海外大学院への進学を考え始めたものの、どの大学を選べばよいのか分からず、情報収集の段階で立ち止まってしまう方は少なくありません。
世界には数多くの大学院があり、同じ分野を扱うプログラムであっても、学べる内容や研究環境、指導を受けられる教授、学費、修了後の進路は大きく異なります。そのため、大学の知名度や世界ランキングだけを見て志望校を決めると、入学後に「想定していた研究ができない」「希望するキャリアにつながらない」といったミスマッチが起こる可能性があります。
海外大学院を探すにあたり、「何から調べればよいのか」「どのような基準で比較すればよいのか」「候補校をどう絞ればよいのか」と悩んでいる方も多いでしょう。
筆者自身も、海外大学院への進学を検討し始めた当初は、大学の知名度やランキングを基準に候補校を探していました。しかし、カリキュラム、研究内容、教授、出願要件、現地での生活環境を詳しく比較するうちに、ランキングの高さだけでは自分に適した進学先を判断できないことに気づきました。
最終的には、世界的な知名度よりも、修了後のキャリアにつながる学位や資格を取得できること、治安や生活環境が自分に合っていることに魅力を感じました。その結果、当時、日本人の大学院生が筆者一人だけだったヨーロッパの大学院へ進学しています。
そこで本記事では、海外大学院を探す前に整理すべきことから、情報収集、ランキングの使い方、国別比較、教授選び、費用、出願条件、志望校リストの作成までを順番に解説します。
大学名だけで進学先を決めるのではなく、自分の研究テーマやキャリアに合った大学院を見つけるための考え方を確認していきましょう。
Q. 海外大学院は、世界ランキングが高い大学を優先して選ぶべきですか?
A.
ランキングは候補校を見つけるための入口として役立ちます。ただし、大学院では研究テーマ、教授、カリキュラムとの相性が重要です。総合順位だけで決めず、分野別の評価や大学公式サイトの情報まで確認しましょう。
本記事は、オンライン院試塾INPASSが、海外大学院への進学経験者による実体験をもとに、志望校選びで確認すべきポイントを整理したものです。


リョウジ
海外大学院探しでは、最初から一校に決める必要はありません。まずは広く候補を集め、研究内容・費用・出願条件を確認しながら段階的に絞ることが大切です。
海外大学院を探す前に考えておきたいこと
海外大学院を探す際、最初から大学名やランキングを眺め始める必要はありません。まず整理したいのは、「なぜ海外大学院へ進学したいのか」と「大学院で何を研究したいのか」という二つの軸です。
目的と研究テーマが曖昧なまま大学を探すと、候補が無制限に増え、比較する基準も定まりません。反対に、大学院で達成したいことを言語化できれば、候補となる国、学位、プログラムの条件が自然に見えてきます。
- 進学目的:研究者を目指すのか、現地就職やキャリアアップを目指すのか
- 研究テーマ:大学院で深めたい分野や解決したい課題は何か
- 優先順位:研究環境、費用、生活環境、学位、就職のどれを重視するか
海外大学院へ進学したい理由を明確にする
志望校を探す前に、「なぜ大学院へ進学するのか」を明らかにしましょう。進学の目的によって、優先すべき大学やプログラムの特徴が変わるためです。
将来的に研究者を目指している場合は、希望分野で研究成果を上げている大学や、自分の研究テーマに近い教授が在籍する大学院を優先して探す必要があります。
一方、修了後に留学先の国で就職したい場合は、研究環境だけでなく、大学のキャリア支援、インターンシップ制度、企業との連携、卒業後の就労ビザ制度なども重要です。
社会人が専門性を高め、転職やキャリアアップにつなげたい場合は、研究中心のプログラムよりも、実務的な授業やプロジェクトを重視するプログラムが適していることもあります。
大学院で何を得たいのかによって、適切な国・学位・プログラムは変わります。大学を検索する前に、進学後のゴールを整理しておきましょう。
筆者の例①
筆者は当初、日本国内の大学院へ進学することを考えていました。しかし、高校時代に経験した海外生活が忘れられず、社会人として働いた後に、海外大学院へ進むことを決めました。
国内大学院の受験準備を経験していたことから、学びたい専攻はすでに決まっていました。そのうえで、単に修士号を取得できるだけでなく、修了後に専門資格も得られることを重視して進学先を探しました。
社会人経験を経ていたため、大学院で何を達成したいのか、修了後にどのような仕事へつなげたいのかが比較的明確だったことは、志望校を選ぶうえで大きな助けになりました。
何を研究したいのかを整理する
海外大学院では、「この大学へ行きたい」という大学名からの発想よりも、「このテーマを研究したい」という研究内容から進学先を探すことが一般的です。
大学院は、学部までに身につけた知識を土台として、自ら問いを立て、特定のテーマを深く研究する場所だからです。特に研究型の修士課程や博士課程では、研究テーマと指導教授との相性が、入学後の研究活動を大きく左右します。
研究テーマがまだ具体的に決まっていない場合は、興味のある分野や、学部・仕事を通して問題意識を持ったテーマを書き出してみましょう。
- 人工知能
- 機械学習
- データサイエンス
- ソフトウェア工学
- サイバーセキュリティ
- Human-Computer Interaction
- AI倫理
たとえば、情報系であっても分野を細かく分けることで、自分が探すべきプログラムや教授が見つかりやすくなります。
筆者の例②
筆者が選んだのは、修了時に留学先の大学とアメリカの提携大学の二つから修士号を取得できる「デュアルマスターズ・プログラム」でした。
研究内容が自分の興味と一致していたことに加え、二つの大学の学位を得られる点にも魅力を感じました。
アメリカの大学は学費が高いことで知られています。一方、筆者が進学したプログラムでは、生活費が比較的低く、学費も抑えられている国立大学に在籍しながら、アメリカの提携大学の修士号も取得できました。
費用を抑えつつ、二つの国の教育や学位に触れられることは、将来の可能性を広げる選択肢として魅力的でした。
テーマで検索する際はコースの詳細まで確認する
自分の専門分野に近い海外大学院を探す際は、専攻名だけで判断しないことが重要です。日本と海外では、似た内容を扱うプログラムでも名称が異なることがあります。
たとえば、日本で「情報工学」と呼ばれる分野は、海外ではInformation Engineering、Computer Science、Software Engineering、Artificial Intelligence、Machine Learning、Data Science、Cybersecurityなどに細かく分かれています。
プログラム名を確認した後は、授業科目、研究室、担当教授、修士論文やプロジェクトの有無まで調べましょう。

リョウジ
同じ「Computer Science」という名称でも、理論中心・ソフトウェア開発中心・AI中心など、大学によって中身は異なります。名称ではなく、実際の科目一覧まで確認してください。
ランキングは判断材料の一つとして使う
世界中にある大学院を一校ずつ調べるのは現実的ではありません。そのため、大学ランキングは候補となる大学を発見する入口として役立ちます。
ただし、ランキング上位の大学が、自分に最も適した大学院であるとは限りません。大学院選びでは、研究テーマとの一致、指導教授、カリキュラム、研究型か実務型か、学費、生活環境、修了後のキャリアも比較する必要があります。
筆者の例③
筆者も大学院を探し始めた当初は、ランキング上位に掲載されている世界的に有名な大学を中心に調べていました。
しかし、各大学の授業、取得できる資格、現地での暮らしまで確認すると、ランキングだけでは自分に合う大学院を判断できないことを実感しました。
海外大学院選びで大切なのは、大学名だけではなく、研究テーマ、将来のキャリア、学習環境との相性です。ランキングは複数ある判断材料の一つとして利用しましょう。
海外大学院を探す具体的な方法
海外大学院の情報を集める方法は一つではありません。ランキングだけで絞り込まず、大学公式サイト、教授や研究室、学術論文、卒業生の進路、SNSなどを組み合わせることが重要です。
- 大学公式サイト
- QS・THEなどの大学ランキング
- Googleの英語検索
- 教授・研究室のページ
- Google ScholarやResearchGateなどの論文検索
- 留学エージェント・進学支援サービス
- 卒業生・在学生・LinkedIn・留学生ブログ
大学公式サイトから探す
大学公式サイトは、最も信頼性の高い情報源です。プログラム概要、カリキュラム、教授一覧、研究室、学費、奨学金、出願条件、留学生向けの手続きなどが掲載されています。
候補校が見つかったら、ランキングサイトや個人ブログだけで判断せず、必ず大学公式サイトで最新情報を確認してください。
- ProgramまたはCourse
- Curriculum
- Faculty
- Research
- Admissions
- Tuition and Fees
- ScholarshipsまたはFunding
- International Students
研究型のプログラムを探している場合は、特にFacultyとResearchのページを重点的に確認します。
大学ランキングサイトから探す
QSやTimes Higher Educationなどのランキングは、世界中の大学を一覧で比較し、候補を広げる際に便利です。国別、地域別、分野別に検索できるため、これまで知らなかった大学を見つけるきっかけになります。
ただし、大学全体の評価と、自分の研究テーマとの相性は別です。ランキングで候補を見つけた後は、公式サイトへ移動し、プログラムの内容を詳しく調べましょう。
Google検索で探す
研究テーマや専門分野がある程度決まっている場合は、Google検索も有効です。日本語よりも、英語で「研究分野・地域・学位」を組み合わせると候補を見つけやすくなります。
Master of Science in Blockchain Technology EuropeCognitive Science PhD top universitiesSustainable Energy Research Lab USData Science Master Germany EnglishPublic Policy Graduate Program Canada
日本語の専攻名をそのまま英訳するだけでなく、関連する複数の英語表現を試すことがポイントです。
教授や研究室のページから探す
研究型の修士課程や博士課程を検討している場合、教授や研究室のページは必ず確認したい情報源です。教授のプロフィールからは、研究分野、担当授業、主要論文、進行中のプロジェクトなどを把握できます。
研究室のページには、所属学生、共同研究先、利用技術やデータ、過去の修了生の進路などが掲載されている場合があります。大学名や専攻名だけでは分からない実際の研究活動を確認できます。
論文や研究テーマから探す
研究職を目指している方や、研究したいテーマが明確な方には、論文から大学院を探す方法も適しています。関心分野の論文を読み、著者が所属している大学や研究室を確認します。
- Google Scholar
- ResearchGate
- Semantic Scholar
最近発表された論文を確認すれば、その教授が現在取り組んでいるテーマを把握できます。研究内容から教授を見つけ、その教授が所属する大学を候補に加える方法です。
留学エージェントや進学支援サービスを活用する
自分だけで出願準備を進めることに不安がある場合は、留学エージェントや海外大学院の進学支援サービスを利用する方法もあります。
- 志望校選び
- 必要書類の整理
- 出願スケジュールの管理
- SOPやCVの添削
- 面接対策
- 入学手続きのサポート
英語での情報収集に不安がある方や、仕事と並行して準備する社会人には負担を減らせる可能性があります。
一方、エージェントによっては提携先などの事情から紹介できる大学が限られている場合があります。紹介された大学だけで判断せず、自分でも公式サイトを確認してください。
卒業生・在学生・SNS・LinkedInから情報を集める
大学公式サイトだけでは、実際の授業の雰囲気、教授との距離、現地の生活、就職活動の実態まで分からないことがあります。そこで役立つのが、卒業生や在学生の体験談です。
LinkedInで大学名やプログラム名を検索すると、その大学院を修了した人が、卒業後にどのような企業や研究機関へ進んでいるかを確認できます。
留学生のブログやSNSでは、出願時の経験、授業の難易度、住居探し、生活費など、公式情報では得にくい内容を知ることができます。
ただし、SNSや個人ブログは一人の経験に基づく情報です。制度や出願条件については必ず大学公式サイトで確認してください。

リョウジ
情報収集は「ランキングで候補を探す→公式サイトで確認する→教授や研究内容を調べる→卒業生の進路や口コミを見る」という順番で進めると整理しやすくなります。
大学ランキングの見方
大学ランキングは、世界中の大学を比較し、候補校を発見するための便利な情報源です。しかし、ランキングだけで志望校を決めると、自分の研究テーマや学びたい内容に合わない大学を選ぶ可能性があります。
大学院は学部よりも専門性が高いため、ランキングは志望校を決める最終評価ではなく、候補校を広げるための資料として使うことが大切です。
- QS:評判・国際性・企業評価を含めて幅広く大学を探したい場合
- THE:教育・研究の質や論文の影響力を重視する場合
- U.S. News:論文数・引用数・国際共同研究など研究成果を比較する場合
QS World University Rankings
QS World University Rankingsは、世界的に知名度の高い大学ランキングの一つです。学術的評価、企業からの評価、研究力、国際性など、複数の指標を使って総合順位を算出しています。
ランキングに加え、大学ごとの学費、生活費、出願条件、奨学金などを検索できる総合的なプラットフォームでもあるため、志望校探しの入口として利用できます。
QSの特徴
- 世界的な知名度が高い
- 学術評価や企業評価を重視している
- 研究力と国際性を含む複数の指標で評価する
- 分野別ランキングが充実している
- 大学の評判や国際性が高い有名大学が上位になりやすい
QSの使い方
- 総合ランキングで大学全体の評価や各国の有力大学を確認する
- 自分が学びたい分野のランキングに切り替える
- 候補となる大学を複数選ぶ
- 大学公式サイトでカリキュラム、教授、研究内容、出願条件を確認する
Times Higher Education(THE)
Times Higher Educationは、教育の質、研究力、国際性、産業界との連携などを評価する大学ランキングです。
QSが大学の評判や国際性を比較的重視するのに対し、THEは教育・研究の質や論文の影響力を細かく評価している点に特徴があります。研究環境を重視して大学院を選びたい方にとって参考にしやすいランキングです。
THEの特徴
- Teaching:教育環境や教育の質
- Research:研究量や研究力
- Citations:論文が与えた影響
- International Outlook:国際性
- Industry Income:産業界との連携
Engineering、Computer Science、Business、Psychologyなどの分野別ランキングもあり、企業との共同研究や実社会とのつながりが強い大学を探す際にも役立ちます。
THEの使い方
- 自分の専攻に近い分野別ランキングを見る
- ResearchとCitationsの評価を確認する
- 大学公式サイトのFacultyページと照合する
- 実務系分野ではIndustry Incomeも確認する
U.S. News Best Global Universities
U.S. News Best Global Universitiesは、論文数、引用数、国際共同研究など、研究活動を示すデータを用いて世界の大学を評価するランキングです。
QSやTHEでは評判や教育環境も評価に含まれますが、U.S. Newsは実際の研究成果を数値で比較する点に特徴があります。アメリカ国内だけでなく、世界各国の大学や分野別ランキングも確認できます。
U.S. Newsの特徴
- 論文数や引用数をもとに研究の量と質を比較する
- 国際共同研究の実績を確認できる
- 専門分野が細かく分類されている
- 国別・地域別の比較がしやすい
- 研究志向の修士課程や博士課程を探す際に適している
U.S. Newsの使い方
- 国別ランキングで大学の研究力を比較する
- 分野別ランキングで研究テーマに近い大学を探す
- 大学ごとの研究スコアを確認する
- 地域別ランキングで研究拠点を把握する
- 大学公式サイトで実際の研究テーマや教授を確認する
総合ランキングだけでなく分野別ランキングも確認する
総合順位では目立たない大学でも、特定の研究分野では世界トップクラスの実績を持っている場合があります。大学ごとに得意分野は異なるため、総合ランキングが高い大学よりも、自分の研究テーマに関する設備、教授、論文実績が充実している大学の方が適切な場合があります。
ランキングを確認する際の注意点
- ランキングによって評価基準が異なる
- 大学全体の評価であり、個別の研究テーマとの相性は反映されない
- 研究分野によって評価の高い大学は変わる
- 国際性や評判が順位に影響する場合がある
- 順位と実際の授業内容が一致するとは限らない

リョウジ
ランキングの数字よりも、「自分が学びたい授業があるか」「指導を受けたい教授がいるか」を優先してください。大学院では分野との相性が入学後の満足度に直結します。
国や地域によって異なる海外大学院の特徴
海外大学院は、国や地域によって教育制度や費用が異なります。修士課程の期間、学費、英語試験や標準試験の要否、卒業後の就労制度も大きく変わります。
| 国・地域 | 修士課程の期間 | 学費の目安 | 主な出願要件 | 就労制度・傾向 |
|---|---|---|---|---|
| アメリカ | 2年 | 年間300〜1,000万円 | GRE・TOEFLなど | OPTで1〜3年就労可能、研究職に強い |
| イギリス | 1〜1年半 | 年間250〜400万円 | IELTS中心、GRE不要の場合が多い | Graduate Routeで2年就労可能 |
| カナダ | 1〜2年 | 年間200〜350万円 | IELTS中心、研究型と授業型 | PGWPで最大3年就労可能 |
| オーストラリア | 1年半〜2年 | 年間250〜400万円 | IELTS中心 | 485ビザで就労可能 |
| ヨーロッパ | 1〜2年 | 年間30〜100万円程度の例もある | 英語プログラムあり | 制度は国ごとに異なる |
| アジア圏 | 1〜2年 | 年間50〜200万円 | 英語プログラムあり | 研究力が成長している地域も多い |
表は一般的な傾向であり、実際の制度や費用は国、大学、専攻によって異なります。
アメリカの大学院
アメリカは大学や研究機関の数が多く、先端的な研究設備や豊富な研究資金を持つ大学も多いため、研究志向の学生から人気があります。
- 修士課程は2年間が一般的
- 学費は年間300万円から、大学によっては1,000万円程度
- TOEFLに加えてGREなどを求める場合がある
- 研究室の裁量が大きく、教授との距離が比較的近い
- OPTにより修了後1〜3年間働ける可能性がある
学費は高額になりやすいものの、研究型プログラムではTAやRAによる学費免除や給与支給を受けられる場合があります。
イギリスの大学院
イギリスの修士課程は、一部を除き1年間で修了できるものが多く、短期間で専門性を身につけたい方に向いています。
- 修士課程は最短1年
- 学費は年間250〜400万円程度
- IELTSが広く利用されている
- GREを求めないプログラムが多い
- Graduate Routeによる卒業後の就労制度がある
年間学費が高くても、滞在期間が短いことで生活費を含めた総額を抑えられる可能性があります。
カナダの大学院
カナダは、アメリカと比べて学費を抑えやすく、留学生が卒業後に働くための制度も整っています。
- 修士課程は1〜2年
- 年間学費は200〜350万円程度
- 研究型のThesisコースと授業型のCourse-basedコースがある
- PGWPによって最大3年間働ける可能性がある
- 就労経験が永住権につながる場合がある
オーストラリアの大学院
オーストラリアには実務的なプログラムが多く、卒業後の就労制度を利用しやすい点も特徴です。
- 修士課程は1年半〜2年
- 年間学費は250〜400万円程度
- IELTSが主流
- 実践的な授業やプロジェクトが多い
- 卒業後に485ビザを取得できる場合がある
ヨーロッパの大学院
ヨーロッパには英語を公用語としない国が多くありますが、大学院では英語のみで修了できるプログラムも増えています。国公立大学を中心に、比較的学費を抑えられる国があることも特徴です。
- 修士課程は1〜2年程度
- 一部では年間学費が20〜30万円程度
- 英語で履修できるプログラムが多い
- 研究を重視する大学が多い
- 修了後にEU圏内で働く機会が生まれる場合がある
ただし、ヨーロッパの大学がすべて無料というわけではありません。授業料が無料でもSemester Feeなどの事務費用が必要な場合があり、EU圏外の学生だけに学費が設定されることもあります。
アジアの大学院
中国、シンガポール、香港、マレーシアなどの大学院は近年研究力を高めています。欧米と比較すると費用を抑えやすいケースもあり、学費と研究環境のバランスを重視する方から注目されています。
- 修士課程は1〜2年
- 年間学費は50〜200万円程度
- シンガポールや香港には世界的評価の高い大学がある
- 日本から比較的近く、生活環境に適応しやすい
- 英語で受講できるプログラムが増えている
具体的な大学から見る志望校の選び方
ここでは、世界的に知られている大学を例として、それぞれ評価されている分野、適している学生、確認したいポイントを紹介します。大学名だけではなく、自分の目的に合うかという視点で確認してください。
Harvard University(ハーバード大学)
Harvard Universityは、アメリカを代表する総合大学で、公共政策、ビジネス、教育学、社会科学などで高い評価を受けています。研究だけでなく、ケーススタディや議論を重視する教育環境も特徴です。
- 評価が高い分野:公共政策(HKS)、教育学、ビジネス、社会科学
- 向いている学生:社会課題、政策、リーダーシップに関心がある人
- 確認したい点:教授の研究テーマ、ケーススタディ型の授業が自分に合うか
Massachusetts Institute of Technology(MIT)
MITは、理工系分野において世界最高水準の研究環境を持つ大学です。工学やコンピュータサイエンスを中心に、先端的な研究や企業との共同プロジェクトが行われています。
- 評価が高い分野:工学、コンピュータサイエンス、AI、データサイエンス、物理学、経営学
- 向いている学生:先端研究、テック業界、研究職、スタートアップに関心がある人
- 確認したい点:研究室の専門、企業との共同研究、理論研究と応用研究のどちらを重視するか
University of Oxford(オックスフォード大学)
University of Oxfordは、世界で最も長い歴史を持つ大学の一つで、人文・社会科学、医学、AI、公共政策など、幅広い分野で高く評価されています。少人数で指導を受けるチュートリアル制度も特徴です。
- 評価が高い分野:人文・社会科学、医学、AI、公共政策
- 向いている学生:一つの学問を深く追究し、少人数で指導を受けたい人
- 確認したい点:チュートリアルの内容、教授との研究テーマの一致、研究型と授業型の違い
University of Toronto(トロント大学)
University of Torontoは、AI、コンピュータサイエンス、医学、公衆衛生、生命科学などで高い研究力を持つ総合大学です。国際性が高く、大都市に位置するため、企業との連携や卒業後のキャリアも考えやすい環境です。
- 評価が高い分野:AI、コンピュータサイエンス、医学、公衆衛生、生命科学
- 向いている学生:研究と卒業後のキャリアの両方を重視したい人
- 確認したい点:Co-op、インターンシップ、企業連携、就職支援
University of Melbourne(メルボルン大学)
University of Melbourneは、オーストラリアを代表する総合大学の一つです。研究だけでなく、実社会でのキャリアにつながる専門教育にも力を入れています。
- 評価が高い分野:医学、教育学、法学、ビジネス、工学
- 向いている学生:オーストラリアで専門性を身につけ、卒業後の就職も重視したい人
- 確認したい点:インターンシップ、キャリア支援、卒業後の就労ビザ
Trinity College Dublin(トリニティ・カレッジ・ダブリン)
Trinity College Dublinは、アイルランドを代表する歴史ある大学です。コンピュータサイエンス、AI、データサイエンスだけでなく、言語学や人文学でも評価されています。
- 評価が高い分野:コンピュータサイエンス、AI、データサイエンス、言語学、ビジネス
- 向いている学生:ヨーロッパのIT企業や国際企業で働きたい人、人文学を深く学びたい人
- 確認したい点:研究室、プロジェクト、1年制修士の内容、ダブリンの生活費、就職環境
University of Malta(マルタ大学)
University of Maltaは、EU加盟国であるマルタ共和国で唯一の国立総合大学です。比較的費用を抑えながら、英語で学べる点も特徴です。
- 評価が高い分野:地中海研究、環境科学、ICT、AI、デジタルゲーム、言語学
- 向いている学生:費用を抑えて英語環境で学びたい人、小規模な環境を希望する人、EU圏でのキャリアを検討している人
- 確認したい点:MSc by ResearchとTaught Master’sの違い、ゲーム・ICT産業との連携、学費、生活費、就職環境
筆者の例④
筆者はUniversity of Maltaの大学院を修了しています。筆者が在籍した専攻は、学生数が10人という小規模なクラスでした。そのため、教授やアシスタントとの距離が近く、授業や研究について相談しやすい環境でした。
また、デュアルマスターズ・プログラムを利用していたため、University of Maltaだけでなく、当時提携していたアメリカのUniversity of Marylandから教授がマルタへ来て授業を担当していました。
マルタにいながらアメリカ式の授業を経験できたことは非常に貴重でした。一方、アメリカから来た教授が担当する授業は、マルタの教授が担当する授業よりも評価基準が厳しかったことを覚えています。
National University of Singapore(NUS)
National University of Singaporeは、アジアを代表する総合大学の一つです。シンガポールはアジアの研究・ビジネス拠点でもあり、企業との共同研究や国際的なプロジェクトが盛んです。
- 評価が高い分野:AI、コンピュータサイエンス、工学、ビジネス、公共政策
- 向いている学生:アジアで研究や就職をしたい人、国際的な環境で学びたい人
- 確認したい点:奨学金、企業との共同研究、インターンシップ
専攻・研究分野から海外大学院を探す方法
専攻や研究分野から大学院を探す場合は、「プログラム名→カリキュラム→担当教授→研究テーマ」の順番で情報を深掘りすると効率的です。
海外では分野が細かく分類されており、日本で一般的に使われる専攻名を英訳しても、希望するプログラムが見つからないことがあります。名称だけで判断せず、授業内容や教授の専門分野を確認してください。
日本と海外における専攻名の違い
| 日本で使われる名称 | 海外で使われる可能性がある名称 |
|---|---|
| Computer Science/情報科学 | Informatics、Computing、Software Engineering |
| Data Science/データサイエンス | Statistics、Machine Learning、Analytics |
| Public Policy/公共政策 | Public Administration、Government、Public Affairs |
| International Relations/国際関係学 | Global Studies、International Affairs、Diplomacy |
| Engineering/工学 | Mechanical、Electrical、Civil、Materials、Bioengineering |
| Education/教育学 | Learning Sciences、Curriculum Studies、Higher Education |
| Business/経営学 | Management、Finance、Marketing、Operations、Strategy |
同じ名称でも、研究寄りのプログラムと実務寄りのプログラムがあるため、カリキュラムや修了要件まで確認する必要があります。
教授・研究室から大学院を探す方法
教授や研究室から志望校を選ぶ場合は、教授の研究テーマ、最近の論文、研究室のプロジェクト、指導体制、事前連絡の必要性という順番で確認します。
研究型の修士課程や博士課程では、大学名よりも、教授との相性が合否や入学後の研究に大きく影響する場合があります。
研究型修士・博士課程では教授との相性が重要
大学院での研究生活は、研究テーマだけでなく、教授の指導方法や研究室の雰囲気にも左右されます。特に博士課程では、指導教授が長期間にわたって研究を監督するため、実質的な上司に近い存在になります。
- 研究テーマが一致しているか
- 指導方法が自分に合うか
- 放任型か、細かく指導するタイプか
- 研究室は競争的か協調的か
- 学生同士の交流があるか
教授の研究テーマ・論文・研究室を確認する手順
ステップ1:教授の研究テーマを調べる
大学公式サイトのFacultyページで、教授のプロフィール、研究キーワード、研究分野の概要、担当授業を確認します。AI ethics、public policy、learning sciencesなど、自分のテーマに関係するキーワードがあるかを調べましょう。
ステップ2:論文を確認する
Google Scholar、ResearchGate、Semantic Scholarなどを利用し、教授が近年発表した論文を確認します。最近の論文からは、現在取り組んでいるテーマ、研究手法、共同研究者などを把握できます。
ステップ3:研究室のプロジェクトを調べる
- 進行中の研究プロジェクト
- 共同研究先となる企業・政府機関・研究機関
- 研究室メンバーの経歴
- 利用している技術やデータセット
自分が希望する研究テーマを実際に進められる環境があるかを確認します。
ステップ4:指導体制と研究環境を確認する
- 指導スタイル
- 研究室の学生数
- TAやRAの機会
- 研究設備
- 利用できるデータ
- 企業や外部機関との共同研究
詳しい情報が公式サイトで分からない場合は、教授や在学生へ問い合わせる方法もあります。
事前に教授へ連絡した方がよいケース
- 博士課程へ出願する
- 研究型の修士課程を希望する
- 研究テーマが特殊で受け入れ可能かを確認したい
- 奨学金やRAを希望している
- 出願前に研究テーマの方向性を相談したい
教授から前向きな返信を得られれば、研究計画書や面接の準備を進めやすくなる場合があります。ただし、事前連絡が必須ではない大学院もあるため、募集要項を確認してください。
教授へメールを送る際の注意点
- 自分の所属や経歴を簡潔に示す
- 研究したいテーマを具体的に書く
- その教授へ連絡した理由を説明する
- 教授の論文や研究プロジェクトとの接点を示す
- CVを添付する
- 学部や修士で取り組んだ研究を記載する
- 必要に応じて論文の要旨を添える
返信がない場合は、2週間ほど待ってから一度だけフォローアップする方法があります。1カ月以上返信がない場合は、研究室のアシスタントや事務担当者へ受け入れ状況を確認することも考えられます。

リョウジ
教授へのメールは長文にするより、「自分は誰か」「何を研究したいか」「なぜその教授なのか」を短く具体的に伝える方が読まれやすくなります。
学費・奨学金・生活費から比較する
海外大学院への進学では、学費だけでなく、現地で暮らすための費用も考える必要があります。学費が安い大学でも、家賃や保険料が高ければ、留学全体の費用は高額になります。
- 大学へ支払う学費・登録料
- 利用できる奨学金
- TA・RAによる給与や学費免除
- 家賃・食費・保険・交通費
- 卒業後の就職と収入
国や大学によって学費は異なる
海外大学院の学費は、国、大学、専攻によって大きく異なります。一般的には、文系よりも理系の方が高額になりやすい傾向があります。
- アメリカ:約300万〜2,000万円
- イギリス:約250万〜450万円
- カナダ:約200万〜350万円
- オーストラリア:約250万〜400万円
- ヨーロッパ:約10万〜150万円
- アジア圏:約50万〜200万円
金額は2026年7月11日時点の為替レートを参照した目安です。香港やシンガポールなど、アジアの中でも学費が高い地域があります。
同じ専攻でも国が変わるだけで費用が倍以上異なることがあります。予算を重視する場合は、大学だけでなく国から検討することも有効です。
ヨーロッパの大学がすべて無料とは限らない
ドイツやノルウェーなど、一部のヨーロッパ諸国には、EU圏外の留学生に対しても授業料を無料、または低額に設定している公立大学があります。
しかし、ヨーロッパのすべての国や大学で授業料が無料になるわけではありません。EU国籍者と、日本を含むEU圏外の学生で学費が異なる場合もあります。
授業料が無料でも、入学登録費、Semester Fee、学生組合費などが必要になることがあります。自分の国籍に適用される金額を確認してください。
奨学金の対象を確認する
奨学金を利用する場合は、自分の専攻、研究テーマ、国籍、学位課程が応募条件を満たしているかを確認します。
- 大学公式サイトのFundingやScholarshipsを見る
- 大学が提供する奨学金一覧を確認する
- 国が提供する奨学金の国籍・専攻・学位条件を確認する
- 民間財団の年齢・専攻・研究テーマの条件を見る
主な種類には、大学独自の奨学金、国の奨学金、民間財団の奨学金、特定分野向けの奨学金があります。国が提供する制度として、DAAD、Chevening、Fulbrightなどが知られています。
授業料免除だけでなく生活費が支給される制度もあるため、大学への出願と並行して調べましょう。
TA・RA制度を確認する
研究型の修士課程や博士課程では、TAまたはRAとして働ける場合があります。TAは授業補助、RAは教授や研究室の研究補助を行う仕事です。
採用された場合は給与が支給されることがあります。アメリカの博士課程では、TAやRAを担当することで学費が免除され、給与を受け取れるケースも一般的です。
ただし、授業型の修士課程では研究型プログラムと比べて機会が少ない場合があります。
生活費・家賃・保険料も含めて比較する
海外留学では、家賃、食費、保険料、交通費なども大きな負担になります。特に円安が続く状況では、為替変動も含めて慎重に計算する必要があります。
- ロンドン、ニューヨーク、トロントなどの大都市は家賃が高い
- ドイツ、フランス、アイルランドでも都市部は家賃が高い
- ポーランドやハンガリーなど東欧地域は比較的生活費を抑えやすい
- カナダでは医療保険の負担が高くなる場合がある
- イギリスの1年制修士は滞在期間を短くできる
学費だけではなく、修了までに必要なすべての費用を合算して比較しましょう。
卒業後のキャリアも含めて考える
大学院進学にかかる費用は、将来への投資でもあります。そのため、卒業後のキャリアによって費用を回収できるかという視点も重要です。
- アメリカ:給与水準が高く、修士・博士取得者向けの職種も多い
- カナダ:学位取得後に働けるオープン就労ビザがある
- イギリス:Graduate Routeにより2年間働ける場合がある
- ヨーロッパ:国によって制度が異なり、EU国籍者が優先される場合がある

リョウジ
学費が安い大学でも、家賃が高ければ総額は大きくなります。『年間学費』ではなく、『学位取得までに必要な総費用』で比較しましょう。
出願要件から候補校を絞る方法
海外大学院の選考では、成績、英語力、研究経験、職歴、提出書類などが総合的に評価されます。大学や専攻ごとに要件が定められており、満たしていなければ出願できない場合や、合格が難しい場合があります。
- GPA
- TOEFL・IELTSなどの英語スコア
- GRE・GMAT
- 職歴
- 推薦状
- Statement of Purpose
- CV・Resume
- ポートフォリオ
GPA要件
GPAは、大学で取得した成績を一定の方式で数値化したものです。国ごとに成績評価が異なるため、海外大学院では0.0〜4.0などの共通指標へ換算して判断する場合があります。
- アメリカ:GPA3.0〜3.5以上
- イギリス:Upper Second Class相当、日本のGPAでは3.2〜3.5程度
- カナダ:B+、GPA3.3前後
専攻や大学によってはGPA3.7以上を求める場合もあります。研究型の修士課程や博士課程では、授業型よりもGPAが重視される傾向があります。
TOEFL・IELTS要件
英語を母語としない留学生は、英語力を証明する試験のスコアを求められることが一般的です。アメリカやカナダではTOEFL、イギリス、アイルランド、ヨーロッパ、オーストラリアではIELTS Academicが広く採用されています。
近年はDuolingo English Testを受け付ける大学も増えています。
- TOEFL iBT:90〜100点以上
- IELTS Academic:Overall 6.5〜7.0以上
- ケンブリッジ英検:C1 Advanced
総合スコアだけでなく、技能別の最低点が設定される場合があります。たとえば「IELTS Overall 6.5以上、Writing 7.0以上」といった条件です。
条件付き合格や英語準備コースを用意する大学もあるため、最新の募集要項を確認してください。
GRE・GMATの有無
GREとGMATは、主に海外大学院で利用される標準試験です。出願要件に含まれている場合は、試験を受けてスコアを提出する必要があります。
GREの特徴
GREは、理系、文系、社会科学、教育など、幅広い分野の修士課程や博士課程で利用される試験です。特にアメリカの大学院で求められることがあります。
GMATの特徴
GMATは、主にMBAやビジネス系大学院への出願で利用されます。GREとGMATでは対象プログラムが異なるため、志望専攻がどちらを求めているのか確認してください。
職歴の有無
MBA、公共政策、公衆衛生、教育などの実務系プログラムでは、一定年数の職務経験が出願条件になる場合があります。
このようなプログラムでは、勤務年数だけでなく、担当業務、成果、プロジェクトでの役割なども評価されます。出願時には職務経歴をまとめたCVまたはResumeの提出が求められます。
推薦状の必要数
推薦状は、志願者の学力、研究力、職務能力、人柄などを、第三者の立場から評価する文書です。学生であれば卒業論文の指導教授、社会人であれば職場の上司などへ依頼することが一般的です。
推薦者には作成の時間が必要です。出願直前ではなく、余裕を持って依頼しましょう。
複数校へ出願する場合は、志望校数に加えて予備分も考える方法があります。ただし、推薦者が大学のシステムへ直接提出する場合もあるため、提出方法を確認してください。
Statement of Purpose
Statement of Purpose、通称SOPは、「なぜその大学院で学びたいのか」を論理的に示す書類です。GPAや試験スコアだけでは分からない、研究の一貫性、キャリアの方向性、大学との適合度を伝えます。
- 研究したいテーマ
- なぜその大学を選ぶのか
- なぜその教授から指導を受けたいのか
- 修了後のキャリア目標
- これまでの研究経験・職歴・スキル
SOPでは、研究テーマから大学、教授、将来のキャリアまでを一つのストーリーとしてつなげることが重要です。
CV・Resume
海外大学院へ提出するCVまたはResumeは、志願者が大学院で学び、その経験を将来に生かせることを示す書類です。研究型と実務型では評価される内容が異なります。
- 研究経験
- 研究テーマやプロジェクト
- 指導教員
- 論文や学会発表
- インターンシップ
- 職歴と担当業務
- プロジェクトでの成果
- 専門スキル
- プログラミングや統計の能力
Academic CVは研究者としての経歴を示すものであり、Resumeは実務経験や成果を中心に示す書類です。研究型プログラムではAcademic CV、実務型ではResumeを求められる傾向があります。
ポートフォリオ
デザイン、建築、映像、UXなどの分野では、ポートフォリオの提出が必要になる場合があります。作品を通じて、志願者の能力、創造性、問題解決力、思考過程を示します。
- Design:グラフィック、UI・UX、プロダクトデザイン
- Architecture:建築図面、模型、レンダリング、都市計画
- Media・Film:映像、脚本、撮影、編集
- Data Visualization:データ分析と視覚表現
- HCI:UXリサーチ、プロトタイプ、ユーザーテスト、UI設計
完成作品だけでなく、どのような課題を設定し、どのような考えで制作したかを説明することも重要です。

リョウジ
出願要件は、候補校を見つけた段階で確認してください。英語試験、GRE・GMAT、推薦状は短期間では準備できないため、締切直前の確認では間に合わないことがあります。
候補校を挑戦校・適正校・安全校に分ける方法
出願要件を確認した後は、候補校を挑戦校、適正校、安全校の三つに分類します。一つの区分だけに偏らず、バランスよく出願することで、合格先が一校もないリスクを抑えられます。
挑戦校
挑戦校は、現時点の成績や経験では合格が容易ではないものの、進学できれば研究やキャリアの可能性を大きく広げられる大学です。
- GPAや英語スコアが要件の最低水準に近い
- 研究経験が十分ではない
- MIT、Oxford、Torontoなど応募者の多い大学
- GREで高いスコアが必要
- 奨学金の競争率が高い
適正校
適正校は、自分の成績、英語力、研究経験、職歴などが、大学側の要件とおおむね一致している大学です。出願書類を丁寧に作成すれば、十分に合格を狙える学校と考えられます。
- GPAと英語スコアが基準を満たしている
- 研究テーマと教授の専門が一致している
- 奨学金を得られる可能性がある
- SOPやCVで強みを示せる
安全校
安全校は、自分の成績や英語スコアが出願要件を大きく上回っており、比較的高い合格可能性を見込める大学です。
- GREが不要
- 英語要件を大きく上回っている
- 学費が比較的安い
- 留学生の受け入れ人数が多い
- 自分の研究経験が要件を上回っている
ただし、海外大学院には完全に合格が保証される学校はありません。安全校であっても、合格したら実際に進学を検討できる大学を選びましょう。

リョウジ
挑戦校だけに出願すると、進学先を確保できないリスクがあります。挑戦校・適正校・安全校を組み合わせ、すべて『合格したら進学を検討できる大学』から選びましょう。
海外大学院探しで起こりやすい失敗
海外大学院は情報量が多く、国や大学によって制度も異なるため、重要な条件を見落としやすい傾向があります。ここでは、志望校探しでよくある失敗を確認します。
ランキングだけで大学を決める
総合順位は、個別の専攻や教授の研究テーマを反映しているとは限りません。大学の知名度が高くても、自分の研究テーマに合う教授がいなければ、入学後に研究を進めにくくなる可能性があります。
総合ランキングだけでなく、分野別ランキング、カリキュラム、教授の専門まで確認してください。
国のイメージだけで判断する
「アメリカなら就職しやすい」「ヨーロッパなら学費が安い」といった一般的なイメージだけで国を選ぶと、想定と異なる結果になる可能性があります。
同じ国でも大学や専攻によって費用、授業内容、就職実績は異なります。国全体の印象ではなく、自分が応募するプログラムと卒業後の就職制度を調べましょう。
学費と生活費を十分に調べていない
授業料が安くても、家賃や生活費が高額な都市があります。特に日本円をもとに費用を用意する場合は、為替変動の影響も考える必要があります。
ロンドンやニューヨークなどの大都市だけでなく、北欧、ドイツ、フランスなどでも生活費が高額になる場合があります。学費ではなく総額で比較してください。
出願条件を確認する時期が遅い
- TOEFLまたはIELTSのスコアが足りない
- GREやGMATが必要だと後から分かる
- 推薦状の依頼が間に合わない
- SOPやポートフォリオを十分に準備できない
志望校候補を見つけた時点で、出願締切と必要書類を確認しましょう。
教授やカリキュラムを見ずに大学名だけで選ぶ
- 希望する研究を行う教授がいない
- カリキュラムが実務中心で研究の機会が少ない
- 反対に研究中心で実務的な授業が少ない
- 修士論文ではなくプロジェクトのみで修了する
大学院で何を学びたいのかを整理し、教授と授業の両方を確認してください。
挑戦校だけに出願する
知名度の高い大学ばかりに出願すると、すべて不合格になり、進学先を確保できない可能性があります。名門校は応募者が多く、要件を満たしていても合格が保証されません。
挑戦校、適正校、安全校を組み合わせて出願戦略を立てましょう。
卒業後のキャリアを考えていない
大学院は学位を取ることだけを目的とする場所ではありません。多くの人にとって、その後の研究や就職につながる通過点です。
国や専攻によって、就職支援、企業とのつながり、就労ビザ制度は異なります。修了後にどの国で、どのような仕事をしたいのかを考えたうえで選びましょう。
志望校リストの作り方
海外大学院を探す際は、最初から数校だけに絞るのではなく、一度広く候補を集めてから比較する方法が効果的です。早い段階で条件を限定しすぎると、自分に合うプログラムや奨学金の可能性を見落とす場合があります。
- 広く情報を集める
- 国・専攻・学費・要件・ランキング・研究テーマで比較する
- 候補を10〜20校程度に絞る
- 挑戦校・適正校・安全校へ分類する
- 締切と必要書類を一覧化する
ステップ1:まずは広く候補を集める
最初は国や専攻を限定しすぎず、興味を持った大学やプログラムを保存していきます。
- 国を限定せずに探す
- 関連する複数の専攻名で検索する
- 気になった大学を一度リストに入れる
- ランキングや口コミからも候補を探す
この段階では、出願するかどうかを厳密に判断する必要はありません。
ステップ2:複数の条件で比較する
- 国や地域:教育方法、生活費、就職環境
- 専攻:研究型か実務型か
- 学費:修了までの期間を含めた総額
- 出願条件:GPA、英語スコア、GREなど
- ランキング:総合順位より分野別順位を重視
- 研究テーマ:教授の専門との一致
一つの基準だけで順位をつけず、複数の条件を同じ表にまとめると比較しやすくなります。
ステップ3:候補を10〜20校程度に絞る
情報を比較すると、自分の条件に合わない大学や、研究テーマとの一致が弱いプログラムが見えてきます。この段階では、候補を10〜20校程度に絞ると調査を進めやすくなります。
候補が多すぎると一校ごとのカリキュラムや教授を調べる負担が大きくなり、少なすぎると出願先や奨学金の選択肢を狭める可能性があります。
ステップ4:挑戦校・適正校・安全校へ分類する
- 挑戦校:要件ぎりぎり、または競争率の高い大学
- 適正校:自分の条件と大学側の水準がおおむね一致する大学
- 安全校:成績やスコアが要件を大きく上回る大学
三つに分類することで、出願先のバランスを確認できます。
ステップ5:出願スケジュールと書類を一覧化する
- 出願締切
- 奨学金の締切
- GREまたはGMATの要否
- TOEFLまたはIELTSの最低スコア
- SOP
- CVまたはResume
- 推薦状の数
- ポートフォリオ
- 教授への事前連絡の要否
一覧にすることで、英語試験をいつ受けるのか、推薦状をいつ依頼するのか、SOPをいつ完成させるのかが明確になります。
大学院の出願締切と奨学金の締切は異なる場合があります。両方の期限を必ず記録しておきましょう。
まとめ
本記事では、海外大学院を探す前に考えておきたいことから、大学の情報を集める方法、ランキングの活用方法、国や地域ごとの特徴、具体的な大学の例、教授や研究室の選び方、費用、出願要件、志望校リストの作り方までを解説しました。
海外大学院を選ぶ際に大切なのは、大学名や総合ランキングだけで判断しないことです。自分の研究テーマ、将来のキャリア、学びたい内容、指導を受けたい教授、費用、生活環境などを総合的に比較する必要があります。
最初に「なぜ海外大学院へ進学するのか」を明確にし、研究したいテーマや修了後に目指すキャリアを整理しましょう。
次に、ランキングやGoogle検索で候補を広げ、大学公式サイトでカリキュラム、教授、研究室、出願要件を確認します。必要に応じて、論文、卒業生の進路、在学生の体験談も参考にしてください。
また、授業料だけでなく、家賃、生活費、保険料、奨学金、卒業後の就労制度まで比較することで、進学後のミスマッチを防ぎやすくなります。
英語試験、GRE・GMAT、推薦状、SOPなどの準備には時間がかかります。興味のある大学が見つかったら、できるだけ早く出願条件と締切を確認しましょう。
筆者自身も、当初は有名大学やランキングを中心に進学先を探していました。しかし、カリキュラム、取得できる学位、生活環境を比較する中で、自分に合う大学院はランキングだけでは決められないことを実感しました。
まずは気になる大学やプログラムを幅広くリストアップし、大学公式サイトで一校ずつ情報を確認するところから始めてみましょう。
海外大学院に受かるには…まず○○すべし!
本記事を読んで、海外大学院に行きたい!と思ったものの、一人で対策するのは不安、、、
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