千葉大学大学院の倍率を調べるとき、最初に確認したいのは数字の大小ではなく、どの学府・研究科・学位プログラムの数字を見ているのかです。
千葉大学では、進学先の名称が一律に「研究科」へ統一されているわけではありません。人文公共学府、融合理工学府、医学薬学府のように「学府」を用いる組織がある一方、教育学研究科、園芸学研究科、看護学研究科は「研究科」を正式名称としています。
さらに、複数分野を横断する進学先として、総合国際学位プログラムも設けられています。
名称だけでも構成が多様ですが、志願者の集まり方にも大きな違いがあります。
人文公共学府には、千葉大学内部よりも国内外の大学から多くの志願者が集まっています。一方、融合理工学府や総合薬品科学では、千葉大学から継続して進学する内部志願者が中心です。
したがって、倍率が同じ1.5倍であっても、内部進学者が中心の専攻と、国内外から受験生が集まる専攻では、準備すべき内容が異なります。
本記事では、単に倍率の高い順に並べるのではなく、志願者の内訳と入学者数を見ながら、各進学先の「入口がどのように構成されているか」を読み解きます。
そのうえで、学府・研究科・学位プログラムごとに、研究計画や専門試験で意識したい点を個別に整理していきます。
Q. 倍率が低い専攻を選べば、院試対策は簡単になりますか?
A.
倍率が低く見えても、内部進学者が多い専攻では、外部受験生が専門試験や研究室選びで情報差を埋める必要があります。
反対に倍率が高い専攻でも、志願者数が少なく、入学者数が数人に限られるために数値が上昇している場合があります。倍率だけで受験先を決めず、志願者数・入学者数・出願者の内訳を一緒に確認しましょう。
本記事は、オンライン院試塾INPASSが、千葉大学大学院をはじめとする院試対策、研究計画書の添削、志望先選び、面接指導で蓄積した知見をもとに作成しています。
また本記事は、大学院入試情報サイト「insearch」さんと共同で作成させていただきました。
ぜひ下記の記事と合わせてご覧ください。
(insearchさんの記事内でも、INPASSを紹介いただきました!)


リョウジ
千葉大院は、学府によって内部・外部・国外の構成が大きく変わります。倍率を見るときは、自分と同じ出願区分の数字にも目を向けてください。
千葉大学大学院修士課程の記事で扱う範囲
本記事では、最新年度のデータで修士段階の入学実績が確認できる、次の学府・研究科・学位プログラムを対象とします。
学府
人文公共学府、融合理工学府、医学薬学府
研究科
教育学研究科、園芸学研究科、看護学研究科
学位プログラム
総合国際学位プログラム
専門法務研究科の法務専攻と、教育学研究科の高度教職実践は、専門職学位課程として別に整理されているため、今回の修士課程集計には含めていません。
また、千葉大学の大学院一覧には情報・データサイエンス学府も掲載されていますが、今回の最新年度データでは、修士課程に該当する独立した実績を確認できません。そのため、本記事では専攻別の章を設けていません。
なお、過年度データには、人文社会科学研究科、理学研究科、工学研究科、融合科学研究科など、組織改編前の名称も含まれています。
現在の人文公共学府や融合理工学府は、旧組織と名称・専攻構成が異なるため、グラフを見る際は、すべての年度を完全に同じ組織として扱わないよう注意してください。
本記事における倍率の算出方法
倍率は、次の計算式で算出しています。
倍率 = 志願者数 ÷ 入学者数
志願者数が60人、入学者数が40人であれば、倍率は1.5倍です。
ここで使用しているのは、合格者数ではなく入学者数です。
合格後に別の大学院へ進学した人や、入学を辞退した人がいる場合、実際の合格倍率よりも本記事の倍率が高く表示されることがあります。
特に入学者数が一桁の専攻では、辞退者や年度ごとの人数差が数値へ大きく影響します。倍率の小数点だけを比較せず、分母となる入学者数を必ず確認してください。
医学薬学府・教育学研究科などを含む修士段階の倍率
まずは、医学薬学府の医科学・総合薬品科学、教育学研究科の学校教育学、総合国際学位プログラムを含む区分を確認します。
最新年度では、4つの専攻・プログラムを合わせて185人が志願し、136人が入学しました。全体の倍率は約1.36倍です。
ただし、各進学先の構成は対照的です。
総合薬品科学は内部志願者が中心である一方、医科学には国内の他大学から多くの志願者が集まっています。学校教育学は内部・外部国内の人数が比較的近く、総合国際学位プログラムは一桁規模の選考です。
志願者数の推移
最新年度の志願者数では、学校教育学が101人で最大です。医学薬学府は、医科学29人と総合薬品科学48人を合わせて77人となっています。
総合国際学位プログラムは7人と少人数ですが、人数が少ないからといって選考の重要性が低いわけではありません。一人の増減が倍率を大きく変える規模であることを踏まえて確認しましょう。
入学者数の推移
最新年度の入学者数は、学校教育学が66人、医学薬学府が合計66人、総合国際学位プログラムが4人です。
学校教育学と医学薬学府は入学者数が同じですが、内部・外部の構成は異なります。
医学薬学府では、総合薬品科学の内部入学者が40人を占めています。一方、学校教育学では、内部39人に加えて、外部国内25人、国外2人が入学しています。
倍率の推移
この区分では、最新年度の倍率が最も高いのは総合国際学位プログラムの1.75倍です。
次いで、教育学研究科が約1.53倍、医学薬学府が約1.17倍となっています。
ただし、総合国際学位プログラムは志願者7人・入学者4人の小規模な選考です。倍率の順位だけで競争性を比較するのではなく、毎年度の人数変化も確認する必要があります。
学府・研究科・学位プログラム別倍率ランキング
ランキングを見るときは、医学薬学府のように複数専攻を合計した数字と、総合国際学位プログラムのように単一プログラムの数字が並んでいる点に注意してください。
医学薬学府全体の倍率は約1.17倍ですが、医科学は約1.38倍、総合薬品科学は約1.07倍です。同じ学府に属していても、受験生の構成と倍率は一致していません。
学府単位の順位を確認した後は、必ず専攻単位へ視点を下げることが重要です。
人文公共学府・融合理工学府などを含む修士課程の倍率
続いて、人文公共学府、融合理工学府、園芸学研究科、看護学研究科を含む修士課程を確認します。
最新年度では、4つの学府・研究科を合わせて1,222人が志願し、844人が入学しました。全体倍率は約1.45倍です。
志願者数の大半を占めるのは融合理工学府です。5専攻を合わせて833人が志願しており、この区分全体の約7割に相当します。
一方、倍率を大きく押し上げているのは人文公共学府です。人文科学と公共社会科学を合わせた志願者は182人ですが、入学者は46人にとどまり、倍率は約3.96倍となっています。
志願者数の推移
最新年度の志願者数は、融合理工学府が833人で最大です。園芸学研究科162人、人文公共学府182人、看護学研究科45人となっています。
融合理工学府は、先進理化学だけで289人、基幹工学で212人が志願しており、専攻そのものの規模が大きいことが分かります。
これに対して人文公共学府は、内部志願者21人に対し、外部国内44人、国外117人です。志願者の過半数を国外からの出願者が占めています。
入学者数の推移
最新年度の入学者数は、融合理工学府が642人、園芸学研究科が117人、看護学研究科が39人、人文公共学府が46人です。
融合理工学府では、内部入学者が583人となっており、学部から継続して進学する学生が受け入れ人数の中心です。
一方、人文公共学府の入学者は、内部16人、外部国内16人、国外14人です。志願者では国外が大きな割合を占めますが、入学者の構成は三つの区分に分散しています。
倍率の推移
最新年度の倍率は、人文公共学府が約3.96倍で最も高く、園芸学研究科が約1.38倍、融合理工学府が約1.30倍、看護学研究科が約1.15倍です。
人文公共学府の数値が高い理由は、国外を中心に多数の志願者が集まる一方、公共社会科学の入学者数が5人に限られているためです。
融合理工学府は全体として1倍台前半ですが、外部国内だけを見ると、数学情報科学、先進理化学、創成工学、基幹工学で倍率が2倍を超えています。
学府全体の低めの倍率は、内部志願者の入学者数が多いことによって形成されています。外部受験生が同じ条件で受験できることを意味する数字ではありません。
学府・研究科別倍率ランキング
学府・研究科別ランキングでは、人文公共学府が他の進学先を大きく上回っています。
ただし、人文公共学府の内部倍率だけを見ると、志願者21人・入学者16人で約1.31倍です。全体倍率の高さは、外部国内・国外から多数の出願があることによって生じています。
園芸学研究科では、内部倍率が約1.19倍であるのに対し、外部国内は約2.26倍です。融合理工学府でも、内部と外部国内で倍率差が見られます。
同じ学府・研究科でも、出願区分によって見える景色は変わります。総合倍率だけでなく、自分が該当する内部・外部国内・国外の倍率を確認しましょう。

リョウジ
千葉大院では、全体倍率が1倍台でも、外部だけを見ると3倍前後になる専攻があります。外部受験生は、内部を含む総合倍率だけで安心しないようにしましょう。
次章では、人文公共学府、教育学研究科、総合国際学位プログラムについて、専攻・プログラムごとの数字と研究計画の組み立て方を確認します。
千葉大学大学院 人文・教育・国際系の倍率
ここでは、人文公共学府、教育学研究科、総合国際学位プログラムを取り上げます。
この三つの進学先では、文章、歴史、社会制度、教育現場、文化間の関係など、人間が作り出した現象を主な研究対象とします。
ただし、研究計画の作り方は共通ではありません。
人文科学では、限られた資料を深く読み込み、従来とは異なる解釈を提示します。公共社会科学では、制度や社会現象を理論・統計・事例から説明します。学校教育学では、教育現場で見えた課題を、検証可能な研究へ組み替えなければなりません。
総合国際学位プログラムでは、複数分野を結びつけること自体ではなく、異なる学問を使う必然性が問われます。
志望理由を作る際は、「興味のある社会問題」から直接書き始めるのではなく、その問題を、どの資料・データ・理論によって研究へ変換するのかを先に考えましょう。

リョウジ
人文・社会系の研究計画では、問題意識の大きさより、証拠の扱い方が重要です。自分の主張を何によって確かめるのかを先に決めましょう。
人文公共学府の志願者数・入学者数・倍率
人文公共学府には、人文科学専攻と公共社会科学専攻があります。
外部倍率
5.37 倍
高難度外部倍率は5.37倍で、外部受検者にとって競争がかなり強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 21 | 16 | 1.31 |
| 外部 | 161 | 30 | 5.37 |
| 全体 | 182 | 46 | 3.96 |
最新年度の人文公共学府は、志願者182人、入学者46人、倍率約3.96倍です。
千葉大学大学院の修士課程の中では、特に倍率が高く表れている進学先です。
もっとも、数字の背景には二つの専攻の違いがあります。人文科学専攻は志願者116人・入学者41人ですが、公共社会科学専攻は志願者66人に対して入学者が5人です。
人文公共学府全体の倍率が高いからといって、二専攻が同じ選考状況にあるわけではありません。
また、志願者182人のうち117人が国外からの出願です。国内の他大学出身者だけでなく、海外の大学で異なる学問体系を学んだ受験生も含まれる選考となっています。
人文科学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
3.77 倍
難しめ外部倍率は3.77倍で、外部受検ではやや競争が強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 18 | 15 | 1.20 |
| 外部 | 98 | 26 | 3.77 |
| 全体 | 116 | 41 | 2.83 |
最新年度の人文科学専攻は、志願者116人、入学者41人、倍率約2.83倍です。
内部志願者18人に対し、外部国内28人、国外70人となっており、国外からの志願者が全体の半数を超えています。
人文科学の研究計画では、テーマを広く見せるより、使用する資料群を限定した方が研究の実像を伝えやすくなります。
たとえば、ある作家や歴史上の人物を研究する場合、人物の生涯全体を扱う必要はありません。特定の作品、書簡、記録、時期を選び、そこに従来の研究では説明されていない問題があることを示します。
先行研究の整理では、研究者の名前と結論を順番に並べるだけでは不十分です。
同じ資料に対して複数の解釈があるなら、どの前提が異なるのかを整理します。研究史の対立点が見えれば、自分の研究が回答すべき場所も明確になります。
外国語の資料を扱う場合は、語学力をアピールするだけでなく、翻訳によって失われる意味や、原語でしか確認できない表現を研究上どのように扱うかを考えましょう。
国外から出願する受験生は、自国で発表された研究と日本語圏の研究を両方確認し、二つの研究蓄積がまだ接続されていない点を探すと、研究の位置づけを作りやすくなります。
公共社会科学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
15.75 倍
高難度外部倍率は15.75倍で、外部受検者にとって競争がかなり強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 3 | 1 | 3.00 |
| 外部 | 63 | 4 | 15.75 |
| 全体 | 66 | 5 | 13.20 |
公共社会科学専攻は、最新年度に志願者66人、入学者5人、倍率13.2倍となっています。
本記事で扱う専攻の中でも、極めて高い数値です。ただし、入学者数が5人という小規模な専攻であるため、倍率は年度によって大きく動く可能性があります。
志願者の内訳を見ると、内部3人、外部国内16人、国外47人です。国外からの出願が多い一方、最新年度の国外入学者は0人となっています。
この数字を読むときは、単純に「国外出身者は合格しない」と結論づけるべきではありません。一年度の人数であり、研究分野、出願資格、研究計画、語学力など、個々の条件は倍率表から確認できないためです。
公共社会科学では、社会問題への関心と、学術研究としての問いを分ける必要があります。
たとえば、地域格差を解決したいという目的があっても、そのままでは研究上の問いになりません。人口移動、財政、雇用、行政サービス、制度変更など、格差を生み出していると考える仕組みを一つ選びます。
制度比較を行う場合は、複数の国や自治体を並べる前に、比較する単位を統一してください。制度名が同じでも、権限、財源、対象者が異なれば、単純な比較は成立しません。
統計データを使う研究では、数字が公開されていることと、研究目的に使えることは別です。集計方法が途中で変わっていないか、必要な期間や地域のデータが揃うかを事前に確認しましょう。
倍率の高さに対応するには、社会的意義を大きく述べるより、限られた修士課程の期間で、どこまで検証できる計画なのかを具体的に示すことが重要です。

リョウジ
公共社会科学専攻は、倍率だけでなく入学者数の少なさにも注目してください。壮大な政策課題を掲げるより、検証する制度や地域を絞ることが重要です。
教育学研究科 学校教育学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
2.04 倍
標準外部倍率は2.04倍で、外部受検者にとって標準的な競争水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 46 | 39 | 1.18 |
| 外部 | 55 | 27 | 2.04 |
| 全体 | 101 | 66 | 1.53 |
最新年度の学校教育学専攻は、志願者101人、入学者66人、倍率約1.53倍です。
内部志願者46人、外部国内41人、国外14人となっており、千葉大学内部と他大学出身者の双方から志願が集まっています。
教育研究を作る際に注意したいのは、優れた授業案や教育実践を考えることと、その効果を研究として確かめることは別だという点です。
たとえば、新しい教材を導入する研究であれば、「生徒が楽しんでいた」という印象だけでは効果を判断できません。
理解度、学習意欲、発言内容、課題への取り組み方など、何が変化すれば成果があったと判断するのかを、実践前に決める必要があります。
学校現場で調査を行う場合は、研究協力校や対象者を確保できるかも重要です。特定の学校で得られた結果を、他の地域・学年へどこまで当てはめられるのかについても慎重な検討が求められます。
現職教員の場合は、日常的に現場へ入れることが強みになります。一方で、教員が調査者となることで、児童・生徒や同僚の回答が変化する可能性があります。
研究計画書では、実践者として改善したいことと、研究者として明らかにしたいことを別々に書き出してみましょう。
国外の教育制度を扱う場合も、「日本より進んでいる」「自国には課題がある」といった評価から始めるのではなく、制度の目的、対象者、運用主体、学校文化の違いを整理する必要があります。
教育制度は国ごとに前提が異なるため、表面的に同じ政策を比較するだけでは、差が生じた理由を説明できません。
総合国際学位プログラムの志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.67 倍
やや狙い目外部倍率は1.67倍で、準備次第で現実的に狙いやすい水準
内部倍率より外部倍率が低く、外部からでも狙いやすい可能性があります。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 2 | 1 | 2.00 |
| 外部 | 5 | 3 | 1.67 |
| 全体 | 7 | 4 | 1.75 |
※2020、2021、2022年度の外部倍率は、募集がなかった可能性、または合格者がいなかったため倍率を表示していません。
※2024年度の内部倍率は、合格者がいなかったため倍率を表示していません。
最新年度の総合国際学位プログラムは、志願者7人、入学者4人、倍率1.75倍です。
内部志願者2人、外部国内4人、国外1人と、異なる出身区分から少人数の志願者が集まっています。
志願者・入学者が一桁であるため、倍率は一人の増減によって大きく変わります。過去の倍率が低い年度であっても、次年度の選考状況を保証するものではありません。
分野横断型の研究計画では、多くの学問を盛り込むほど説得力が高まるわけではありません。
たとえば、文化、教育、国際協力、情報技術を一つの計画へ入れたとしても、それぞれが別の目的を持っていれば、研究全体はまとまりません。
まず中心となる問いを一つ定め、その問いを一つの分野だけでは解けない理由を説明します。そのうえで、各分野から何を借りるのかを決めましょう。
社会科学の調査と情報技術を組み合わせる場合も、システムを作ることと、社会現象を解明することのどちらが主目的なのかを明らかにする必要があります。
国際的な研究テーマを扱う際は、対象国の数を増やすことより、同じ方法で比較可能な資料を確保できるかが重要です。
使用言語が複数にわたる場合は、調査票やインタビュー項目の翻訳によって、概念の意味が変わっていないかも検討しましょう。
複数領域を並べるのではなく、中心的な問いの周囲へ必要な分野を配置することが、学際的な計画を一つにまとめるポイントです。

リョウジ
学際研究で重要なのは、扱う分野の数ではありません。一つの問いに対して、それぞれの分野がどの役割を担うのかを説明してください。
次章では、融合理工学府の数学情報科学、地球環境科学、先進理化学、創成工学、基幹工学について、専攻ごとの倍率と外部受験で必要となる準備を整理します。
千葉大学大学院 融合理工学府の倍率
融合理工学府は、数学情報科学、地球環境科学、先進理化学、創成工学、基幹工学の5専攻から構成されています。
名称に「融合」とあるとおり、従来の理学・工学という境界だけでは整理できない研究領域を含んでいます。ただし、複数分野へ関心を持っていることだけで、融合理工学府への適性を示せるわけではありません。
数学モデルを用いて現象を説明する研究、自然環境から観測値を得る研究、物質の構造や反応を追究する研究、製品・空間・システムを設計する研究では、必要な知識も研究成果の示し方も異なります。
志望先を検討するときは、分野名を横に並べるのではなく、自分が何を作り、何を測り、何を説明したいのかを先に決めることが重要です。

リョウジ
融合理工学府は、専攻名だけでは研究内容を絞り切れません。同じ専攻内でも、研究室によって試験対策と求められる技術が変わります。
融合理工学府の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
2.73 倍
標準外部倍率は2.73倍で、外部受検者にとって標準的な競争水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者は少なめで、内部進学者中心の傾向があります。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 672 | 583 | 1.15 |
| 外部 | 161 | 59 | 2.73 |
| 全体 | 833 | 642 | 1.30 |
最新年度の融合理工学府は、5専攻を合わせて志願者833人、入学者642人、倍率約1.30倍です。
千葉大学大学院の修士課程では、志願者数・入学者数ともに最も規模の大きな学府です。ただし、833人が一つの試験で同じ枠を争っているわけではなく、専攻や教育研究領域ごとに選考が行われます。
志願者の内訳は、内部672人、外部国内130人、国外31人です。入学者は、内部583人、外部国内47人、国外12人となっています。
内部志願者の倍率は約1.15倍である一方、外部国内志願者は約2.77倍です。学府全体の倍率だけを見ると1倍台前半ですが、他大学から受験する場合は、それより競争性が高いことが分かります。
内部進学者は、既に研究室や研究分野との接点を持っている場合があります。外部受験生は、専門試験の準備だけでなく、現在の卒業研究を千葉大学の研究へどのように接続するのかを説明できる状態にしておきましょう。
数学情報科学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
2.86 倍
標準外部倍率は2.86倍で、外部受検者にとって標準的な競争水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 67 | 52 | 1.29 |
| 外部 | 20 | 7 | 2.86 |
| 全体 | 87 | 59 | 1.47 |
最新年度の数学情報科学専攻は、志願者87人、入学者59人、倍率約1.47倍です。
内部志願者は67人、外部国内志願者は19人です。内部倍率が約1.29倍であるのに対し、外部国内倍率は約2.71倍となっています。
数学情報科学では、数式を使う研究とプログラムを作る研究が、同じ目的を持つとは限りません。数学寄りの研究では、対象となる構造や命題を定義し、どの条件の下で結果が成り立つのかを論証します。
情報科学寄りの研究では、アルゴリズムやシステムを開発した後、正確性、処理時間、必要な計算資源、既存手法との差を検証する必要があります。
人工知能やデータ分析を扱う場合も、「AIで解決する」という説明から始めないようにしましょう。まず、現在の方法ではどのような入力に対して誤りが生じるのか、現状の限界を特定します。
研究計画書では、使用予定のデータ、比較対象となる手法、評価指標を具体化してください。データ量が多いことと、研究上適切な比較ができることは別です。
外部受験生は、プログラミング経験だけでなく、線形代数、微積分、確率統計、離散数学など、研究を支える基礎科目の履修状況も整理しておきましょう。
地球環境科学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.25 倍
狙い目外部倍率は1.25倍で、外部受検者にとって狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者は少なめで、内部進学者中心の傾向があります。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 62 | 58 | 1.07 |
| 外部 | 15 | 12 | 1.25 |
| 全体 | 77 | 70 | 1.10 |
地球環境科学専攻は、最新年度に志願者77人、入学者70人、倍率1.10倍です。
内部志願者62人に対して入学者58人となっており、融合理工学府の中でも内部進学者の割合が高い専攻です。外部国内は志願者12人・入学者10人、国外は志願者3人・入学者2人でした。
地球環境に関わる研究では、目の前で起きている現象と、それを引き起こしている時間的・空間的な要因を分けて考える必要があります。
ある地点の温度、水質、地形、生物分布などを測定しても、その値が一時的な変化なのか、地域固有の特徴なのかは、一度の観測だけでは判断できません。
研究計画を立てる際は、観測地点を選んだ理由、比較する地点や期間、測定値へ影響し得る条件を整理しましょう。
衛星データや公開データを使用する場合は、対象地域を覆っているかだけでなく、空間解像度や観測間隔が研究目的に合っているかを確認します。
外部受験生は、千葉大学で利用したい観測環境や分析技術を特定し、現在の研究では取得できない情報をどのように補えるのかを説明できると、志望理由に具体性を持たせられます。
先進理化学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
2.67 倍
標準外部倍率は2.67倍で、外部受検者にとって標準的な競争水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者は少なめで、内部進学者中心の傾向があります。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 249 | 221 | 1.13 |
| 外部 | 40 | 15 | 2.67 |
| 全体 | 289 | 236 | 1.22 |
最新年度の先進理化学専攻は、志願者289人、入学者236人、倍率約1.22倍です。融合理工学府の5専攻では、志願者数・入学者数ともに最も多くなっています。
内部志願者は249人で、そのうち221人が入学しています。一方、外部国内は志願者34人・入学者11人で、倍率は約3.09倍です。
先進理化学では、物理現象を測定・モデル化する研究と、化学物質を合成・分析する研究で、日々の研究作業が大きく変わります。
物理系の研究であれば、どの物理量を観測し、測定値からどの現象を識別するのかを決めます。化学系の研究なら、目的物を得た後に、構造や反応過程をどの方法で確認するかまで計画へ含めます。
先端的なテーマであることを強調するだけでは、研究計画の説得力は高まりません。新しい装置や材料を使う理由を、未解決の現象や既存技術の限界と結びつける必要があります。
外部受験では、現在の研究室にある装置名を列挙するのではなく、自分がどこまで操作し、試料作製・測定・解析のどの工程を担当したのかを示しましょう。
入学後に新しい実験手法へ移る場合は、これまで身につけた技能のうち、どの部分を転用できるのかを説明すると、研究開始までの見通しが伝わります。
創成工学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
3.27 倍
難しめ外部倍率は3.27倍で、外部受検ではやや競争が強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 119 | 98 | 1.21 |
| 外部 | 49 | 15 | 3.27 |
| 全体 | 168 | 113 | 1.49 |
創成工学専攻は、最新年度に志願者168人、入学者113人、倍率約1.49倍です。融合理工学府の5専攻では、数学情報科学専攻と並んで倍率が高めに表れています。
内部志願者119人に対して入学者98人である一方、外部国内は志願者39人・入学者11人となっており、外部国内倍率は約3.55倍です。
創成工学では、既存の理論を適用するだけでなく、製品、空間、表現、仕組みなど、新しい価値を形にする研究が考えられます。
ただし、独創的な案を作ることと、その案が有効であることを確かめることは別です。研究計画には、制作・設計の工程だけでなく、評価の工程を設ける必要があります。
利用者を対象とする場合は、誰にとって使いやすいのか、既存の案と比べて何が変わるのかを決めましょう。完成物への感想だけでなく、行動、作業時間、理解度などを測る方法も考えられます。
空間や作品を扱う場合は、ポートフォリオの見栄えだけでなく、着想へ至った調査、条件の整理、途中で不採用とした案まで説明できるようにしてください。
外部受験生は、自分の制作物や設計成果を、単なる実績紹介ではなく、問題発見から検証までを行った研究経験として提示することが重要です。
基幹工学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
3.70 倍
難しめ外部倍率は3.70倍で、外部受検ではやや競争が強い水準
外部倍率が内部倍率より高く、外部受検では各種提出書類や試験の完成度がより重要です。 外部志願者は少なめで、内部進学者中心の傾向があります。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 175 | 154 | 1.14 |
| 外部 | 37 | 10 | 3.70 |
| 全体 | 212 | 164 | 1.29 |
最新年度の基幹工学専攻は、志願者212人、入学者164人、倍率約1.29倍です。
内部志願者175人のうち154人が入学しています。外部国内は志願者26人・入学者8人で倍率3.25倍、国外は志願者11人・入学者2人で倍率5.5倍です。
基幹工学では、装置や部品の単体性能だけでなく、それらを組み合わせたときの安定性・制御性・耐久性などが研究対象になります。
新しい機構やシステムを提案する場合は、性能が向上する条件だけを示すのではなく、性能が低下する条件や適用できない範囲も確認しましょう。
数値解析を用いる研究では、計算結果が得られたことを結論にせず、実験値や既存データとの一致を確認します。境界条件や入力値を変えたときに結果がどの程度変化するかも重要です。
試作を伴う場合は、設計、部品調達、製作、測定、改良に必要な期間を分けて考えます。完成後の評価時間が不足しないよう、修士課程の研究工程を逆算してください。
外部受験では、現在の専攻名と完全に一致していなくても、力学、回路、制御、計測、材料評価などの基礎を持ち込める場合があります。分野名より、研究工程のどこを担当できるかを示しましょう。

リョウジ
融合理工学府を外部から受験する場合は、総合倍率より外部倍率を確認しましょう。研究室との接点を早めに作ることも重要です。
次章では、医学薬学府、園芸学研究科、看護学研究科について、修士段階の倍率と研究計画の考え方を確認します。
千葉大学大学院 医療・薬学・園芸・看護領域の倍率
ここでは、医学薬学府、園芸学研究科、看護学研究科を取り上げます。
三つの進学先では、研究の対象が大きく異なります。医学薬学府では、疾患や医薬品を分子・細胞・データから捉えます。園芸学研究科では、植物、生産環境、緑地、食や地域との関係を研究できます。
看護学研究科では、医療や生活の場で行われる看護実践を、経験談ではなく検証可能な知見へ変えていきます。
これらの研究では、対象への関心だけでなく、必要な試料・データ・協力者を実際に確保できるかが計画の成否を左右します。

リョウジ
生命や人を扱う研究では、テーマを決めるだけでは進みません。試料や対象者を確保できる経路まで確認してから出願しましょう。
医学薬学府の志願者数・入学者数・倍率
医学薬学府の修士段階には、医科学専攻と総合薬品科学専攻があります。
外部倍率
1.40 倍
狙い目外部倍率は1.40倍で、外部受検者にとって狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 42 | 41 | 1.02 |
| 外部 | 35 | 25 | 1.40 |
| 全体 | 77 | 66 | 1.17 |
最新年度の医学薬学府は、2専攻を合わせて志願者77人、入学者66人、倍率約1.17倍です。
学府全体の倍率は1倍台前半ですが、二つの専攻では志願者の構成が異なります。
医科学専攻は外部国内志願者が22人で、内部志願者1人を大きく上回ります。一方、総合薬品科学専攻は、志願者48人のうち41人が内部からの出願です。
同じ医学薬学府であっても、医科学専攻は外部から入りやすい構成であり、総合薬品科学専攻は学部からの研究継続が中心になっています。
医科学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.40 倍
狙い目外部倍率は1.40倍で、外部受検者にとって狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 1 | 1 | 1.00 |
| 外部 | 28 | 20 | 1.40 |
| 全体 | 29 | 21 | 1.38 |
※2013、2017年度の内部倍率は、合格者がいなかったため倍率を表示していません。
最新年度の医科学専攻は、志願者29人、入学者21人、倍率約1.38倍です。
志願者の内訳は、内部1人、外部国内22人、国外6人です。入学者についても、外部国内15人、国外5人が中心となっています。
医科学専攻では、医学部以外で学んだ知識を、疾患や人体に関する問いへ接続する受験生も考えられます。
生命科学の経験がある場合は、扱ってきた分子や細胞が、どの疾患現象と関係するのかを示します。工学・情報系の経験がある場合は、計測や解析技術によって、医学研究のどの問題を見えるようにするのかを考えましょう。
「医療に貢献したい」という目的だけでは、研究対象を決められません。診断精度、病態機序、治療反応など、修士研究で観察する変化を限定する必要があります。
ヒト由来の試料や診療データを使う予定であれば、入学後すぐに利用できるとは限りません。研究室が既に保有しているデータを使うのか、倫理上の手続きを経て新たに収集するのかを確認してください。
外部出身者が多い専攻だからこそ、出身学部の違いを弱点として扱うのではなく、自分の専門によって医学研究へ加えられる視点を明確にしましょう。
総合薬品科学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.40 倍
狙い目外部倍率は1.40倍で、外部受検者にとって狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者は少なめで、内部進学者中心の傾向があります。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 41 | 40 | 1.03 |
| 外部 | 7 | 5 | 1.40 |
| 全体 | 48 | 45 | 1.07 |
総合薬品科学専攻は、最新年度に志願者48人、入学者45人、倍率約1.07倍です。
内部志願者41人のうち40人が入学しており、内部進学を中心とした構成です。外部国内は志願者7人・入学者5人となっています。
薬品科学の研究は、薬の候補となる化合物を作る段階から、作用を確かめ、体内での挙動や剤形を検討する段階まで、複数の工程に分かれます。
研究計画を作る際は、「新薬を開発したい」と全工程を対象にせず、自分が扱う段階を決めることが重要です。
化合物の合成を行うなら、作製後にどの分析で構造を確認し、どの試験で活性を評価するのかを整理します。薬の作用を研究する場合は、対象分子だけでなく、細胞や生体全体への影響も切り分けなければなりません。
薬物動態や製剤を扱う研究では、有効成分の量だけでなく、吸収、分布、安定性、放出速度など、薬として機能するまでの過程が研究対象になります。
外部から受験する場合は、内部進学者と同じ研究経験を持つ必要はありません。ただし、有機化学、生化学、分子生物学、物理化学など、志望研究に必要な基礎をどこまで履修しているかを整理しておきましょう。

リョウジ
医科学は外部志願者中心、総合薬品科学は内部志願者中心です。同じ学府でも、受験前に埋めるべき情報差は異なります。
園芸学研究科 環境園芸学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
2.08 倍
標準外部倍率は2.08倍で、外部受検者にとって標準的な競争水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者も一定数おり、外部受検者にも開かれた専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 108 | 91 | 1.19 |
| 外部 | 54 | 26 | 2.08 |
| 全体 | 162 | 117 | 1.38 |
最新年度の環境園芸学専攻は、志願者162人、入学者117人、倍率約1.38倍です。
内部志願者108人、外部国内43人、国外11人となっています。内部倍率は約1.19倍ですが、外部国内倍率は約2.26倍です。
環境園芸学では、植物を育てる技術だけでなく、植物が生育する環境、都市や地域の緑、園芸作物の利用、食や流通との関係まで、多様な研究の方向があります。
植物を対象とする研究では、実験の都合だけで研究日程を決められません。播種、開花、収穫など、植物側の時間に合わせて測定を行う必要があります。
一度の栽培結果だけでは、処理条件の効果なのか、その年の気温や日照による変化なのかを判断しにくい場合があります。複数の処理区や対照区を設け、比較可能な実験にしましょう。
緑地や景観を扱う場合は、見た目の評価だけでなく、利用者の行動、生態的な機能、管理負担など、何をもって価値を判断するのかを決めます。
農産物の流通や経営を扱う研究では、生産現場と消費市場を一度に説明しようとすると、焦点が広がりすぎます。生産者、流通事業者、消費者のうち、どの意思決定を分析するのかを明確にしてください。
外部受験生は、園芸学という名称に合わせるために現在の研究を無理に変更する必要はありません。生物学、環境科学、地域計画、経済学など、自分の基礎を環境園芸学のどの領域へ持ち込むのかを具体化しましょう。
看護学研究科 看護学専攻の志願者数・入学者数・倍率
外部倍率
1.19 倍
狙い目外部倍率は1.19倍で、外部受検者にとって狙いやすい水準
内部倍率との差は大きくなく、外部受検者にも比較的フラットな競争環境と見られます。 外部志願者の比率が高く、外部生が受けやすい専攻と見られます。
| 出願者区分 | 志願者(人) | 合格者(人) | 倍率(倍) |
|---|---|---|---|
| 内部 | 8 | 8 | 1.00 |
| 外部 | 37 | 31 | 1.19 |
| 全体 | 45 | 39 | 1.15 |
最新年度の看護学専攻は、志願者45人、入学者39人、倍率約1.15倍です。
内部志願者は8人であるのに対し、外部国内志願者は31人です。他大学出身者や実務経験を持つ受験生が、志願者の中心となっています。
看護研究の出発点には、臨床や生活支援の中で感じた小さな違和感があります。ただし、「もっと良い看護を提供したい」という思いだけでは、研究として検証できません。
患者が安心しているかを調べるのか、症状が軽減したかを調べるのか、セルフケア行動が変化したかを調べるのかによって、必要なデータは異なります。
インタビューを行う場合も、経験を聞き取るだけではなく、どの場面に着目し、語りをどのような概念で整理するのかを考えます。
勤務先で研究協力者を募る場合は、対象者が断りにくい関係になっていないかを確認しましょう。看護師・管理者としての立場と、研究者としての立場を区別する必要があります。
現職のまま進学する場合は、研究のために確保できる時間も計画へ影響します。勤務先でデータを集められることを前提とせず、所属機関の許可や調査可能な期間を確認してください。
実務経験は重要な強みですが、面接では経験の長さよりも、その経験から生まれた問いを、既存研究と照らして説明できることが求められます。

リョウジ
看護学研究科では、実務経験をそのまま語るのではなく、経験から生まれた疑問を、測定や分析ができる問いへ変えましょう。
次章では、千葉大学大学院修士課程の倍率データを、志望先選び、研究室への連絡、専門試験、研究計画書、面接対策へ落とし込む方法を解説します。
千葉大学大学院 修士課程の合格に向けた準備方法
千葉大学大学院の修士課程には、内部進学者が多数を占める専攻と、外部・国外からの受験生が集まる専攻が併存しています。
融合理工学府や医学薬学府の総合薬品科学専攻では、内部志願者が大きな割合を占めます。一方、人文公共学府、医科学専攻、看護学研究科では、外部からの志願者が中心です。
この違いを無視して、すべての専攻へ同じ方法で対策することはできません。
千葉大学大学院を目指す際は、自分が内部・外部国内・国外のどの立場で受験するのかを確認し、その立場から不足する情報を埋めることが重要です。

リョウジ
千葉大院では、内部と外部で倍率が大きく違う専攻があります。まず、自分と同じ出願区分の数字を確認してください。
総合倍率と外部倍率を分けて考える
千葉大学大学院のデータを見ると、融合理工学府の全体倍率は約1.30倍です。
しかし、外部国内だけを集計すると、志願者130人に対して入学者47人で、倍率は約2.77倍になります。
専攻別でも、先進理化学は全体約1.22倍に対して外部国内約3.09倍、創成工学は全体約1.49倍に対して外部国内約3.55倍です。
園芸学研究科も、全体倍率約1.38倍に対して、外部国内倍率は約2.26倍となっています。
全体倍率が低く見えるのは、内部志願者の入学者数が多いためです。外部受験生は、内部を含む倍率だけを見て、合格しやすいと判断しないようにしましょう。
一方、人文公共学府のように外部・国外志願者が多い進学先では、総合倍率そのものが外部受験の競争性を比較的反映しやすくなります。
専攻名より先に志望教員の研究手順を調べる
融合理工学府のように一つの専攻内に複数の研究領域が含まれる場合、専攻名だけを見ても、実際に行う研究は分かりません。
志望教員を調べるときは、研究テーマの題名だけでなく、最近の論文で使われている資料・装置・分析方法を確認してください。
たとえば「環境」を扱っている教員同士でも、現地観測を中心とする研究室と、数値モデルを中心とする研究室では、受験生に必要な能力が異なります。
次の順番で論文を確認すると、研究室の違いを把握しやすくなります。
研究対象
何を資料・試料・データとして扱っているか
研究操作
観測、実験、制作、調査、計算のどれを行っているか
評価方法
どの数値・記録・比較から結論を導いているか
研究上の制約
装置、対象者、調査地、データ利用に条件があるか
論文の結論へ共感するだけでなく、その結論へ至る作業を自分が行いたいかまで考えましょう。
外部受験生は「持ち込めるもの」と「入学後に学ぶもの」を分ける
外部から千葉大学大学院を受験する場合、内部進学者と同じ授業・研究指導を受けていないことは避けられません。
しかし、内部生と同じ経験を持っていないこと自体が、直ちに不利になるわけではありません。
重要なのは、現在までに習得したものと、入学後に補う必要があるものを、自分で把握していることです。
- 履修済みの専門科目と、志望先の専門試験との対応
- 使用経験のある装置、ソフトウェア、調査方法
- 卒業研究で自分が担当した作業
- 志望研究室でそのまま活用できる技術
- 研究開始前に補う必要がある知識・技能
研究分野を変更する場合も、「未経験だが挑戦したい」という説明で終わらせず、既存の専門から何を移せるのかを示しましょう。
たとえば、生物学から医科学へ進む場合は、細胞実験や統計解析の経験を活用できます。工学から看護・医療領域へ進む場合は、計測やデータ処理を研究手段として持ち込める可能性があります。
研究計画書は「入学後の最初の100日」から考える
研究計画書では、修士論文で最終的に明らかにしたいことを書く必要があります。
しかし、最終目標だけを書いても、研究が実際に始まる様子は伝わりません。
計画を具体化するには、入学後の最初の100日間に何をするかを書き出してみましょう。
- 最初に読む先行研究と、確認する研究上の争点
- 習得する実験・分析・調査手法
- 使用する資料・データ・試料の確保
- 予備実験や試行調査で確かめる内容
- 本調査・本実験へ移るための判断基準
最初の100日間に行う作業を説明できなければ、研究目的と方法の間に空白が残っている可能性があります。
反対に、最初の作業が明確であれば、研究室の設備や指導体制が自分の計画に必要である理由も示しやすくなります。
学際的な計画では「主役となる学問」を決める
千葉大学大学院には、融合理工学府や総合国際学位プログラムなど、分野を横断できる進学先があります。
ただし、学際的であることは、複数の分野を同じ分量で盛り込むことではありません。
研究計画には、中心となる問いと、その問いを判断するための主な方法が必要です。
情報技術と社会調査を組み合わせる場合は、システムの性能を明らかにしたいのか、システムが人の行動へ与える影響を明らかにしたいのかを決めます。
園芸と地域経済を扱う場合も、植物の生産条件を中心にするのか、生産者の経営判断を中心にするのかによって、研究の主役が変わります。
一つの学問を研究の背骨とし、別分野の知識を必要な場所へ加えることで、学際性と一貫性を両立できます。

リョウジ
学際性は、テーマを広げるためではなく、一つの問いを別の角度から解くために使いましょう。
専門試験は問題ごとに「必要な判断」を記録する
過去問対策では、問題を解けたかどうかだけを記録すると、次の年度の問題へ知識を転用しにくくなります。
各問題について、正解へ至るために必要だった判断を記録しましょう。
知識
解答に必要だった定義・公式・理論
判断
どの解法や分析方法を選ぶべきだったか
答案
途中式・根拠・説明をどこまで書く必要があったか
不足
未履修、理解不足、時間不足のどれで失点したか
理工系の計算問題では、公式を暗記していても、適用条件を判断できなければ得点できません。
人文社会系の論述問題では、知識量だけでなく、問いに対して必要な論点を選び、順序立てて記述する力が求められます。
過去問を年度別に繰り返すだけでなく、出題分野と失点理由を一覧化し、優先して補う範囲を決めましょう。
志望教員への連絡では面談の目的を明示する
研究室へ連絡する際に、「研究室について詳しく教えてください」とだけ書くと、教員が何を回答すればよいか分かりません。
連絡前に、自分が面談で確認したい内容を一つに絞りましょう。
- 現在考えているテーマを指導可能か
- 研究で必要となる資料・装置を利用できるか
- 現在の卒業研究から分野を変更できるか
- 外部受験前に補うべき専門知識は何か
- 入学後に所属を希望する研究領域とテーマが合っているか
メールには、現在の所属、卒業研究、志望理由、相談したい点を短くまとめます。
研究計画が完成していなくても、現時点で考えている問いと方法を示してください。教員に研究テーマそのものを決めてもらう依頼にならないよう注意しましょう。
面接では研究方法を入れ替えられても答えられるようにする
面接では、研究計画書に書いた方法が本当に適切かを確かめるため、別の方法を提案されることがあります。
たとえば、インタビューではなく質問紙で調査できないか、実験ではなく既存データを利用できないか、対象地域を変更しても研究が成立するかといった質問です。
このとき、自分が選んだ方法を守ることだけに集中すると、方法そのものが研究目的になってしまいます。
面接前には、次の二つを分けておきましょう。
- 変更できないもの:研究によって答えたい中心的な問い
- 変更できるもの:対象、資料、測定条件、分析方法、調査場所
別の方法でも問いへ答えられる場合は、変更案を受け入れて構いません。別の方法では必要な情報を得られない場合は、その理由を説明します。
研究計画を暗記するのではなく、問いと方法の関係を理解しておくことが、想定外の質問への対策になります。
出願書類の間で研究テーマの表現を統一する
院試では、研究計画書、志望理由書、卒業研究概要、面接回答など、複数の場面で研究テーマを説明します。
それぞれを別々に作成すると、書類によって研究目的や志望理由が変わってしまうことがあります。
提出前には、次の項目がすべての書類で一致しているかを確認してください。
- 研究対象
- 解決したい問い
- 使用する方法
- 千葉大学を志望する理由
- 志望教員との研究上の接点
- 修士課程修了後の進路
研究計画書では実験研究、志望理由書では社会実装、面接では別の研究テーマを話すと、受験生自身が研究方針を固めていないように見える可能性があります。
千葉大学大学院の対策に不安がある場合は早めに検証する
千葉大学大学院では、進学先によって、内部進学者の割合、外部倍率、研究計画書の重要性、専門試験の内容が異なります。
倍率だけを見て志望先を決めても、研究室の専門と合っていない、専門試験の未履修範囲が多い、必要なデータを取得できないといった問題が後から判明することがあります。
オンライン院試塾INPASSでは、千葉大学大学院を目指す受験生に対して、志望先・研究室の選定、研究計画書・志望理由書の作成、専門試験の学習計画、研究室訪問、面接対策を個別にサポートしています。
「融合理工学府のどの研究領域が合うのか分からない」「外部倍率を見て対策を見直したい」「現在の専攻とは異なる分野へ進学したい」という方は、出願直前ではなく、研究室を選ぶ段階から準備を始めましょう。


リョウジ
外部受験では、内部生と同じ情報を持つことより、自分に不足している情報を把握し、出願前に埋めることが重要です。
まとめ
本記事では、千葉大学大学院の修士課程について、学府・研究科・学位プログラム別に志願者数、入学者数、倍率を確認しました。
最新年度に本記事で扱った進学先を合計すると、志願者は1,407人、入学者は980人で、全体倍率は約1.44倍です。
ただし、全体倍率だけでは、千葉大学大学院の選考状況を正しく判断できません。
- 人文公共学府は外部・国外志願者が多く、全体倍率も高い
- 公共社会科学専攻は入学者数が少なく、最新年度の倍率が大きく上昇している
- 融合理工学府は内部進学者が多く、総合倍率と外部倍率に差がある
- 創成工学や先進理化学では、外部国内倍率が3倍を超えている
- 医科学専攻と看護学研究科は、外部国内志願者が中心となっている
- 総合薬品科学専攻は、内部からの継続進学が多い
- 園芸学研究科では、外部国内倍率が全体倍率を上回る
- 総合国際学位プログラムは少人数のため、一人の増減で倍率が動きやすい
倍率が高い進学先では、志望理由を強く表現するだけでなく、研究対象、先行研究、方法、実行可能性を具体化する必要があります。
倍率が低めに見える専攻でも、内部進学者が多い場合、外部受験生は専門試験や研究室選びで情報差を補わなければなりません。
千葉大学大学院を目指す方は、学府・研究科・学位プログラムの名称だけで志望先を決めず、専攻、教育研究領域、教員、研究方法まで確認しましょう。
千葉大学大学院に受かるには…まず○○すべし!
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千葉第院や東大院、京大院、東工大院、一橋、早慶の大学院に合格するためには何から手を付けて良いかわからない方がほとんどかと思います
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