を決めずに書き始めると、途中で話が広がりすぎたり、同じ内容を繰り返したり、重要な要素が抜けたりすることがあります。
まずは、以下のようにメモを作るだけでも構いません。
- 冒頭:〇〇について研究したい
- 背景:卒業研究で△△に関心を持った
- 志望理由:貴研究室の□□研究と接点がある
- 研究内容:入学後は〇〇を△△の観点から研究したい
- 将来像:修了後は□□分野で専門性を活かしたい
このように、各段落で何を書くかを決めてから本文にすると、文章の流れが整いやすくなります。
また、構成を先に決めることで、字数配分もしやすくなります。
たとえば、800字の志望理由書であれば、以下のように配分できます。
- 冒頭の結論:100字
- 志望に至った背景:200字
- 志望研究室との接点:250字
- 入学後の研究内容:150字
- 将来像:100字
もちろん、実際の字数配分は志望先や内容によって変わります。
ただし、最初に大まかな配分を決めておくと、特定の内容だけが長くなりすぎるのを防げます。
- 結論から書く:
冒頭で、何を研究したいのか、なぜ志望するのかを簡潔に示しましょう。 - 背景を説明する:
なぜその研究テーマに関心を持ったのかを、学部時代の経験や問題意識と結びつけて書きましょう。 - 志望先との接点を書く:
自分の研究テーマと、志望研究科・研究室の研究内容がどのように合っているのかを示しましょう。 - 入学後の研究を書く:
研究計画書ほど詳しくなくてもよいので、入学後に取り組みたい研究の方向性を示しましょう。 - 将来像につなげる:
大学院での研究や専門性を、修了後にどのように活かしたいのかを書きましょう。
志望理由書は、構成を整えてから書くことで、内容が伝わりやすくなります。
特に、結論、背景、志望理由、研究内容、将来像の流れを意識すると、文章全体にまとまりが出ます。
次の章では、評価される志望理由書を書くための具体的なポイントについて解説していきます。
7. 評価される志望理由書の書き方
志望理由書の基本構成を理解したら、次は「どのように書けば評価されやすいのか」を押さえていきましょう。
志望理由書は、単に必要な内容を並べればよい書類ではありません。
同じ内容でも、書き方によって読み手への伝わり方は大きく変わります。
大学院入試で評価される志望理由書に共通しているのは、研究テーマ、志望理由、将来像に一貫性があり、読み手に分かりやすく伝わることです。
ここでは、評価される志望理由書を書くために意識したいポイントを解説します。
- 結論ファーストで書く
- 「なぜその大学院なのか」を具体的に書く
- 経験・問題意識・研究テーマをつなげる
- 専門外の人にも伝わる文章にする
- 抽象的な表現を避ける
- 研究への熱意と論理性のバランスを取る
- 面接で説明できる内容にする

リョウジ
志望理由書では、内容だけでなく「伝え方」も重要です。読み手がスムーズに理解できるように、結論・理由・具体例の流れを意識しましょう!
7-1. 結論ファーストで書く
志望理由書では、まず結論から書くことが大切です。
結論ファーストとは、最初に「自分は何を研究したいのか」「なぜその大学院・研究科・研究室を志望するのか」を示す書き方です。
たとえば、以下のような書き出しです。
例:
私は、〇〇に関する研究を深めたいと考え、貴研究科を志望いたしました。
例:
私は、△△という課題に関心を持ち、貴研究室で□□に関する研究に取り組みたいと考えております。
このように、冒頭で志望理由の核を示すことで、読み手はその後の文章を理解しやすくなります。
反対に、最初から長い経験談を書き始めてしまうと、読み手は「結局、何を伝えたいのか」が分かりにくくなります。
たとえば、以下のような文章です。
改善前:
私は学部時代に〇〇の授業を履修し、そこで△△について学びました。その後、卒業研究では□□を扱い、さまざまな文献を読む中で〇〇に関心を持つようになりました。そのため、貴研究科を志望しました。
この文章は、内容自体が悪いわけではありません。
しかし、結論が最後に来ているため、読み手にとっては最初に何を伝えたいのかが分かりにくくなります。
以下のように書き換えると、伝わりやすくなります。
改善後:
私は、〇〇に関する研究を深めたいと考え、貴研究科を志望いたしました。学部時代に△△を学び、卒業研究で□□を扱う中で、〇〇という課題に関心を持つようになったためです。
このように、最初に結論を示し、その後に理由や背景を説明すると、文章全体の流れが分かりやすくなります。
志望理由書では、「私は何を研究したいのか」「なぜ志望するのか」を冒頭で明確にすることを意識しましょう。
- 冒頭で研究テーマを示す:
自分が大学院で何を研究したいのかを、最初に簡潔に書きましょう。 - 志望理由の核を先に出す:
なぜその研究科・研究室を志望するのかを、文章の前半で示しましょう。 - 理由や背景は後から説明する:
経験談や問題意識は、結論を示した後に補足すると読みやすくなります。
7-2. 「なぜその大学院なのか」を具体的に書く
評価される志望理由書では、「なぜその大学院・研究科・研究室なのか」が具体的に書かれています。
大学院入試では、単に「大学院に進学したい」という理由だけでは不十分です。
多くの大学院がある中で、なぜその研究科・専攻・研究室を選んだのかを説明する必要があります。
たとえば、以下のような表現だけでは、志望理由としては弱くなりがちです。
- 貴学の教育環境に魅力を感じました
- 貴研究科で専門性を高めたいです
- 優れた先生方のもとで学びたいです
- 研究設備が整っているため志望しました
これらは一見すると丁寧な表現ですが、どの大学院にも当てはまってしまいます。
志望理由書では、志望先の特徴を具体的に挙げたうえで、自分の研究関心と結びつけることが重要です。
たとえば、以下のように書くと説得力が増します。
改善例:
貴研究室では、〇〇を用いた△△に関する研究が行われており、私が卒業研究で関心を持った□□という課題と高い接点があると考えています。特に、〇〇教授の△△に関する研究は、私が今後取り組みたい□□の分析において重要な示唆を与えるものだと考え、志望いたしました。
このように書くことで、志望先について調べたうえで、自分の研究テーマと接続できていることが伝わります。
「なぜその大学院なのか」を書くときは、以下の観点を意識しましょう。
- 志望研究室の研究テーマ
- 指導教員の論文や研究業績
- 研究科・専攻のカリキュラム
- 研究設備や研究環境
- 自分の研究テーマとの接点
大切なのは、志望先の特徴をただ褒めることではありません。
志望先の特徴が、自分の研究テーマや将来像にどう必要なのかを説明することです。

リョウジ
「貴学に魅力を感じました」だけでは、志望理由として弱くなりやすいです。どの研究・どの先生・どの環境に惹かれたのかまで具体的に書きましょう!
7-3. 経験・問題意識・研究テーマをつなげる
評価される志望理由書では、過去の経験、問題意識、入学後の研究テーマが自然につながっています。
志望理由書でよくある失敗の1つが、経験談と研究テーマがつながっていないことです。
たとえば、以下のような文章です。
例:
私は学部時代にサークル活動に力を入れてきました。その経験を通じて粘り強く努力する力を身につけました。大学院ではAIについて研究したいです。
この文章では、サークル活動の経験とAI研究がどのようにつながるのかが分かりません。
もちろん、大学院入試でも人柄や努力できる姿勢は大切です。
しかし、志望理由書では、自己PRよりも研究テーマとの接続が重要になります。
そのため、経験を書く場合は、研究への関心や問題意識につながる経験を選びましょう。
たとえば、以下のような流れです。
例:
私は、学部時代の卒業研究で〇〇を扱う中で、△△という課題が十分に検討されていないことに関心を持ちました。この経験から、大学院では□□の観点から〇〇についてさらに研究したいと考えるようになりました。
このように、過去の経験から問題意識が生まれ、その問題意識が入学後の研究テーマにつながっていると、志望理由に説得力が出ます。
志望理由書では、以下の流れを意識すると書きやすくなります。
- 過去の経験
- その経験から得た気づき
- 生まれた問題意識
- 大学院で深めたい研究テーマ
- 志望先との接点
この流れが自然であればあるほど、読み手に「この受験生は研究したい理由が明確である」と伝わりやすくなります。
- 経験:
卒業研究、ゼミ、授業、実験、調査、実務経験など、研究テーマに関心を持つきっかけになった経験を書きます。 - 気づき:
その経験を通じて、どのような課題や疑問に気づいたのかを説明します。 - 問題意識:
なぜその課題をさらに研究したいと考えたのかを整理します。 - 研究テーマ:
大学院でどのようなテーマとして深めたいのかを示します。 - 志望先との接点:
その研究テーマを、なぜ志望研究科・研究室で取り組みたいのかを説明します。
7-4. 専門外の人にも伝わる文章にする
志望理由書を書くときは、専門外の人にも伝わる文章を意識しましょう。
大学院入試では、志望研究室の教員だけでなく、専攻内の別分野の教員や入試担当者が書類に目を通す可能性があります。
そのため、専門用語を多く使いすぎると、内容が伝わりにくくなることがあります。
もちろん、研究テーマを説明するうえで専門用語が必要になることもあります。
ただし、専門用語を使う場合は、読み手が理解しやすいように簡単な説明を添えることが大切です。
たとえば、以下のような文章は専門外の人には伝わりにくい場合があります。
分かりにくい例:
私は、深層学習を用いたマルチモーダル特徴量抽出に基づく分類精度向上に関心があります。
この文章は専門的ではありますが、読み手によっては、具体的に何を研究したいのかが分かりにくくなります。
以下のように補足すると、伝わりやすくなります。
改善例:
私は、画像や文章など複数の情報を組み合わせて分析する技術に関心があります。特に、深層学習を用いて異なる種類のデータから特徴を抽出し、分類精度を高める方法について研究したいと考えています。
このように、専門性を保ちながらも、読み手に伝わる表現にすることが大切です。
志望理由書では、難しい言葉を使うこと自体が評価されるわけではありません。
むしろ、自分の研究内容を分かりやすく説明できることが重要です。

リョウジ
難しい専門用語をたくさん使えば評価されるわけではありません。専門外の先生が読んでも、研究したい内容が伝わる文章を意識しましょう!
7-5. 抽象的な表現を避ける
志望理由書では、抽象的な表現をできるだけ避けましょう。
よく使われる抽象的な表現には、以下のようなものがあります。
- 専門性を高めたい
- 幅広く学びたい
- 社会に貢献したい
- 研究力を身につけたい
- 貴学の環境に魅力を感じた
- 将来に活かしたい
これらの表現自体が悪いわけではありません。
しかし、これだけでは内容がぼんやりしてしまいます。
たとえば、「専門性を高めたい」と書く場合は、以下のように具体化しましょう。
抽象的な例:
私は、大学院で専門性を高めたいと考えています。
具体的な例:
私は、〇〇に関する研究を通じて、△△を分析するための知識と研究手法を身につけたいと考えています。
また、「社会に貢献したい」と書く場合も、どの分野で、どのように貢献したいのかを示す必要があります。
抽象的な例:
将来は、研究で得た知識を活かして社会に貢献したいです。
具体的な例:
将来は、大学院で得た〇〇に関する知見を活かし、□□分野における△△の課題解決に貢献したいと考えています。
このように、抽象的な表現を使う場合は、「何を」「なぜ」「どのように」を補うことが大切です。
志望理由書では、読み手が具体的にイメージできる文章を意識しましょう。
- 専門性を高めたい:
〇〇に関する知識と、△△を分析するための研究手法を身につけたい。 - 社会に貢献したい:
〇〇分野で得た知見を活かし、□□における△△の課題解決に貢献したい。 - 研究環境に魅力を感じた:
貴研究室では〇〇に関する研究が行われており、私が取り組みたい△△というテーマと接点がある。 - 幅広く学びたい:
〇〇を中心に、△△や□□の観点も取り入れながら研究を深めたい。
7-6. 研究への熱意と論理性のバランスを取る
志望理由書では、研究への熱意を伝えることも大切です。
ただし、熱意だけで押し切る文章にならないよう注意しましょう。
たとえば、以下のような文章です。
熱意に偏った例:
私は〇〇に強い興味があり、どうしても貴研究室で学びたいと考えています。貴研究室であれば、自分の夢を実現できると感じています。全力で研究に取り組みたいです。
この文章は熱意は伝わりますが、なぜその研究室なのか、何を研究したいのかが十分に分かりません。
大学院入試では、熱意だけでなく、研究テーマや志望理由の論理性も見られます。
そのため、以下のように、熱意と論理性を組み合わせることが大切です。
改善例:
私は、学部時代の卒業研究を通じて〇〇という課題に関心を持ちました。特に、△△の観点からこの課題を検討する必要性を感じています。貴研究室では□□に関する研究が行われており、私の問題意識と高い接点があるため、入学後は〇〇についてさらに研究を深めたいと考えています。
このように書くと、研究への意欲だけでなく、志望理由の筋道も伝わります。
志望理由書では、「頑張りたい」「学びたい」という気持ちを示すだけではなく、その理由や根拠を具体的に説明しましょう。
評価される志望理由書は、熱意と論理性の両方が伝わる文章です。

リョウジ
志望理由書では熱意も大切ですが、「なぜそう考えたのか」という根拠も必要です。気持ちと論理のバランスを意識しましょう!
7-7. 面接で説明できる内容にする
志望理由書は、提出して終わりの書類ではありません。
大学院入試では、志望理由書に書いた内容をもとに、面接で質問されることがあります。
そのため、志望理由書に書く内容は、面接で自分の言葉で説明できる内容にしておく必要があります。
たとえば、志望理由書に以下のような内容を書いた場合、面接で深掘りされる可能性があります。
- 〇〇教授の研究に関心を持ちました
- △△という課題を解決したいです
- □□という手法を用いて研究したいです
- 修了後は〇〇分野で活躍したいです
このように書いた場合、面接では以下のような質問が想定されます。
- 〇〇教授のどの研究に関心を持ちましたか
- なぜ△△という課題が重要だと考えていますか
- □□という手法を使う理由は何ですか
- 修了後の進路と研究テーマはどのようにつながっていますか
志望理由書に書いた内容を自分で説明できないと、面接で準備不足に見えてしまう可能性があります。
そのため、志望理由書を書くときは、常に「この内容を面接で聞かれたら答えられるか」を確認しましょう。
特に、指導教員の論文や研究室の研究内容に触れる場合は、表面的に名前を出すだけではなく、どの点に関心を持ったのかを自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。
志望理由書は、面接で話す内容の土台になる書類です。
書類作成の段階から面接を意識しておくことで、出願書類と面接回答に一貫性を持たせやすくなります。
- 結論ファーストで書く:
冒頭で、何を研究したいのか、なぜ志望するのかを示しましょう。 - 志望先を具体的に書く:
研究室、指導教員、論文、カリキュラムなどに触れながら、なぜその大学院なのかを説明しましょう。 - 経験と研究テーマをつなげる:
過去の経験から生まれた問題意識が、入学後の研究につながるように書きましょう。 - 専門外の人にも伝わる文章にする:
専門用語を使いすぎず、必要に応じて補足しながら分かりやすく説明しましょう。 - 面接で説明できる内容にする:
志望理由書に書いた内容は、面接で深掘りされても答えられるようにしておきましょう。
評価される志望理由書を書くためには、内容の具体性と文章の分かりやすさの両方が必要です。
「なぜその研究をしたいのか」「なぜその大学院・研究室なのか」「入学後に何をしたいのか」が一貫して伝わる文章を目指しましょう。
次の章では、志望理由書でよくあるNG例について解説していきます。
8. 志望理由書でよくあるNG例
ここまで、志望理由書に書くべき内容や評価される書き方について解説してきました。
一方で、志望理由書では、受験生がやってしまいがちなNG例もあります。
内容自体は悪くなくても、書き方によっては「志望理由が弱い」「研究への理解が浅い」「どの大学院にも使い回せそう」と見られてしまうことがあります。
特に大学院入試では、志望理由書から研究への本気度や、志望先とのマッチ度が確認されます。
そのため、抽象的な表現や使い回しのような文章は避けることが大切です。
ここでは、志望理由書でよくあるNG例を紹介します。
- どの大学院にも使い回せる内容になっている
- 研究テーマが曖昧である
- 研究計画書との内容がズレている
- キャリアだけが前面に出すぎている
- 志望研究室の理解が浅い
- 経験談や自己PRが中心になっている
- AIに丸投げで書いた文章になっている
- 誤字脱字や文体の乱れがある

リョウジ
志望理由書は、良い内容を入れるだけでなく、NG表現を避けることも大切です。よくある失敗を知っておくと、提出前の見直しがしやすくなります!
8-1. どの大学院にも使い回せる内容になっている
志望理由書で最もよくあるNG例の1つが、どの大学院にも使い回せる内容になっていることです。
たとえば、以下のような文章です。
NG例:
貴学は優れた教育環境と充実した研究設備を有しており、専門性を高めるうえで最適な環境であると考え、志望いたしました。
一見すると丁寧な文章に見えますが、この内容だけでは「なぜその大学院なのか」が伝わりません。
「優れた教育環境」「充実した研究設備」「専門性を高めたい」といった表現は、どの大学院にも当てはまりやすい表現です。
そのため、読み手からすると、本当に志望先について調べているのか分かりにくくなってしまいます。
改善するためには、志望先の具体的な特徴と、自分の研究テーマを結びつける必要があります。
改善例:
貴研究室では、〇〇を用いた△△に関する研究が行われており、私が卒業研究を通じて関心を持った□□という課題と高い接点があると考えています。特に、〇〇教授の△△に関する研究は、私が今後取り組みたい□□の分析において重要な示唆を与えるものだと考え、志望いたしました。
このように、志望理由書では、大学院や研究室の特徴を具体的に挙げることが重要です。
大切なのは、「なぜその大学院・研究科・研究室でなければならないのか」を説明することです。
- 貴学の教育環境に魅力を感じました:
どのような教育環境に魅力を感じたのか、自分の研究テーマとどう関係するのかまで書きましょう。 - 専門性を高めたいです:
何の専門性を、なぜ高めたいのかを具体化しましょう。 - 優れた先生方のもとで学びたいです:
どの先生の、どの研究に関心を持ったのかまで書くと説得力が増します。
8-2. 研究テーマが曖昧である
研究テーマが曖昧な志望理由書も注意が必要です。
大学院は研究を行う場所であるため、入学後にどのような研究に取り組みたいのかが伝わらないと、志望理由書全体の説得力が弱くなってしまいます。
たとえば、以下のような表現です。
NG例:
私はAIに興味があり、大学院でAIについて研究したいと考えています。
NG例:
私は環境問題に関心があり、大学院で環境について学びたいです。
NG例:
私は心理学を深く学びたいと考えています。
これらの文章は、関心の方向性は伝わります。
しかし、テーマが広すぎるため、具体的に何を研究したいのかが分かりません。
志望理由書では、広い分野名だけでなく、自分がどのような課題に関心を持っているのかまで具体化する必要があります。
改善例:
私は、生成AIを活用した学習支援が、大学受験生の学習効率や自己調整学習に与える影響について研究したいと考えています。
改善例:
私は、都市部における食品ロス削減の取り組みが、消費者の購買行動に与える影響について研究したいと考えています。
このように、研究テーマは「分野名」だけで終わらせず、対象・課題・観点をできる範囲で具体化しましょう。
特に、研究計画書を別で提出する場合は、志望理由書の中で研究方法まで細かく書く必要はありません。
ただし、入学後に何を研究したいのかが読み手に伝わる程度の具体性は必要です。

リョウジ
「AIを研究したい」「環境問題を学びたい」だけでは、テーマが広すぎます。対象や課題、分析したい観点まで少し具体化すると、研究したい内容が伝わりやすくなります!
8-3. 研究計画書との内容がズレている
志望理由書と研究計画書の内容がズレていることも、よくあるNG例です。
大学院入試では、志望理由書だけでなく、研究計画書や面接回答も含めて総合的に見られます。
そのため、志望理由書で書いている内容と研究計画書で書いている内容が一致していないと、読み手に違和感を与えてしまいます。
たとえば、以下のようなケースです。
- 志望理由書では教育支援に関心があると書いているが、研究計画書では医療データ解析を扱っている
- 志望理由書では心理学に関心があると書いているが、研究計画書では経営学のテーマになっている
- 志望理由書では社会課題の解決を強調しているが、研究計画書ではその課題との関係が見えない
- 志望理由書で志望研究室との接点を書いているが、研究計画書の内容が研究室の専門と合っていない
もちろん、複数の分野にまたがる研究テーマであれば、扱う内容が完全に同じ言葉で表現されないこともあります。
しかし、その場合でも、両者のつながりを説明できることが重要です。
志望理由書と研究計画書にズレがあると、面接で以下のように質問される可能性があります。
- 志望理由書では〇〇に関心があると書いていますが、研究計画書の△△とはどうつながっていますか
- 研究計画書のテーマは、志望研究室の研究内容とどのように関係していますか
- 将来像と研究計画書のテーマにはどのような関係がありますか
このときに説明できなければ、準備不足に見えてしまう可能性があります。
志望理由書を書くときは、必ず研究計画書と見比べながら、問題意識・研究テーマ・志望研究室との接点・将来像にズレがないか確認しましょう。
- 問題意識は一致しているか:
志望理由書で述べた課題意識と、研究計画書で扱うテーマが自然につながっているか確認しましょう。 - 志望研究室との接点はあるか:
研究計画書のテーマが、志望研究室や指導教員の専門分野と合っているか確認しましょう。 - 将来像と研究テーマはつながっているか:
修了後にやりたいことと、大学院で取り組みたい研究に一貫性があるか確認しましょう。
8-4. キャリアだけが前面に出すぎている
志望理由書では、修了後の進路や将来像を書くことも大切です。
しかし、キャリアだけが前面に出すぎると、大学院で研究する理由としては弱く見えてしまうことがあります。
たとえば、以下のような文章です。
NG例:
私は将来、大手企業で活躍したいと考えています。そのために、大学院で専門性を高め、就職活動で評価される人材になりたいと考え、貴研究科を志望しました。
この文章では、将来のキャリア意識は伝わります。
しかし、大学院で何を研究したいのか、なぜその研究科なのかが十分に伝わりません。
もちろん、就職やキャリアを考えて大学院に進学すること自体は自然なことです。
ただし、志望理由書では、キャリアの話だけではなく、「そのキャリアのためになぜ大学院で研究する必要があるのか」を説明する必要があります。
改善例:
私は将来、〇〇分野の研究開発に携わりたいと考えています。そのためには、△△に関する専門知識だけでなく、課題を設定し、実験・分析を通じて解決策を検討する研究力が必要だと考えています。貴研究室では□□に関する研究が行われており、私が取り組みたい〇〇のテーマと高い接点があるため、志望いたしました。
このように、将来像を書く場合も、研究テーマや志望先との接点につなげることが大切です。
志望理由書では、「キャリアのために大学院へ行きたい」ではなく、「大学院での研究を将来どう活かしたいのか」を書くようにしましょう。

リョウジ
将来のキャリアを書くこと自体は問題ありません。ただし、就職の話だけが中心になると、研究への意欲が弱く見えることがあります。研究内容と将来像をセットで書きましょう!
8-5. 志望研究室の理解が浅い
志望研究室についての理解が浅い志望理由書も注意が必要です。
大学院入試では、研究室や指導教員とのマッチ度が非常に重要です。
そのため、志望理由書では、志望研究室について調べたうえで、自分の研究関心との接点を示す必要があります。
たとえば、以下のような文章は注意が必要です。
NG例:
貴研究室では幅広い研究が行われており、自分の関心に合っていると感じました。
NG例:
〇〇教授のもとで学ぶことで、専門性を高められると考えています。
これらの文章は、志望研究室への関心は伝わります。
しかし、どの研究に関心を持ったのか、なぜ自分の研究テーマと合っているのかが分かりません。
志望研究室の理解を示すためには、以下のような情報に触れるとよいでしょう。
- 研究室で扱われている具体的な研究テーマ
- 指導教員の論文や研究業績
- 研究室の研究手法
- 研究室のプロジェクト
- 自分の研究テーマとの接点
たとえば、以下のように書くと、研究室への理解が伝わりやすくなります。
改善例:
貴研究室では、〇〇を用いた△△に関する研究が行われており、私が関心を持つ□□という課題と接点があると考えています。特に、〇〇教授の△△に関する研究は、□□の観点から課題を分析している点で、私の問題意識と重なる部分があると感じています。
志望理由書では、研究室名や指導教員名を入れるだけでは不十分です。
重要なのは、研究室のどの研究に関心を持ち、自分の研究テーマとどうつながるのかを示すことです。
- 幅広い研究に魅力を感じました:
どの研究テーマに関心を持ったのかが分かりにくいため、具体的な研究内容に触れましょう。 - 〇〇教授のもとで学びたいです:
なぜその先生なのか、どの論文や研究に関心を持ったのかを説明しましょう。 - 研究環境が整っているため志望しました:
その研究環境が、自分の研究テーマにどう必要なのかまで書きましょう。
8-6. 経験談や自己PRが中心になっている
志望理由書で、経験談や自己PRが中心になりすぎるケースもあります。
もちろん、これまでの経験を書くことは大切です。
卒業研究、ゼミ、授業、実験、調査、実務経験などは、志望理由の背景として有効です。
しかし、志望理由書は自己PR文ではありません。
たとえば、以下のような文章です。
NG例:
私は学部時代、サークル活動に力を入れ、チームをまとめる経験をしてきました。この経験を通じて、粘り強く努力する力や周囲と協力する力を身につけました。大学院でもこの力を活かして頑張りたいです。
この文章は、人物面のアピールとしては悪くありません。
しかし、大学院で何を研究したいのか、なぜその研究科・研究室なのかが伝わりません。
大学院入試の志望理由書では、経験談を書く場合も、研究テーマや問題意識につなげる必要があります。
改善例:
私は学部時代のゼミで〇〇について調査する中で、△△という課題に関心を持ちました。特に、□□の観点からこの課題を検討する必要性を感じ、大学院では〇〇についてより専門的に研究したいと考えるようになりました。
このように、経験談は「自分の強みを示すため」だけではなく、「研究テーマに関心を持った背景」として使うと、志望理由書に自然に組み込みやすくなります。
志望理由書では、自己PRよりも、研究への関心と志望先との接点を優先しましょう。

リョウジ
志望理由書は、就活の自己PRとは少し違います。経験を書く場合も、「その経験からなぜこの研究テーマに関心を持ったのか」までつなげることが大切です!
8-7. AIに丸投げで書いた文章になっている
近年は、生成AIを使って志望理由書の文章を作成することもできます。
AIを使えば、短時間でそれらしい文章を作ることはできます。
しかし、志望理由書をAIに丸投げして作成するのはおすすめできません。
なぜなら、AIが作成した文章は、一見きれいに見えても、内容が抽象的になりやすく、自分の経験や研究テーマ、志望研究室との接点が薄くなりやすいからです。
たとえば、以下のような文章です。
NG例:
私は、貴学の高度な教育環境と充実した研究体制のもとで専門性を高め、社会に貢献できる人材へと成長したいと考えています。貴研究科では幅広い分野の研究が行われており、自身の興味関心を深めるうえで最適な環境であると感じました。
このような文章は、一見すると丁寧に見えます。
しかし、どの大学院にも当てはまりやすく、「なぜその研究科なのか」「なぜその研究室なのか」「入学後に何を研究したいのか」がほとんど伝わりません。
また、大学教授や入試担当者は、これまで多くの志望理由書や研究計画書を読んできています。
そのため、AIに丸投げしたような文章は、読めば違和感を持たれやすいです。
場合によっては、「自分の言葉で考えていない」「研究テーマへの理解が浅い」と見られてしまう可能性もあります。
志望理由書で大切なのは、文章をきれいに整えることだけではありません。
自分がなぜその研究テーマに関心を持ったのか。
なぜその研究室で研究したいのか。
入学後にどのような研究へ取り組みたいのか。
こうした内容を、自分の経験や問題意識に基づいて、自分の言葉で書くことに意味があります。
もちろん、AIをまったく使ってはいけないわけではありません。
たとえば、以下のような使い方であれば、志望理由書作成の補助として活用できます。
- 文章構成を整理する
- 誤字脱字を確認する
- 表現を自然に整える
- 論理の流れに違和感がないか確認する
ただし、AIに文章を丸ごと作らせ、それをそのまま提出するのは絶対に避けましょう。
AIはあくまで補助ツールです。
最終的に志望理由書を書くのは、自分自身です。
志望理由書では、AIが作ったきれいな文章よりも、自分の言葉で書かれた具体的な文章の方が重要です。
- 丸投げしない:
AIに志望理由書を丸ごと書かせた文章は、抽象的で使い回しのように見えやすくなります。 - 自分の経験を入れる:
卒業研究、ゼミ、授業、実務経験など、自分にしか書けない具体的な経験を必ず入れましょう。 - 志望研究室との接点を自分で調べる:
指導教員の論文や研究室のテーマは、自分で確認し、自分の研究テーマとどうつながるのかを考えましょう。 - 自分の言葉で書く:
自分が面接でも説明できる表現が推奨です

リョウジ
AIは便利ですが、志望理由書を丸投げするのは危険です。大学教授は多くの文章を読んでいるため、抽象的で中身の薄い文章にはすぐ違和感を持ちます。必ず自分の言葉で書きましょう!
8-8. 誤字脱字や文体の乱れがある
最後に、誤字脱字や文体の乱れにも注意が必要です。
志望理由書は、内容が重要な書類です。
しかし、誤字脱字が多かったり、文体が不自然だったりすると、読み手に雑な印象を与えてしまう可能性があります。
たとえば、以下のようなミスはよくあります。
- 大学名・研究科名・教員名の誤字
- 「です・ます」と「だ・である」が混在している
- 一文が長すぎて読みにくい
- 主語と述語が対応していない
- 同じ表現を何度も繰り返している
- 研究室名や専攻名を別の大学院のままにしている
特に、複数の大学院を受験する場合、志望理由書を修正する過程で大学名や研究室名を間違えてしまうことがあります。
これは非常に印象が悪くなりやすいミスです。
また、文体の統一も大切です。
志望理由書では、「です・ます調」または「だ・である調」のどちらかに統一しましょう。
文章が長くなりすぎる場合は、1文を短く区切ることも大切です。
一文が長いと、読み手が内容を追いにくくなってしまいます。
提出前には、必ず以下を確認しましょう。
- 誤字脱字がないか
- 大学名・研究科名・研究室名に誤りがないか
- 教員名の表記が正しいか
- 文体が統一されているか
- 一文が長すぎないか
- 研究計画書との内容にズレがないか
可能であれば、自分だけで確認するのではなく、第三者にも読んでもらうのがおすすめです。
自分では気づきにくい表現の不自然さや論理の飛びを発見できる場合があります。
- 使い回しに見える内容:
どの大学院にも当てはまる表現ではなく、志望先の具体的な特徴と自分の研究テーマを結びつけましょう。 - 研究テーマが曖昧:
「AI」「環境問題」「心理学」などの広い分野名だけで終わらせず、対象や課題まで具体化しましょう。 - 研究計画書とのズレ:
志望理由書と研究計画書で、問題意識・研究テーマ・志望先との接点に矛盾がないか確認しましょう。 - キャリアだけが前面に出る:
就職やキャリアの話だけでなく、大学院で取り組みたい研究内容と結びつけて書きましょう。 - AIに丸投げした文章:
AIが作った抽象的な文章をそのまま使うのではなく、自分の経験・問題意識・志望研究室との接点を自分の言葉で書きましょう。 - 誤字脱字や文体の乱れ:
大学名・研究科名・教員名の誤り、文体の混在、一文の長さに注意しましょう。
志望理由書では、何を書くかだけでなく、何を書かないかも重要です。
抽象的な表現や使い回しに見える文章を避け、自分の研究テーマと志望先との接点が伝わる内容にすることが大切です。
また、AIを使う場合も、文章を丸投げするのではなく、構成整理や表現調整などの補助として活用し、最後は必ず自分の言葉で仕上げましょう。
志望理由書は面接でも深掘りされる可能性があります。
そのため、提出前には「この内容を自分の言葉で説明できるか」「研究計画書と一貫性があるか」まで確認しておきましょう。
次の章では、志望理由書の例文について、具体的に紹介していきます。
9. 志望理由書の例文
ここからは、志望理由書の例文を紹介していきます。
志望理由書は、志望する研究科・専攻・研究室によって書くべき内容が大きく変わります。
そのため、例文をそのまま使うのではなく、自分の研究テーマや志望先に合わせて調整することが大切です。
特に大学院入試では、「なぜその研究をしたいのか」「なぜその研究科・研究室なのか」が重要になります。
以下では、よくある受験パターンごとに例文を紹介します。
- 理系大学院向けの例文
- 文系大学院向けの例文
- 他大学院を受験する場合の例文
- 社会人大学院向けの例文

リョウジ
例文は、あくまで書き方の参考です。実際に使う場合は、自分の研究テーマ・志望研究室・将来像に合わせて必ず書き換えましょう!
9-1. 理系大学院向けの志望理由書例文
まずは、理系大学院を想定した志望理由書の例文です。
理系の志望理由書では、研究テーマや研究室との接点を明確にすることが重要です。
特に、卒業研究や授業での学びをきっかけに、大学院でどのような研究に取り組みたいのかを説明できると、志望理由に一貫性が出ます。
私は、機械学習を活用した学習支援システムに関する研究を深めたいと考え、貴研究科を志望いたしました。
学部時代には、情報工学分野を中心に学び、卒業研究では学習者の行動ログを用いた成績予測に取り組みました。その過程で、単に成績を予測するだけでなく、学習者一人ひとりに適した学習支援を行う仕組みの必要性を感じるようになりました。
貴研究室では、教育データの分析や学習支援システムに関する研究が行われており、私が取り組みたいテーマと高い接点があると考えています。特に、学習者の行動データをもとに学習状況を分析し、個別最適な支援につなげる研究に関心を持ちました。
入学後は、機械学習を用いて学習者の理解度や学習傾向を分析し、学習支援に活かす方法について研究したいと考えています。修了後は、大学院で得た知識と研究経験を活かし、教育分野における技術開発や学習支援システムの改善に貢献したいです。
この例文では、学部時代の研究経験から問題意識が生まれ、その問題意識が志望研究室の研究内容とつながっています。
また、入学後に取り組みたい研究と修了後の将来像も書かれているため、志望理由書全体に一貫性があります。
理系大学院の場合は、研究テーマを具体的に書くことが特に重要です。
ただし、志望理由書では研究計画書ほど詳しく方法論を書く必要はありません。
研究内容の概要を示しつつ、なぜその研究に取り組みたいのか、なぜその研究室なのかを中心に書くとよいでしょう。

リョウジ
理系の場合は、卒業研究や研究テーマとのつながりが特に重要です。「何を研究したいのか」がぼやけないように、テーマを具体化して書きましょう!
9-2. 文系大学院向けの志望理由書例文
続いて、文系大学院を想定した志望理由書の例文です。
文系大学院では、問題意識や研究テーマに至った背景を論理的に説明することが重要です。
また、先行研究や社会的背景への関心、研究方法の方向性を示せると、より説得力が増します。
私は、若年層のキャリア形成における教育環境の影響について研究したいと考え、貴研究科を志望いたしました。
学部時代には、教育社会学を中心に学び、ゼミでは高校生の進路選択に関する文献を読み進めてきました。その中で、家庭環境や学校で得られる情報の差が、進路選択や将来のキャリア形成に大きな影響を与えている点に関心を持ちました。
貴研究科では、教育と社会階層、若者の移行過程、キャリア形成に関する研究が行われており、私の問題意識と高い接点があると考えています。特に、〇〇先生の若年層の進路選択に関する研究は、私が今後取り組みたいテーマを考えるうえで大きな示唆を得られるものだと感じました。
入学後は、若年層の進路選択に影響を与える教育環境や情報格差について、文献調査やインタビュー調査を通じて研究したいと考えています。修了後は、大学院で得た知見を活かし、教育支援やキャリア支援の分野で、若者がより主体的に進路を選択できる環境づくりに貢献したいです。
この例文では、学部での学び、問題意識、志望研究科との接点、入学後の研究、将来像が自然につながっています。
文系大学院の場合、研究テーマが抽象的になりすぎないように注意が必要です。
たとえば、「教育について研究したい」「社会問題に関心がある」だけでは広すぎます。
どのような対象を、どのような観点から研究したいのかまで具体化するとよいでしょう。
- 問題意識を明確にする:
どのような社会課題や学術的な問いに関心があるのかを整理しましょう。 - 研究対象を具体化する:
「教育」「心理」「経済」などの広い分野名だけでなく、誰を対象に、何を明らかにしたいのかを具体化しましょう。 - 研究方法の方向性を示す:
文献調査、インタビュー、アンケート、統計分析など、現時点で考えている方法があれば簡潔に触れましょう。
9-3. 他大学院を受験する場合の志望理由書例文
次に、外部受験で他大学院を志望する場合の例文です。
他大学院を受験する場合は、「なぜ現在の大学ではなく、他大学院を志望するのか」を説明できることが重要です。
ただし、現在所属している大学や研究室を否定的に書く必要はありません。
むしろ、現在の学びを土台にしながら、志望先でさらに発展させたいという流れで書くと自然です。
私は、都市交通における人流データの活用について研究したいと考え、貴研究科を志望いたしました。
現在所属する大学では、都市計画や交通工学を中心に学び、卒業研究では駅周辺における歩行者流動の分析に取り組んでいます。その過程で、都市空間の利便性や安全性を高めるためには、移動データを活用した実証的な分析が重要であると考えるようになりました。
貴研究科では、都市交通、データ分析、スマートシティに関する研究が行われており、私が関心を持つ人流データの活用と高い接点があると考えています。特に、〇〇先生の都市交通データを用いた研究は、私が卒業研究で扱っているテーマをさらに発展させるうえで、大変参考になるものだと感じました。
入学後は、都市部における人流データを用いて、駅周辺の混雑緩和や歩行者の移動行動の分析に取り組みたいと考えています。将来的には、大学院で得た知識と研究経験を活かし、都市交通やまちづくりの分野で、より安全で利便性の高い都市空間の形成に貢献したいです。
この例文では、現在の大学での学びを否定せず、その延長として他大学院を志望する理由を説明しています。
外部受験では、以下のような点を意識するとよいでしょう。
- 現在の大学で学んできた内容
- 現在の学びから生まれた問題意識
- 志望先でなければ深めにくい研究内容
- 志望研究室・指導教員との接点
- 入学後にどのように研究を発展させたいのか
注意したいのは、「現在の大学ではできないから」という表現を直接的に書きすぎないことです。
現在の環境への不満ではなく、志望先で学ぶことで自分の研究をどのように発展させられるのかを前向きに書くことが大切です。

リョウジ
外部受験では、「なぜ他大学院なのか」を聞かれやすいです。現在の大学を否定するのではなく、志望先で研究をどう発展させたいのかを前向きに書きましょう!
9-4. 社会人大学院向けの志望理由書例文
最後に、社会人大学院を想定した志望理由書の例文です。
社会人が大学院を受験する場合は、実務経験から生まれた問題意識と、大学院で研究したいテーマをつなげることが重要です。
単に「学び直したい」「キャリアアップしたい」と書くだけではなく、実務の中でどのような課題を感じ、その課題を大学院でどのように研究したいのかを説明しましょう。
私は、企業における人材育成と組織内学習の仕組みについて研究したいと考え、貴研究科を志望いたしました。
現在、私は企業の人事部門に所属し、社員研修や育成施策の企画・運用に携わっています。その中で、研修制度を整えても、社員の学習意欲や職場での実践につながる度合いには大きな差があることに課題を感じてきました。
この経験から、個人の学習意欲だけでなく、職場環境や組織文化が人材育成に与える影響について、学術的に研究したいと考えるようになりました。貴研究科では、組織行動論や人的資源管理、成人学習に関する研究が行われており、私の問題意識と高い接点があると考えています。
入学後は、企業内研修が社員の行動変容や職場での実践にどのようにつながるのかについて、実務経験を踏まえながら研究したいと考えています。修了後は、大学院で得た知見を活かし、より実効性の高い人材育成施策の設計に貢献したいです。
この例文では、実務経験、問題意識、志望研究科との接点、入学後の研究、修了後の活用先が一貫しています。
社会人大学院の場合は、実務経験が大きな強みになります。
ただし、実務経験を長く書きすぎると、職務経歴書のようになってしまうことがあります。
志望理由書では、実務経験そのものよりも、そこからどのような問題意識が生まれ、大学院で何を研究したいのかを中心に書きましょう。
- 実務経験を出発点にする:
仕事の中で感じた課題や疑問を、研究テーマにつなげましょう。 - 学術的に研究したい理由を書く:
実務上の経験を、なぜ大学院で研究として深めたいのかを説明しましょう。 - 修了後の活用先を示す:
大学院で得た知見を、職場や業界、社会にどのように活かしたいのかを書きましょう。
9-5. 例文を使うときの注意点
ここまで、いくつかの志望理由書の例文を紹介してきました。
ただし、例文を参考にする際には注意が必要です。
志望理由書は、受験生本人の研究関心や志望先に合わせて書くべき書類です。
そのため、例文をそのまま使ってしまうと、自分の志望理由としては不自然になってしまう可能性があります。
特に、以下の点は必ず自分用に書き換えましょう。
- 研究テーマ
- 志望研究室名
- 指導教員名
- 関心を持った研究内容
- 学部時代の経験
- 入学後に取り組みたい研究
- 修了後の進路や将来像
また、例文の表現だけをまねると、どこかで見たような志望理由書になってしまうことがあります。
大学院入試では、きれいな文章を書くことよりも、自分の問題意識や志望先との接点が伝わることの方が重要です。
例文はあくまで構成や流れの参考として使い、自分の経験や研究テーマに合わせて書き換えましょう。
特に、指導教員の研究内容や志望研究室との接点は、必ず自分で調べた内容をもとに書くことが大切です。

リョウジ
例文をそのまま使うのは避けましょう。志望理由書では、自分の経験・研究テーマ・志望研究室との接点が書かれていることが何より大切です!
9-6. 例文を自分用に書き換える手順
例文を参考にしながら志望理由書を書く場合は、以下の手順で進めると整理しやすくなります。
- まず、自分の研究テーマを決める
- 研究テーマに関心を持ったきっかけを整理する
- 志望研究室の研究内容を調べる
- 自分の研究テーマと研究室の接点を見つける
- 入学後に取り組みたい研究の方向性を書く
- 修了後の将来像とつなげる
この手順を踏むことで、例文に引っ張られすぎず、自分の志望理由書として自然な文章にしやすくなります。
また、書き終えた後は、次の点を確認しましょう。
- どの大学院にも使い回せる内容になっていないか
- 志望研究室との接点が具体的に書かれているか
- 研究計画書の内容とズレていないか
- 面接で深掘りされても説明できるか
- 自分の言葉で書けているか
例文は、あくまで志望理由書の完成形をイメージするための参考です。
最終的には、自分の研究テーマと志望先に合わせて、オリジナルの志望理由書に仕上げる必要があります。
- 自分の研究テーマに書き換えているか:
例文のテーマをそのまま使わず、自分が本当に研究したい内容に置き換えましょう。 - 志望研究室の情報を反映しているか:
研究室名や指導教員名だけでなく、具体的な研究内容との接点を書きましょう。 - 研究計画書と一貫しているか:
志望理由書の内容が、研究計画書のテーマや問題意識とズレていないか確認しましょう。 - 自分の言葉で説明できるか:
面接で聞かれたときに、自分の言葉で説明できる内容になっているか確認しましょう。
志望理由書の例文を見ることで、文章の流れや書くべき内容のイメージはつかみやすくなります。
しかし、実際の志望理由書では、自分の研究テーマや志望先に合わせた具体性が必要です。
例文を参考にしながらも、自分だけの志望理由書として、研究への関心や志望先との接点が伝わる文章に仕上げていきましょう。
次の章では、志望理由書と面接対策の関係について解説していきます。
10. 志望理由書と面接対策の関係
志望理由書は、提出して終わりの書類ではありません。
大学院入試では、提出した志望理由書をもとに面接で質問されることがあります。
そのため、志望理由書は書類審査のためだけでなく、面接対策の土台にもなる重要な書類です。
特に、志望理由書に書いた内容と面接で話す内容にズレがあると、「準備不足」「研究テーマへの理解が浅い」と見られてしまう可能性があります。
そのため、志望理由書を作成する段階から、面接で深掘りされることを想定して書くことが大切です。
ここでは、志望理由書と面接対策の関係について、以下の流れで解説します。
- 志望理由書は面接で深掘りされる
- 志望理由書に関連してよく聞かれる質問
- 志望理由書と研究計画書、面接回答を一貫させる
- 面接前に志望理由書を読み返す
- 深掘り質問への回答を準備しておく
- 書いた内容を自分の言葉で話せるようにする

リョウジ
志望理由書は、面接官にとって質問を作るための材料になります。書いた内容は、必ず自分の言葉で説明できるようにしておきましょう!
10-1. 志望理由書は面接で深掘りされる
大学院入試の面接では、志望理由書に書かれている内容をもとに質問されることがあります。
たとえば、志望理由書に「〇〇に関する研究を深めたい」と書いた場合、面接では以下のような質問が想定されます。
- なぜ〇〇に関心を持ったのですか
- 〇〇について、現在どのような課題があると考えていますか
- なぜ本研究科でそのテーマを研究したいのですか
- なぜ他の研究室ではなく、本研究室を志望したのですか
- 入学後は具体的にどのように研究を進めたいですか
このように、志望理由書に書いた内容は、面接でそのまま深掘りされる可能性があります。
つまり、志望理由書を書くときに「なんとなく良さそうな表現」を使ってしまうと、面接で質問されたときに答えにくくなることがあります。
たとえば、志望理由書に「〇〇教授の研究に強く関心を持ちました」と書いた場合、面接では「〇〇教授のどの研究に関心を持ちましたか」と聞かれる可能性があります。
このとき、具体的な論文や研究内容について説明できなければ、表面的に書いただけだと思われてしまうかもしれません。
志望理由書では、かっこいい表現を書くことよりも、面接で聞かれても自分の言葉で説明できる内容を書くことが重要です。
- 研究テーマ:
なぜそのテーマに関心を持ったのか、どのような課題があると考えているのかを聞かれやすいです。 - 志望研究室:
なぜその研究室なのか、指導教員のどの研究に関心を持ったのかを確認されることがあります。 - 将来像:
大学院での研究を、修了後にどのように活かしたいのかを聞かれることがあります。
10-2. 志望理由書に関連してよく聞かれる質問
志望理由書に関連して、面接ではさまざまな質問が想定されます。
特によく聞かれるのは、以下のような質問です。
- なぜ大学院に進学したいのですか
- なぜ本研究科を志望したのですか
- なぜこの専攻を選んだのですか
- なぜこの研究室を志望したのですか
- なぜこの指導教員のもとで研究したいのですか
- 入学後はどのような研究をしたいですか
- その研究テーマに関心を持ったきっかけは何ですか
- 現在の研究テーマと志望理由はどうつながっていますか
- 修了後はどのような進路を考えていますか
- 研究計画書の内容と志望理由書の内容はどのように関係していますか
これらの質問に答えるためには、志望理由書の内容を暗記するだけでは不十分です。
大切なのは、志望理由書に書いた内容の背景や理由まで理解しておくことです。
たとえば、「なぜこの研究室を志望したのですか」という質問に対して、志望理由書に書いた文章をそのまま読むような回答では、面接としてはやや不自然です。
面接では、文章として整った答えよりも、自分の言葉で自然に説明できることが重要です。
そのため、面接対策では、志望理由書を丸暗記するのではなく、以下のように要点を整理しておきましょう。
- 自分が研究したいテーマ
- そのテーマに関心を持ったきっかけ
- 志望研究室との接点
- 入学後に取り組みたい研究
- 修了後の進路や将来像
これらを自分の言葉で説明できるようにしておくことで、面接でも落ち着いて答えやすくなります。

リョウジ
面接では、志望理由書を丸暗記する必要はありません。大事なのは、書いた内容の理由や背景を、自分の言葉で説明できることです!
10-3. 志望理由書と研究計画書、面接回答を一貫させる
大学院入試では、志望理由書、研究計画書、面接回答に一貫性を持たせることが重要です。
志望理由書では「なぜその研究をしたいのか」を伝え、研究計画書では「何をどのように研究するのか」を示します。
そして面接では、それらの内容を自分の言葉で説明する必要があります。
この3つの内容にズレがあると、面接官に違和感を持たれる可能性があります。
たとえば、以下のようなケースです。
- 志望理由書ではAI教育に関心があると書いているが、研究計画書では医療データ解析を扱っている
- 研究計画書では社会調査を行うと書いているが、面接では別の研究方法を話している
- 志望理由書では研究職を目指すと書いているが、面接では研究とは関係の薄い進路を話している
- 志望理由書では指導教員の研究に関心があると書いているが、面接でその研究内容を説明できない
もちろん、研究テーマが学際的な場合や、複数の分野にまたがる場合は、表現が少し異なることもあります。
しかし、その場合でも、志望理由書・研究計画書・面接回答の関係を説明できるようにしておく必要があります。
面接では、「志望理由書では〇〇と書いていますが、研究計画書の△△とはどうつながっていますか」と聞かれることもあります。
このときに明確に説明できれば、むしろ一貫した問題意識を持っていることを伝えられます。
一方で、説明できなければ、書類を別々に作っているように見えてしまいます。
出願前には、必ず志望理由書と研究計画書を見比べて、以下の点を確認しましょう。
- 研究テーマにズレがないか
- 問題意識が一貫しているか
- 志望研究室との接点が説明できるか
- 将来像と研究内容がつながっているか
- 面接で自分の言葉で説明できるか
志望理由書は、単独で完成させる書類ではありません。
研究計画書や面接回答と一貫していることで、大学院入試全体の説得力が高まります。
- 志望理由書:
なぜその研究をしたいのか、なぜその研究科・研究室を志望するのかを伝える書類です。 - 研究計画書:
入学後に何をどのように研究するのかを、研究背景・目的・方法などから具体的に示す書類です。 - 面接回答:
志望理由書と研究計画書に書いた内容を、自分の言葉で説明する場です。書類との一貫性が重要になります。
10-4. 面接前に志望理由書を読み返す
面接前には、必ず自分が提出した志望理由書を読み返しましょう。
出願から面接までに時間が空く場合、自分が志望理由書に何を書いたのかを忘れてしまうことがあります。
特に、複数の大学院を受験している場合は、大学院ごとに志望理由書の内容が異なるため注意が必要です。
たとえば、A大学院では「教育データ分析」を中心に書き、B大学院では「学習支援システム」を中心に書いている場合、面接で内容を混同してしまう可能性があります。
面接前には、以下の点を確認しておきましょう。
- 志望理由書の冒頭で何を書いたか
- 志望理由として何を挙げたか
- どの研究室・指導教員に触れたか
- 入学後に取り組みたい研究として何を書いたか
- 修了後の進路や将来像として何を書いたか
- 研究計画書とのつながりはどうなっているか
志望理由書を読み返すだけでなく、面接で質問されそうな箇所には印をつけておくのもおすすめです。
たとえば、「この表現はなぜそう書いたのか」「この研究に関心を持った理由は何か」「この先生のどの研究に触れたのか」といった観点で見直します。
志望理由書は、面接官にとって質問の材料になります。
そのため、面接前には「面接官ならどこを質問したくなるか」という視点で読み返すことが大切です。

リョウジ
面接前には、提出した志望理由書を必ず読み返しましょう。自分が書いた内容を忘れていると、面接で回答がズレてしまうことがあります!
10-5. 深掘り質問への回答を準備しておく
志望理由書をもとに面接対策を行う際は、深掘り質問への回答も準備しておきましょう。
大学院入試の面接では、最初に一般的な質問をされ、その後に回答内容を深掘りされることがあります。
たとえば、以下のような流れです。
質問:
なぜ本研究科を志望したのですか。
回答:
〇〇に関する研究を深めたいと考え、貴研究科を志望しました。
深掘り質問:
なぜ〇〇に関心を持ったのですか。
本研究科でなければならない理由は何ですか。
〇〇について、現在どのような課題があると考えていますか。
このように、面接では1つの回答に対して「なぜ」「具体的には」「他には」と質問されることがあります。
そのため、志望理由書に書いた内容については、最低でも1〜2段階は深掘りされても答えられるようにしておきましょう。
特に準備しておきたいのは、以下のような質問です。
- なぜその研究テーマに関心を持ったのか
- そのテーマにはどのような意義があるのか
- なぜその研究室で研究したいのか
- 指導教員のどの研究に関心を持ったのか
- 研究計画書の内容をどのように進める予定か
- 研究がうまく進まなかった場合はどうするか
- 修了後の進路と研究テーマはどう関係しているか
深掘り質問に答えるためには、志望理由書に書いた内容の背景を整理しておくことが大切です。
「なぜそう考えたのか」「どのような経験からそう思ったのか」「志望先のどの点とつながるのか」を説明できるようにしておきましょう。
- なぜ?に答えられるか:
研究テーマ、志望理由、将来像について、「なぜそう考えたのか」を説明できるようにしておきましょう。 - 具体例を用意しているか:
卒業研究、ゼミ、授業、論文、実務経験など、回答の根拠になる具体例を準備しておきましょう。 - 志望先との接点を説明できるか:
自分の研究テーマと、志望研究室・指導教員の研究内容がどうつながるのかを説明できるようにしましょう。
10-6. 書いた内容を自分の言葉で話せるようにする
面接対策では、志望理由書の内容を自分の言葉で話せるようにしておくことが重要です。
志望理由書は文章として整えて書くため、面接でそのまま話そうとすると不自然になることがあります。
たとえば、志望理由書では以下のように書いていたとします。
志望理由書の文章:
私は、学部時代の卒業研究を通じて〇〇という課題に関心を持ち、貴研究室で△△の観点から研究を深めたいと考え、志望いたしました。
これを面接でそのまま読み上げるように話すと、少しかたい印象になることがあります。
面接では、以下のように自然な話し言葉に置き換えるとよいでしょう。
面接での回答例:
学部時代の卒業研究で〇〇を扱ったことがきっかけで、△△という課題に関心を持つようになりました。貴研究室では、このテーマに近い研究が行われているため、自分の問題意識をさらに深められると考え、志望しました。
このように、志望理由書と同じ内容であっても、面接では自然に話せる表現に変えることが大切です。
また、面接では、文章の完璧さよりも、内容を理解して自分の言葉で説明できているかが見られます。
そのため、志望理由書を丸暗記するのではなく、要点を整理して話せるようにしましょう。
おすすめは、以下のように短いメモにまとめることです。
- 研究テーマ:〇〇
- きっかけ:卒業研究で△△に関心を持った
- 志望理由:貴研究室の□□研究と接点がある
- 入学後:〇〇を△△の観点から研究したい
- 将来像:□□分野で専門性を活かしたい
このように整理しておくと、質問の聞かれ方が変わっても、柔軟に答えやすくなります。

リョウジ
面接では、志望理由書を読み上げるような回答ではなく、自分の言葉で自然に話すことが大切です。要点を整理して、話し言葉に変換しておきましょう!
10-7. 志望理由書を使った面接対策の進め方
志望理由書を使って面接対策を進める場合は、以下の流れがおすすめです。
- 提出した志望理由書を読み返す
- 面接で聞かれそうな箇所に印をつける
- 「なぜ?」と深掘りされそうな質問を作る
- 質問ごとに回答の要点をメモする
- 研究計画書とのつながりを確認する
- 実際に声に出して練習する
特に大切なのは、実際に声に出して練習することです。
頭の中では答えられるつもりでも、実際に話してみると、言葉に詰まったり、説明が長くなりすぎたりすることがあります。
また、誰かに聞いてもらうことで、自分では気づきにくい説明不足や論理の飛びを確認できます。
大学院入試の面接では、内容だけでなく、論理的に分かりやすく説明できるかも重要です。
そのため、志望理由書をもとに、想定質問と回答を準備し、声に出して練習しておきましょう。
- 志望理由書を読み返す:
自分が提出した内容を確認し、面接で聞かれそうな箇所を洗い出しましょう。 - 想定質問を作る:
「なぜその研究テーマなのか」「なぜその研究室なのか」など、深掘り質問を想定しましょう。 - 回答の要点を整理する:
回答を丸暗記するのではなく、研究テーマ・きっかけ・志望理由・将来像などの要点を整理しましょう。 - 声に出して練習する:
実際に話す練習を行い、説明が長すぎないか、論理が分かりにくくないかを確認しましょう。
志望理由書は、大学院入試の面接対策に直結する書類です。
書いた内容を面接で説明できるようにしておくことで、志望理由や研究計画に一貫性を持たせることができます。
志望理由書を作成したら、提出して終わりにするのではなく、面接対策にも活用していきましょう。
次の章では、提出前に確認しておきたいチェックリストについて解説していきます。
11. 提出前チェックリスト
志望理由書を書き終えたら、提出前に必ず見直しを行いましょう。
志望理由書は、内容を一度書き上げただけで完成ではありません。
むしろ、書いた後に見直し、修正し、研究計画書や面接回答との一貫性を確認することで、完成度が高まります。
特に大学院入試では、志望理由書の内容だけでなく、募集要項に沿って作成できているか、誤字脱字がないか、面接で説明できる内容になっているかも重要です。
提出前には、「内容面」「形式面」「研究計画書との一貫性」「面接対策」の4つの観点から確認しましょう。

リョウジ
志望理由書は、書いて終わりではありません。提出前の見直しで、文章の説得力や一貫性は大きく変わります!
11-1. 内容面のチェック
まず確認したいのは、志望理由書の内容面です。
志望理由書では、大学院進学の理由、志望先を選んだ理由、入学後に取り組みたい研究、修了後の将来像が一貫している必要があります。
以下の項目を確認しましょう。
- なぜ大学院に進学したいのかが明確か
- なぜその研究科・専攻を志望するのかが書かれているか
- なぜその研究室・指導教員を志望するのかが書かれているか
- 入学後に取り組みたい研究テーマが明確か
- 研究テーマに関心を持った理由が説明されているか
- 修了後の進路や将来像と研究内容がつながっているか
- どの大学院にも使い回せる内容になっていないか
特に重要なのは、「なぜその大学院・研究室なのか」が具体的に書かれているかです。
たとえば、「貴学の教育環境に魅力を感じました」「専門性を高めたいです」といった表現だけでは、志望理由として弱くなりやすいです。
志望理由書では、志望研究室の研究内容や指導教員の研究テーマに触れながら、自分の問題意識や研究テーマとの接点を示す必要があります。
提出前には、自分の志望理由書が「その大学院でなければならない理由」まで説明できているかを確認しましょう。
- 志望理由の具体性:
なぜその大学院・研究科・研究室なのかが、具体的に説明されているか確認しましょう。 - 研究テーマの明確さ:
入学後に何を研究したいのかが、読み手に伝わる内容になっているか確認しましょう。 - 経験とのつながり:
卒業研究、ゼミ、授業、実務経験など、自分の経験から問題意識が自然につながっているか確認しましょう。 - 将来像との一貫性:
大学院での研究と、修了後の進路やキャリアが自然につながっているか確認しましょう。
11-2. 形式面のチェック
次に、形式面を確認しましょう。
志望理由書は内容が大切ですが、募集要項や大学院の指定に沿って作成できていなければ、提出書類として不備になる可能性があります。
特に、以下の項目は必ず確認しましょう。
- 指定フォーマットを使用しているか
- 字数制限・枚数制限を守っているか
- 手書き指定かPC作成かを確認したか
- PDF提出か、出願システムへの直接入力かを確認したか
- ファイル名の指定がある場合、指定通りになっているか
- 提出期限を確認しているか
- 提出先やアップロード方法を確認しているか
大学院によっては、志望理由書のフォーマットが指定されている場合があります。
指定フォーマットがあるにもかかわらず、自由形式で作成してしまうと、内容以前に提出書類として問題になる可能性があります。
また、字数制限がある場合は、指定された範囲内に収める必要があります。
たとえば、「800字以内」と指定されている場合に900字書いてしまうと、ルールを確認していない印象を与えてしまうかもしれません。
反対に、800字程度書けるにもかかわらず400字程度しか書いていない場合は、志望度や準備不足を疑われる可能性もあります。
そのため、形式面は必ず募集要項を見ながら確認しましょう。

リョウジ
どれだけ内容が良くても、フォーマットや字数の指定を守れていないと印象が下がる可能性があります。募集要項は必ず確認しましょう!
11-3. 誤字脱字・表記ゆれのチェック
志望理由書では、誤字脱字や表記ゆれにも注意が必要です。
小さなミスであっても、提出書類に誤字脱字が多いと、読み手に雑な印象を与えてしまう可能性があります。
特に注意したいのは、以下の項目です。
- 大学名の表記に誤りがないか
- 研究科名・専攻名の表記に誤りがないか
- 研究室名の表記に誤りがないか
- 指導教員名の漢字や肩書きに誤りがないか
- 「貴学」「貴研究科」「貴研究室」の使い方が不自然でないか
- 専門用語の表記が統一されているか
- 同じ内容を違う言い方で何度も繰り返していないか
特に、複数の大学院を受験する場合は注意が必要です。
別の大学院向けに作成した志望理由書を修正して使う場合、大学名や研究科名、研究室名が前のまま残ってしまうことがあります。
これは非常に印象が悪くなりやすいミスです。
また、文体の統一も重要です。
「です・ます調」と「だ・である調」が混在していると、文章全体に違和感が出ます。
志望理由書では、どちらか一方に統一しましょう。
一般的には、丁寧な印象にしたい場合は「です・ます調」、やや論文調・書類調にしたい場合は「だ・である調」が使われます。
ただし、どちらを選ぶ場合でも、文体を途中で混在させないことが大切です。
- 大学名・研究科名:
正式名称を募集要項や大学院公式サイトで確認しましょう。 - 教員名:
漢字、肩書き、所属に誤りがないか確認しましょう。 - 研究室名・専攻名:
略称ではなく、正式名称を使うべき場面では正式名称で書きましょう。 - 文体:
「です・ます調」と「だ・である調」が混ざっていないか確認しましょう。
11-4. 研究計画書との一貫性を確認する
志望理由書を提出する前には、研究計画書との一貫性も必ず確認しましょう。
志望理由書と研究計画書は別々の書類ですが、大学院入試ではセットで見られることが多いです。
志望理由書では「なぜその研究をしたいのか」を伝え、研究計画書では「何をどのように研究するのか」を示します。
この2つの内容がズレていると、面接で深掘りされたときに説明しづらくなります。
たとえば、以下のようなズレがないか確認しましょう。
- 志望理由書と研究計画書で研究テーマが違っていないか
- 問題意識が一貫しているか
- 志望研究室との接点が研究計画書にも反映されているか
- 研究計画書の内容が志望研究室の専門分野と大きくズレていないか
- 将来像と研究テーマが自然につながっているか
特に注意したいのは、研究計画書を先に作成し、その後に志望理由書を書く場合です。
研究計画書の方向性が変わったにもかかわらず、志望理由書の内容が古い方向性のまま残っていることがあります。
その場合、書類全体として一貫性が弱くなってしまいます。
提出前には、志望理由書と研究計画書を並べて読み、以下の流れが自然につながっているか確認しましょう。
「なぜその研究テーマに関心を持ったのか」
「なぜその研究室で研究したいのか」
「入学後に何をどのように研究するのか」
「修了後にその研究をどう活かしたいのか」
この流れが自然であれば、書類全体の説得力が高まります。

リョウジ
志望理由書と研究計画書は、別々に見えるようで実はつながっています。提出前には必ず並べて読み、一貫性があるか確認しましょう!
11-5. AIで作ったような文章になっていないか確認する
近年は、志望理由書の作成にAIを活用する受験生も増えています。
AIを使うこと自体が悪いわけではありません。
構成を整理したり、誤字脱字を確認したり、文章を読みやすく整えたりするうえでは、AIは便利なツールです。
しかし、AIに丸投げして作ったような文章をそのまま提出するのは避けるべきです。
AIが作った文章は、一見するときれいにまとまっているように見えます。
しかし、内容をよく見ると、以下のような特徴が出やすいです。
- どの大学院にも当てはまりそうな表現が多い
- 自分の具体的な経験が入っていない
- 志望研究室との接点が浅い
- 研究テーマが抽象的である
- 面接で深掘りされたときに説明しづらい
- 文章はきれいだが、自分の問題意識が見えにくい
大学教授や入試担当者は、多くの志望理由書を読んでいます。
そのため、AIに丸投げしたような抽象的で中身の薄い文章は、違和感を持たれやすいです。
志望理由書で重要なのは、文章がきれいなことだけではありません。
自分の経験、問題意識、研究テーマ、志望先との接点が、自分の言葉で書かれていることが重要です。
提出前には、次のような視点で確認しましょう。
- この文章は自分の経験に基づいているか
- 自分にしか書けない内容が入っているか
- 志望研究室について自分で調べた内容が反映されているか
- 面接で聞かれても自分の言葉で説明できるか
- AIが作ったような抽象表現だけになっていないか
AIを使う場合でも、最終的には必ず自分の言葉で書き直しましょう。
- 自分の経験が入っているか:
卒業研究、ゼミ、授業、実務経験など、自分にしか書けない具体的な内容を入れましょう。 - 志望先との接点が具体的か:
研究室名や教員名だけでなく、どの研究に関心を持ったのかまで書きましょう。 - 抽象表現だけになっていないか:
「専門性を高めたい」「社会に貢献したい」だけで終わらず、何をどう深めたいのかを書きましょう。 - 自分の言葉で説明できるか:
面接で聞かれたときに、自分の言葉で自然に説明できる内容になっているか確認しましょう。
11-6. 面接で説明できる内容になっているか確認する
志望理由書は、面接でも深掘りされる可能性があります。
そのため、提出前には「この内容を面接で聞かれたら答えられるか」という視点で見直しましょう。
特に、以下のような内容を書いている場合は、面接で質問されやすいです。
- 指導教員の研究に関心を持った
- 特定の研究テーマに取り組みたい
- 特定の研究手法を使いたい
- 社会課題の解決に貢献したい
- 修了後は研究職や専門職を目指したい
たとえば、「〇〇教授の研究に関心を持ちました」と書いた場合、面接では「〇〇教授のどの研究に関心を持ちましたか」と聞かれる可能性があります。
また、「△△という課題を解決したい」と書いた場合は、「なぜその課題が重要だと考えていますか」と深掘りされる可能性があります。
このとき、志望理由書に書いた内容を自分の言葉で説明できなければ、準備不足に見えてしまうことがあります。
提出前には、以下の質問に答えられるか確認しておきましょう。
- なぜ大学院に進学したいのか
- なぜその研究科・専攻なのか
- なぜその研究室・指導教員なのか
- なぜその研究テーマに関心を持ったのか
- 入学後にどのように研究を進めたいのか
- 修了後に研究内容をどう活かしたいのか
- 研究計画書との関係を説明できるか
志望理由書は、書類として整っているだけでなく、面接で話せる内容になっていることが重要です。

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提出前に「この内容を面接で聞かれたら答えられるか」を確認しましょう。志望理由書と面接回答がつながっていると、本番でも話しやすくなります!
11-7. 第三者に読んでもらう
志望理由書は、自分だけで見直すだけでなく、可能であれば第三者にも読んでもらいましょう。
自分では問題ないと思っていても、他の人が読むと、分かりにくい表現や論理の飛びが見つかることがあります。
特に、以下のような点は第三者の視点で確認してもらうと効果的です。
- 志望理由が分かりやすいか
- 研究テーマが伝わるか
- 文章の流れに違和感がないか
- 専門外の人が読んでも理解できるか
- 誤字脱字や文体の乱れがないか
- 研究計画書と矛盾していないか
読んでもらう相手としては、大学の教員、ゼミの先生、先輩、同級生、院試対策に詳しい人などが考えられます。
ただし、誰に読んでもらう場合でも、最終的には自分の言葉として納得できる内容にすることが大切です。
添削を受けた結果、文章がきれいになっても、自分で説明できない内容になってしまっては意味がありません。
第三者の意見は参考にしながらも、最終的には自分の問題意識や研究テーマが伝わる文章に仕上げましょう。
- 内容が伝わるか:
研究テーマ、志望理由、将来像が読み手に伝わるか確認してもらいましょう。 - 文章が自然か:
一文が長すぎないか、文体が不自然でないかを見てもらいましょう。 - 面接で説明できそうか:
書いている内容を、本人が自分の言葉で話せそうか確認してもらいましょう。
11-8. 最終提出前のチェックリスト
最後に、志望理由書を提出する直前に確認すべき項目をまとめます。
以下の項目にすべてチェックが入る状態まで確認してから提出しましょう。
- 大学院進学を志望する理由が明確に書かれている
- なぜその研究科・専攻なのかが説明されている
- なぜその研究室・指導教員なのかが説明されている
- 入学後に取り組みたい研究テーマが明確である
- 研究計画書との一貫性がある
- 修了後の進路や将来像と研究内容がつながっている
- どの大学院にも使い回せる文章になっていない
- AIに丸投げしたような抽象的な文章になっていない
- 自分の経験や問題意識が入っている
- 面接で深掘りされても自分の言葉で説明できる
- 募集要項の指定フォーマットを守っている
- 字数制限・枚数制限を守っている
- 大学名・研究科名・研究室名・教員名に誤りがない
- 誤字脱字がない
- 文体が統一されている
- 一文が長すぎず、読みやすい文章になっている
志望理由書は、大学院入試において自分の研究への関心や志望先とのマッチ度を伝える重要な書類です。
提出前には、内容面、形式面、研究計画書との一貫性、面接での説明しやすさまで確認しましょう。
特に、志望理由書は面接でも深掘りされる可能性があります。
そのため、きれいな文章を提出することだけを目的にするのではなく、自分の言葉で説明できる内容に仕上げることが大切です。
次の章では、志望理由書の作成に不安がある場合の対策について解説していきます。
12. 志望理由書の作成に不安がある場合
ここまで、志望理由書の書き方や注意点について解説してきました。
しかし、実際に自分で書こうとすると、「何から書き始めればよいか分からない」「研究計画書とのつなげ方が難しい」「志望理由が浅く見えないか不安」と感じる方も多いはずです。
特に大学院入試の志望理由書では、単に文章を整えるだけでは不十分です。
研究テーマ、志望研究室との接点、将来像、研究計画書との一貫性まで考える必要があります。
そのため、志望理由書の作成に不安がある場合は、早めに第三者の視点を入れることが大切です。

リョウジ
志望理由書は、自分だけで見直していると、どこが分かりにくいのか気づきにくいです。早めに第三者に見てもらうことで、内容のズレや説得力の弱さを修正しやすくなります!
12-1. 志望理由書は自分だけで完成させるのが難しい
志望理由書は、自分の考えを書く書類です。
しかし、自分の考えを書くからこそ、客観的に見直すのが難しい書類でもあります。
たとえば、自分では十分に説明できているつもりでも、読み手から見ると以下のように感じられることがあります。
- なぜその研究テーマなのかが分かりにくい
- 志望研究室との接点が弱い
- 研究計画書とのつながりが見えにくい
- 将来像と研究内容がつながっていない
- 文章は丁寧だが、内容が抽象的である
- 面接で深掘りされたときに答えにくそうである
このような問題は、自分だけで読んでいるとなかなか気づけません。
なぜなら、自分の頭の中では背景や理由が分かっているため、文章に書かれていない部分も自然に補って読んでしまうからです。
しかし、大学院入試では、面接官や入試担当者は受験生の背景をすべて知っているわけではありません。
そのため、志望理由書では、自分の中では当たり前だと思っていることも、読み手に伝わるように書く必要があります。
志望理由書は、自分の考えを整理する書類であると同時に、読み手に伝えるための書類です。
そのため、作成後は必ず「初めて読む人にも伝わるか」という視点で見直しましょう。
- 説明不足:
自分では分かっているつもりでも、読み手には背景や理由が伝わっていないことがあります。 - 論理の飛び:
過去の経験、研究テーマ、志望理由、将来像のつながりが弱く見えることがあります。 - 抽象表現の多さ:
「専門性を高めたい」「社会に貢献したい」など、具体性が不足している場合があります。 - 面接での説明しにくさ:
文章としては整っていても、面接で深掘りされたときに答えづらい内容になっていることがあります。
12-2. 添削では「文章のきれいさ」だけでなく「内容の一貫性」を見ることが重要
志望理由書を誰かに見てもらう場合、誤字脱字や表現の自然さだけを確認してもらうのでは不十分です。
もちろん、文章の読みやすさは大切です。
しかし、大学院入試の志望理由書でより重要なのは、内容の一貫性です。
特に、以下の点を確認する必要があります。
- 研究テーマは明確か
- そのテーマに関心を持った理由は自然か
- 志望研究室との接点は具体的か
- 研究計画書の内容とズレていないか
- 修了後の将来像と研究内容がつながっているか
- 面接で説明できる内容になっているか
たとえば、文章としてはきれいでも、「なぜその研究室なのか」が書かれていなければ、志望理由書としては弱くなります。
また、志望理由書では教育分野に関心があると書いているのに、研究計画書ではまったく別のテーマを扱っている場合、書類全体として一貫性が弱く見えてしまいます。
そのため、志望理由書の添削では、単に表現を整えるだけではなく、研究計画書や面接回答まで見据えて内容を確認することが重要です。

リョウジ
志望理由書の添削では、誤字脱字だけでなく「研究計画書とつながっているか」「面接で説明できるか」まで確認することが重要です!
12-3. AIだけに頼るのではなく、自分の言葉で仕上げる
志望理由書の作成にAIを活用する方も増えています。
AIは、文章構成を整理したり、表現を自然にしたり、誤字脱字を確認したりするうえでは便利です。
しかし、AIに丸投げして作成した文章をそのまま提出するのは避けましょう。
AIが作る文章は、一見すると丁寧で整っているように見えます。
しかし、内容が抽象的になりやすく、どの大学院にも当てはまるような文章になってしまうことがあります。
特に、大学院入試では、志望理由書に書かれた内容が面接で深掘りされます。
AIが作った文章を自分の理解が浅いまま提出してしまうと、面接で質問されたときに答えられない可能性があります。
また、大学教授や入試担当者は多くの志望理由書を読んでいます。
そのため、AIに丸投げしたような文章は、読めば違和感を持たれやすいです。
志望理由書で大切なのは、きれいな文章を書くことだけではありません。
自分がどのような経験から問題意識を持ち、なぜその研究テーマを選び、なぜその研究室で研究したいのかを、自分の言葉で説明することです。
AIを使う場合でも、最終的には必ず自分の経験や考えを入れ、自分の言葉で仕上げましょう。
- 構成整理に使う:
文章の流れや見出し、盛り込むべき要素を整理するために活用しましょう。 - 表現調整に使う:
不自然な表現や読みづらい文章を整える補助として使いましょう。 - 丸投げしない:
AIが作った文章をそのまま提出せず、自分の経験や研究テーマに合わせて必ず自分の言葉で書きましょう。 - 面接で説明できる状態にする:
書いた内容について、なぜそう考えたのかを自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
12-4. 志望理由書に不安がある場合はINPASSに相談するのも一つの方法
志望理由書の作成に不安がある場合は、大学院入試対策の専門サポートを活用するのも一つの方法です。
特に、以下のような方は、早めに相談することで準備を進めやすくなります。
- 研究計画書とのつなげ方が分からない
- 志望理由が抽象的になってしまう
- 志望研究室との接点をどう書けばよいか分からない
- 文章を書いてみたが、説得力があるか不安
- 面接で深掘りされたときに答えられるか不安
- 短期間で出願書類を仕上げる必要がある
INPASSでは、大学院入試に向けた志望理由書・研究計画書・面接対策などのサポートを行っています。
志望理由書だけを単独で見るのではなく、研究計画書や志望研究室との接点、面接での回答まで含めて、出願書類全体の一貫性を確認しながら対策できます。
特に大学院入試では、書類と面接がつながっています。
志望理由書に書いた内容は、面接で質問される可能性があります。
そのため、書類作成の段階から面接を見据えて準備することが大切です。
一人で作成していて不安がある場合は、第三者の視点を入れながら、志望理由書の完成度を高めていきましょう。

リョウジ
志望理由書は、研究計画書や面接とセットで考えることが大切です。不安がある場合は、早めに相談して、書類全体の方向性を整えていきましょう!
12-5. INPASSでサポートできること
INPASSでは、大学院入試に向けて、志望理由書の作成だけでなく、出願書類全体の対策をサポートしています。
たとえば、以下のようなサポートが可能です。
- 志望理由書の構成整理
- 研究計画書との一貫性チェック
- 志望研究室との接点の整理
- 文章表現の添削
- 面接で深掘りされそうな質問の整理
- 志望理由書をもとにした面接対策
- 出願スケジュールに合わせた準備計画の作成
特に、院試本番まで時間が限られている場合は、やみくもに書き直すのではなく、優先順位をつけて対策することが重要です。
志望理由書で最優先すべきなのは、文章をきれいにすることではありません。
まずは、研究テーマ、志望理由、志望研究室との接点、研究計画書との一貫性を整えることです。
そのうえで、読みやすい文章に整えていくことで、より説得力のある志望理由書に近づきます。
- 構成整理:
大学院進学の理由、志望研究室との接点、入学後の研究内容、将来像を整理します。 - 研究計画書との一貫性チェック:
志望理由書と研究計画書の内容にズレがないか確認します。 - 面接を見据えた添削:
志望理由書に書いた内容について、面接で深掘りされても説明できる状態を目指します。 - 短期対策の優先順位づけ:
院試まで時間がない場合でも、重要度の高い箇所から効率よく対策します。
12-6. 早めに相談することで修正の余地が広がる
志望理由書の作成に不安がある場合は、できるだけ早めに相談することをおすすめします。
出願直前になると、募集要項の確認、研究計画書の修正、証明書類の準備、面接対策など、やるべきことが一気に増えます。
そのため、志望理由書だけに十分な時間をかけられなくなることがあります。
また、志望理由書は一度書いて終わりではなく、研究計画書や志望研究室の情報に合わせて修正が必要になる場合もあります。
早めに第三者の視点を入れておけば、以下のような修正がしやすくなります。
- 研究テーマの方向性を調整する
- 志望理由をより具体化する
- 研究室との接点を補強する
- 研究計画書とのズレを修正する
- 面接で答えにくい表現を直す
- 文章全体の流れを整理する
反対に、提出直前になってから大きな方向性のズレに気づくと、修正に時間がかかってしまいます。
志望理由書は、研究計画書や面接対策とも深く関わる書類です。
そのため、できるだけ早い段階で方向性を整え、出願直前は細かな表現や誤字脱字の確認に時間を使える状態にしておきましょう。

リョウジ
出願直前になると、書類修正に使える時間が限られます。早めに方向性を確認しておくと、研究計画書や面接対策にもつなげやすくなります!
12-7. 志望理由書は「合格に向けた準備」の一部として考える
志望理由書は、単体で完結する書類ではありません。
大学院入試では、志望理由書、研究計画書、筆記試験、面接などを通じて、総合的に評価されます。
そのため、志望理由書だけをきれいに仕上げるのではなく、出願書類全体や面接対策とつなげて考えることが重要です。
特に、志望理由書で書いた内容は、面接で質問される可能性があります。
そのため、志望理由書を作成するときは、以下の点まで意識しましょう。
- 研究計画書と内容がつながっているか
- 面接で深掘りされても説明できるか
- 志望研究室との接点を自分の言葉で話せるか
- 将来像と研究内容の関係を説明できるか
- 出願後の面接対策に活かせる内容になっているか
志望理由書は、合格に向けた準備の一部です。
だからこそ、文章だけを整えるのではなく、研究計画書や面接まで見据えて作成することが大切です。
不安がある場合は、一人で抱え込まず、早めにINPASSに相談しながら準備を進めていきましょう。
- 自分だけで抱え込まない:
志望理由書は客観的な視点を入れることで、説明不足や論理のズレに気づきやすくなります。 - 文章だけでなく内容を見る:
誤字脱字だけでなく、研究テーマ、志望理由、研究計画書との一貫性を確認しましょう。 - AIに丸投げしない:
AIは補助として使う程度にとどめて、基本的には自分の経験や問題意識を自分の言葉でゼロから書きましょう。 - 面接まで見据える:
志望理由書に書いた内容を、面接で自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。 - 早めに相談する:
出願直前ではなく、余裕のある段階で第三者の視点を入れることで、修正の幅が広がります。
志望理由書の作成に不安がある場合でも、正しい手順で整理すれば、内容を改善していくことは可能です。
大切なのは、自分の研究テーマや志望先との接点を明確にし、研究計画書や面接対策まで一貫して準備することです。
志望理由書を通じて、自分がなぜ大学院で研究したいのか、なぜその研究室なのかをしっかり伝えられるようにしましょう。
次の章では、ここまでの内容を踏まえて、志望理由書作成のポイントをまとめます。
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13. まとめ:志望理由書は「なぜその大学院で研究したいのか」を伝える重要書類
本記事では、大学院入試における志望理由書の役割や書き方、注意点について解説してきました。
志望理由書は、単に「大学院に進学したいです」と伝えるための書類ではありません。
大学院側に対して、なぜ大学院へ進学したいのか、なぜその研究科・専攻・研究室を志望するのか、入学後にどのような研究へ取り組みたいのかを伝えるための重要な書類です。
特に大学院入試では、「なぜその大学院でなければならないのか」「なぜその研究室で研究したいのか」を具体的に示すことが大切です。

リョウジ
志望理由書で大切なのは、きれいな文章を書くことだけではありません。自分の研究テーマと志望先との接点を、自分の言葉で伝えることが重要です!
13-1. 志望理由書では研究計画書との一貫性が重要
志望理由書と研究計画書は、別々の書類ではありますが、内容には一貫性が必要です。
志望理由書では「なぜその研究をしたいのか」を伝え、研究計画書では「何をどのように研究するのか」を示します。
そのため、志望理由書と研究計画書の内容がズレていると、書類全体として説得力が弱くなってしまいます。
たとえば、志望理由書では教育支援に関心があると書いているのに、研究計画書ではまったく別の分野を扱っている場合、面接で深掘りされた際に説明しづらくなります。
志望理由書を書く際は、研究計画書の方向性をある程度固めたうえで、以下の流れを意識しましょう。
- なぜその研究テーマに関心を持ったのか
- なぜその研究科・研究室で研究したいのか
- 入学後にどのような研究へ取り組みたいのか
- 修了後にその研究をどう活かしたいのか
この流れが自然につながっていると、志望理由書にも研究計画書にも一貫性が生まれます。
13-2. 志望理由書は面接対策にもつながる
志望理由書は、提出して終わりの書類ではありません。
大学院入試の面接では、志望理由書に書いた内容をもとに質問されることがあります。
たとえば、以下のような質問です。
- なぜ本研究科を志望したのですか
- なぜこの研究室を志望したのですか
- なぜその研究テーマに関心を持ったのですか
- 入学後はどのような研究に取り組みたいですか
- 修了後はどのような進路を考えていますか
そのため、志望理由書に書いた内容は、面接でも自分の言葉で説明できるようにしておく必要があります。
志望理由書を作成するときは、「この内容を面接で聞かれたら答えられるか」という視点を持つことが大切です。
特に、指導教員の研究内容や研究室との接点に触れる場合は、表面的に書くのではなく、どの研究に関心を持ったのか、なぜ自分の研究テーマとつながるのかまで説明できるようにしておきましょう。
- 研究テーマを明確にする:
大学院で何を研究したいのかが伝わるように、テーマを具体化しましょう。 - 志望研究室との接点を書く:
自分の研究関心と、志望研究室・指導教員の研究内容がどのようにつながるのかを示しましょう。 - 研究計画書と一貫させる:
志望理由書と研究計画書で、問題意識や研究テーマにズレがないか確認しましょう。 - 面接で説明できる内容にする:
書いた内容について、面接で深掘りされても自分の言葉で答えられるようにしておきましょう。
13-3. AIに丸投げせず、自分の言葉で書くことが大切
志望理由書の作成にAIを活用することはできます。
文章構成を整理したり、誤字脱字を確認したり、表現を整えたりするうえでは、AIは便利な補助ツールです。
しかし、AIに丸投げして作成した文章をそのまま提出するのは避けましょう。
AIが作成した文章は、一見きれいに見えても、どの大学院にも当てはまるような抽象的な内容になりやすいです。
また、大学教授や入試担当者は、多くの志望理由書を読んでいます。
そのため、AIに丸投げしたような文章は、読めば違和感を持たれやすいです。
志望理由書で大切なのは、自分の経験や問題意識をもとに、自分の言葉で書くことです。
AIを使う場合でも、最終的には必ず自分の研究テーマ、志望研究室との接点、将来像に合わせて書き直しましょう。
13-4. 志望理由書は早めに準備することが重要
志望理由書は、短時間で一気に書き上げるのが難しい書類です。
研究計画書との一貫性を確認したり、志望研究室の情報を調べたり、面接で聞かれそうな内容を整理したりする必要があるためです。
特に、複数の大学院を受験する場合は、大学院ごとに志望理由書の内容を調整しなければなりません。
そのため、出願直前に慌てて作成するのではなく、早めに準備を始めることが大切です。
早めに準備を始めれば、研究計画書とのズレを修正したり、第三者に添削してもらったり、面接対策につなげたりしやすくなります。

リョウジ
志望理由書は、研究計画書や面接対策ともつながる書類です。出願直前に慌てて書くのではなく、早めに方向性を固めておきましょう!
13-5. 志望理由書作成に不安がある場合は早めに相談しよう
志望理由書の作成に不安がある場合は、一人で抱え込まず、早めに第三者へ相談することも大切です。
自分では問題ないと思っていても、第三者が読むと、説明不足や論理のズレが見つかることがあります。
特に、以下のような不安がある場合は、早めに相談するのがおすすめです。
- 研究テーマがうまく言語化できない
- 志望研究室との接点が書けない
- 研究計画書とのつなげ方が分からない
- 文章が抽象的になってしまう
- 面接で深掘りされたときに答えられるか不安
- 出願まで時間がなく、何から優先すべきか分からない
INPASSでは、大学院入試に向けて、志望理由書・研究計画書・面接対策などを総合的にサポートしています。
志望理由書だけを単独で見るのではなく、研究計画書との一貫性や志望研究室との接点、面接での回答まで見据えながら対策を進めることができます。
大学院入試では、出願書類と面接がつながっています。
だからこそ、志望理由書を作成する段階から、合格に向けた準備全体を意識することが重要です。
- なぜ大学院に進学したいのか:
学部での学びや研究経験、問題意識とつながっているか確認しましょう。 - なぜその研究科・研究室なのか:
志望先の研究内容や指導教員の専門分野と、自分の研究テーマがつながっているか確認しましょう。 - 何を研究したいのか:
入学後に取り組みたい研究テーマが、読み手に伝わる具体性になっているか確認しましょう。 - 研究計画書とズレていないか:
志望理由書と研究計画書で、問題意識や研究テーマが一貫しているか確認しましょう。 - 自分の言葉で説明できるか:
面接で深掘りされても、自分の言葉で答えられる内容になっているか確認しましょう。
志望理由書は、大学院入試において、自分の研究への関心や志望先とのマッチ度を伝える重要な書類です。
書き方に迷ったときは、まず「なぜその研究をしたいのか」「なぜその研究室なのか」「入学後に何を研究したいのか」を整理しましょう。
そのうえで、研究計画書との一貫性を確認し、面接でも自分の言葉で説明できる状態にしておくことが大切です。
志望理由書を通じて、自分が大学院で研究したい理由を明確に伝え、合格に向けた準備を進めていきましょう。
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